よくわかる(わからない)天地協和世界観全書
▼目次
世界について
テオラについて
テオラとは、二つの大陸とたくさんの島々が連なる、地球によく似た環境を持つ小さな惑星。
北側の大陸にはローエンフェルド王国とシュテンツ教国、南側の大陸にはカルヴァス連合国、北東にある小さな島にはノードレック民国の四大国で成り立っている。>各国について
地球と比べて平均気温が寒く、地域にもよるが年中通して10度前後、温かい日でも20度程度までしかあがらない。地軸も公転周期に対して垂直で四季はないが、主星の活動によって不定期に気候が変動する。
月に当たる衛星は二つあり、大きいほうはテレス、小さいほうはアリスと呼ばれている。
魔術と祓術について
テオラには、いわゆる「物理学」や「化学」などの概念の代わりに魔術(まじゅつ)と祓術(ふじゅつ)という二つの概念が存在している。世界人口のおよそ95%が魔術師か祓術師のどちらかに分類される。それらは先天的に遺伝で決まり、変化することはない。
魔術師は自身の持つマナの色素によって赤い光彩をもち、祓術師は同様の理由で青い光彩を持つ。その色合いには個人差があるが、その性質上紫やピンクなど中間色の光彩を持つ者が生まれることはない。また、残り5%のどちらにも分類されない者はほとんどが黒か茶、稀に先述した固有色以外の様々な色を持つことが確認されている。
▼魔術
魔術というと魔法みたいなものを想像するかもしれないが、実際は物理学に近い。我々が物理と呼ぶ現象をある程度自由に扱うことができるのが魔術師の特徴である。先述の通り、魔術師とは職業ではなく一つの人種のことをいう。
ある程度扱えるといえど、扱うには一定の訓練や勉強を必要とする。魔術師が生まれ持つマナにはそれぞれ①秒間回復量、②総保有量、③最大消費量、④最大展開量の指標があり、学院での成績もそれを考慮して採点される。
※成績指標の一部、展開時間の求め方。これは0に近いほど良いとされる。
最大展開量-( (総保有量/(最大消費量-秒間回復量) )*最大消費量)
例えば①6mp/s、②300mp、③30mp/s、④600mpの人がいた場合、その人の展開時間指標は37.5となる。
これらは先天的な才能に依存するが、③最大消費量については訓練で増やすことが可能。
魔術は4つの属性を持ち、正の性質を持つ「秩序」と負の性質を持つ「混沌」、静の性質を持つ「恒常」と動の性質を持つ「循環」がそれぞれ対になって存在している。それらは世界の事象すべてに働いており、それらを人工的に発生させることを世界術式と呼ぶ。世界術式は大規模かつ複雑な術指揮のため、限られたごく一部の人にしか扱うことができない。
昔はマナ自体が四属性を持つと考えられていたが、近年の研究によって、魔術師が扱うエネルギーの属性によってマナの性質が変化している。
▼秩序魔術
秩序の属性を持つエネルギーは、大気中に溶け込んでいるマナのバランスを調整する役割を持つ。混沌属性によって崩壊したマナの序列を正し、正常を保つ働きをする。主に物質が形を形成するために使われ、物質を形どるマナを繋ぎとめる役割を果たす。秩序属性を持ったマナは飽和すると長期的な視点で人々の生命活動に悪影響を及ぼすことがわかっている。
秩序魔術を司る神はユーステラ。世の中に混沌属性を持つマナが増えすぎないよう調整を行っている。生を司る女神。四大国がそれぞれ管理する神の一柱。従属の調停者はアルジェント家が担っていた。>歴史について
▼混沌魔術
混沌の属性を持つエネルギーは、大気中に溶け込んでいるマナのバランスを崩す役割を持つ。生命エネルギーは非常に強い混沌属性を持っており、人が死ぬとそのエネルギーが放散されて、それが持つ混沌エネルギーは大気のマナのバランスを大きく乱す。混沌属性を持ったマナは飽和すると時空を歪ませることが研究によって知られており、それによって生じた時空の歪みにより異世界の存在が確認された。そのため、人が多く死ぬ場所では時空の歪みが起きやすく、奇妙な体験をした人や実際に歪みに飲み込まれて行方不明となった者も存在する。
混沌魔術を司る神はマルサル。世の中に秩序属性を持つマナが増えすぎないよう調整を行っている。死を司る神。四大国がそれぞれ管理する神の一柱。従属の調停者はフォーマルハウト家が担っている。
▼恒常魔術
恒常の属性を持つエネルギーは、静の状態を保つマナすべてに作用しており、世の中に最も普遍的にあふれている。すべての物質に常に働く重力や、物体の運動と反対に働く摩擦も恒常エネルギーに該当する。恒常エネルギーはマナに属性の変化を与えず、故に恒常属性のマナが飽和することもない。
恒常魔術を司る神はユークレス。世の中に存在するすべての事象を管理している。安定を司る神。四大国がそれぞれ管理する神の一柱。従属の調停者はハルツハイム家が担っている。
▼循環魔術
循環の属性を持つエネルギーは、動の状態を持つマナすべてに作用しており、世の中において不定期かつ突発的に発生する。通常恒常属性に反して作用をするが、必ずしもそうではない。循環エネルギーは非常に不安定なため、通常自然界に存在し続けることはほとんどない。循環エネルギーはマナに属性の変化を与えるが、先述した不安定な性質により循環属性のマナが飽和することはない。
循環魔術を司る神はミネロア。事象に変化をもたらすことでマナの性質を管理している。変化を司る神。四大国がそれぞれ管理する神の一柱。従属の調停者はアリアレッタ家が担っている。
▼祓術について
魔術に比べて研究が進んでおらず、まだあまり文献のない分野。
魔術がエネルギーを加えマナの性質を変化させるのに対し、祓術はマナの変化や流れを読み取ったり、マナが物質化したエーテルを使って様々な変化をもたらすことができる。
遺伝的に潜性で、祓術師同士における子孫にしか発現しない。そのため人口比は魔術師よりもはるかに少ない。
歴史について
神話について
神とは、世界の創世に関わった高次元生命体のことを言う。通常人々は神を認識することはできないが、一部の者は視認したり声を聴いたりすることができる。
この世界神話を記録した書物は
天地協和と呼ばれ、テオラに暮らす人々の思想や習慣に強く根付いています。
闇の世界から二柱の神が生まれました。
地の神テオラは山を作り川を作り、そして海を作りました。天の神アステリアは闇の世界に光と大気を作り、アトリスとテレスの双子の神を生んで、それぞれに光と闇を支配させました。双子の神はとても仲良しでいつも遊んでばかりだったので、怒ったテオラは二人を離ればなれにしてしまいました。
離ればなれになってしまった双子の神は互いに追いかけっこをはじめ、昼夜が生まれました。
テオラとアステリアはその後、ユーステラ、マルサル、ユークレス、ミネロアの四柱の神を生みました。
生命と豊穣を司る神ユーステラは大地に生命を生み出し、昼夜の均衡を監視しました。
死者と風雪の神マルサルは荒れ狂う永久凍土を鎮め、魂を故郷に送り届ける役割を担いました。
平和と知恵の神ユークレスは世界の事象を監視し、言葉や様々な学問を生み出しました。
戦争と創造の神ミネロアは大地を荒らし、事象に変化を生み出すことで人々の進化を促しました。
「星は我々の魂を導き、帰るべき場所を示してくれています。人々が神話を見失った今でも、我々の魂が星へ還ることのできるよう、アステルたちは祭りを行い、星を観測して、先祖と同胞たちに祝福を捧げるのです」
「天はアステリアそのもの。我々アステル、それから先の大戦で失われてしまったセレスやソーレスの兄弟たちは皆アステリアの血を引く天族なのです。そして、この盤石な大地から生まれ、その多大なる力を以て生活の礎を築き上げてきた多くの者たちは、皆テオラの血を引く地族なのです。天と地との隔たりは幾千もの争いを生み、繁栄と衰退を繰り返しながら、今でも協和の道を探し続けているのです」
第一次天地大戦
神話時代、様々な種族が領土を生存をかけて争った過酷な時代がありました。
地の神テオラの血を引く種族──地族たちは我々がこの地の先住民だと領土の権利を主張し、南の大陸と温かい赤道付近の大地を占領したため、天の神アステリアの血を引く種族──天族たちは極寒の北側へと追いやられてしまいました。
北の大陸は年中雪に覆われた永久凍土で、ここで生きていくことは非常に困難です。そこでたくさんの天族たちが命を落としました。種の存続を危惧した天族たちは地族たちから温かい土地を取り戻そうと、海を渡って赤道付近の大陸へ渡り、地族たちに宣戦布告し、実力行使で領土を奪おうと考えました。その時に先導した者たちのうちの四人が、今の四大国調停者の祖先なのです。
この戦いでまた多くの天族が命を落としましたが、天族たちは見事赤道付近の温かい大陸を手に入れることができました。
天族の中でアステリアの血を最も濃く受け継ぐ者たちは、大陸の東側に天の神アステリアを主君とする集落を形成し、徐々に国へと発展していきました。
戦争に負け、南の大陸に追いやられてしまった地族たちは内部分裂を繰り返し、たくさんの小国ができては消えていきました。そうして今の連合国ができあがって行ったのです。
大陸の西側に移り住んだ天族たちと、争いから逃れるために南の大陸から逃げてきた地族たちは集落をまとめていた者を王として祀り、そこから現在の王国へと発展していきました。
種族について
最終更新:2022年11月04日 19:49