チャンピオンは衰退しました4

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765 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 14:39:47.17 ID:Sf4vN21Ro 照「へっ、さけんでもだれもきやしねえよ」 京太郎「急に三下っぽい口調に!?」 照「ぐへへ」 京太郎「ぐへへとか言わないでくださいよ……折角の美人が台無しじゃないですか」 照「っ……不意打ちはずるい」 京太郎「え? なんですか?(難聴)」 照「……なんでもない。それより泊まらないの?」 京太郎「泊まりませんよ! っていうか泊まれません!」 照「家に帰れないのに?」 京太郎「ぐっ」 照「お金も持ってないし、私以外に知り合いもいないのに?」 京太郎「うぐぐ……」 照「うちならご飯も食べさせてあげられるし、お風呂もベッドもある」 京太郎「でっ……でも、俺は――!」 照「京ちゃんが出て行くなら私もついて行く」 京太郎「すんません泊まります勘弁してください」 766 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 15:12:33.05 ID:Sf4vN21Ro …… ………… ……………… 照「おまたせ」コトッ 京太郎「おお……!」 照「買い物に行く時間がなくて簡単になっちゃったけど……」 京太郎「全然問題ないです! 照さんの手料理好きですから!」 照「よかった」 京太郎「んじゃ、いただきます!」 照「うん。召し上がれ京ちゃん」 モグモグ 照「味はどう?」 京太郎「やっぱ美味いっす。ギャップ込みで余計に」 照「まだ言うの」プクー 京太郎「冗談ですって。花嫁修業でしたっけ? ばっちり成果出てるじゃないですか」 照「じゃあいいお嫁さんになれるかな」 京太郎「なれますよ!」 照「京ちゃんの」 京太郎「そのような意図で申し上げたのではない」 769 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 15:52:56.55 ID:Sf4vN21Ro パクパク 京太郎「ところで照さん」 照「どうしたの京ちゃん」 京太郎「昼間のはなんだったんですか」 照「昼間って?」 京太郎「ほら、俺のことを彼氏だって紹介した……」 照「あー」 京太郎「説明してもらっても?」 照「いいとも」 京太郎「じゃあお願いします」 照「あれは二学期も終わりに近付いていた頃のこと」 照「淡の発案でがぁるずとぉくをしていた」 京太郎「がぁるずとぉく……」 照「がぁるずとぉく」 773 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 16:18:31.71 ID:Sf4vN21Ro ―――――― 淡「やっぱ女子会と言ったら恋バナだよねっ!」 誠子「鯉?」 照「バナナ?」 淡「女子力たったの5め! 失せなっ!」クワッ 尭深「まあまあ……」 菫「お前が言い出しっぺなんだから、投げ出さずにちゃんと進行しろ」 淡「うー、恋バナってのはもっとキャッキャ言いながらするものなのに……」 照「ああ……もしかして恋バナって恋愛の話のこと?」 淡「このタイミングで!? でもそうだよテルー、よく分かりました!」 照「任せて」フフン 菫「何を威張っているんだか……意味が分かったところで照に色恋なんて無縁だろうに」 照「むっ……そんなことはない。私にだって好きな人くらいいる」 淡「えっ!?」 尭深「いるんですか……?」 照「ていうか彼氏」 誠子「彼氏!?」 菫「ば、馬鹿馬鹿しい。だったら私達の前に連れてきてみろ。その彼氏が実在するならな」 照「いいでしょう。明日またここに来てください、本当の彼氏を見せてやりますよ」 ―――――― 775 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 16:50:18.61 ID:Sf4vN21Ro 照「ということがあった」 京太郎「嘘ついてんじゃねーよ!!」 照「嘘じゃない。私は京ちゃんが好き」 京太郎「ッ……そこじゃなくて! 俺は照さんの彼氏じゃないですよね?」 照「非実在彼氏?」 京太郎「この際なんでもいいです。駄目じゃないですか、チームメイトに嘘なんて」 照「反省してる(照だけに)」 京太郎「……はあ。つまり? 弘世さん達に見せびらかす為に俺を誘拐したと」 照「うむ」 京太郎「なんで自慢気ですか」 照「京ちゃんは自慢の彼氏」 京太郎「彼氏じゃないっちゅーに!」 照「」カチャ 京太郎「え、なんですか照さん。なんでいきなり急須の蓋をズラしたんですか」 照「ふふ、これはお茶のおかわりをほしいのサインだよ」 京太郎「だからなんで突然!?」 782 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 17:18:51.08 ID:Sf4vN21Ro コポコポ... 京太郎「流れで俺が注ぐことになった……別にいいけど」 照「お茶を注いでもらった時は指でテーブルをトントンと」トントン 京太郎「もういいですってば。それより照さん、違う話をしましょうか」 照「どんな話?」 京太郎「そうですねえ……あ、進路の話とか」 照「」ピクッ 京太郎「やっぱりプロですか? なにしろインターハイチャンピオンですもんね」 照「……」 京太郎「照さん?」 照「違う」 京太郎「へ?」 照「元、チャンピオン」 京太郎「え、ああ、そうでしたね」 照「ごちそうさま」ガタッ 京太郎「どこか行くんですか?」 照「お風呂掃除。準備が出来たら京ちゃんから入って」スタスタ 京太郎「あ……はい」 783 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 17:48:09.04 ID:Sf4vN21Ro …… ………… ……………… チャプン 京太郎「はぁぁぁ……生き返る」 京太郎「なんだかんだ長距離の移動で疲れてたんだなぁ……」 京太郎「……東京、か。最初は驚いたけど、冬休みの旅行と思えば案外楽しいかもな」 京太郎「それにしても照さん、なんか様子が変だったな」 京太郎「俺が進路の話をした辺りからか? 急に黙り始めて……」 コンコン 照「京ちゃん」 京太郎「うわっ、照さん!?」 照「お湯加減どう?」 京太郎「ああ、大丈夫ですよ。いい感じです」 照「よかった」モゾモゾ 京太郎「……あの、照さん?」 照「なに?」 京太郎「磨りガラス越しになんだかモゾモゾしてるのが見えるんですが………………何をしているのでしょうか」 照「脱いでる(照だけに)」 京太郎「」 794 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 21:05:07.70 ID:Sf4vN21Ro 照「待っててね、すぐ行くから」モゾモゾ 京太郎「(う……わ……)」 京太郎「(ガラス越しだと照さんの細さがハッキリ分かる……)」 京太郎「(その照さんが服を脱ごうと身体をくねらせるのが、なんか――)」 京太郎「――ハッ!? いやいやいや照さんストップ! 駄目ですって!!」 照「どうして?」 京太郎「言わなきゃ分かりませんかね!? 男と女が一緒の風呂に入るなんて非常識だからですよ!」 照「問題ない。私と京ちゃんは恋人同士」 京太郎「それは昼間の話でしょう!? もう恋人ごっこは終わったんですから!!」 照「ッ」 京太郎「だから冷静に、服を着て、居間で待っててください。ね?」 照「………………わかった。困らせてごめん」 スタスタ... 京太郎「……はあぁ……ったく、心臓に悪すぎるだろマジで……」ブクブク 795 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 21:32:36.14 ID:Sf4vN21Ro …… ………… ……………… 京太郎「ふぅ……」ドサッ 京太郎「照さん、一体どうしちゃったんだ……?」 京太郎「風呂でサッパリしてくれればいいけど……」 ピーンポーン♪ 京太郎「ん?」 ピーンポーン♪ 京太郎「来客? こんな時間に珍しいな」 ピーンポーン♪  ピーンポーン♪ 京太郎「照さん……は風呂だし、俺が出てもいいのかな……」 ピーンポーン♪  ピーンポ ピーンポーン♪ 京太郎「……」 ピポピポピポピポピーン...ポーン♪ 京太郎「だァああうぜぇ!! どこのどいつだ!」 ドタドタドタ ガチャッ 菫「や、やあ。昼ぶりだな……///」モジモジ 800 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 22:05:13.90 ID:Sf4vN21Ro 京太郎「弘世さん!? それに……」チラッ 淡「よっ! 元気か金髪!」ヒョコッ 京太郎「おめーも元気そうだな金髪」 淡「とーぜん! 淡ちゃんが元気じゃなかったら地球に氷河期が到来しちゃうから!」 京太郎「じゃあ地球温暖化の原因はお前かよ……」 菫「淡! 私達は雑談しに来たわけではないんだぞ!」 淡「それはこっちのセリフ! 菫先輩こそデレデレしてないでとっとと本題入ればー?」 菫「デレデレなどしていないにゃん!///」 淡「だから噛むなら「な」を噛みなよ!?」 菫「ぐッ……む、ん、おほんっ! あー……すまない、見苦しいところを」 京太郎「いえ……あの、それで本題って?」 菫「ああ。今日は照が迷惑を掛けたから、改めて礼を言いたくてな」 京太郎「それでわざわざ……なんかすんません」ペッコリン 菫「気にしないでくれ。大変だったろう? 恋人のフリなんて」 京太郎「いやぁ、まあ特に何かさせられた訳でもありませんし別に……」 京太郎「、――え?」 811 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 22:46:37.81 ID:Sf4vN21Ro 淡「デカ長! こいつやっぱりクロですぜ!」 菫「誰がデカ長だ……だが――やれやれ、シャープシュート成功といったところか」キリッ 京太郎「ぁ……な、え? バレ……」 菫「遠路遥々ご苦労だったな」 京太郎「い、いつからですか!?」 菫「最後まで確信はなかったさ。だからカマをかけた」 京太郎「なんでそこまで……」 菫「……さあ、なんでだろうな」 京太郎「弘世さん?」 菫「須賀くん。照と初めて会ったのはいつだ?」 京太郎「え? えっと、今年の秋……10月に入った頃ですかね」 菫「まだ知り合って日が浅いと」 京太郎「浅いどころか延べ日数なら今日で二日目です」 淡「二日目!?」 菫「東京と長野だ、そうなるだろうな……まったくあの馬鹿は」フゥ 814 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 23:20:16.53 ID:Sf4vN21Ro 淡「会ったの二度目なのに東京まで来るとか……もしかしてテルのストーカー!?」ズザッ 京太郎「ちげえ! 俺は照さんに誘拐されたんだよ!」 淡「なにそれこわい!」 菫「淡。退屈なら道端で一人だるまさんがころんだでもやってろ」 淡「一人で!? いや逆に面白いかも……分かった、やってくる!」ドヒューン 京太郎「やるのかよ!?」 菫「車に気を付けるんだぞ。……さて」 京太郎「!」 菫「ここからが本題の本題だ。少し長くなるが、いいだろうか」 京太郎「……はい。大事な話なんですよね?」 菫「照にとっては、な。キミにとっては瑣末な話かもしれない」 京太郎「構いません。聞かせてください」 菫「ああ。よく聞いて、そして考えてくれ」 817 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/30(水) 00:08:26.49 ID:NZgd4IQfo 京太郎「……」ゴクリ 菫「まず照だが――あいつはプロに行く」 京太郎「!!」 菫「……聞かされてなかったのか?」 京太郎「直接は……なんとなく、そうなのかなって思ってはいました」 菫「そうか。そうだろうな、宮永照だからな」 京太郎「はい」 菫「その大方の予想と期待の通り、照はプロチームに入団することが決定している」 京太郎「おめでとうございます!」 菫「私に言われてもな」クスッ 京太郎「あ、そっか……後で本人に言っておきます」 菫「そうしてやってくれ。でも、私からも礼を言うよ。友人として、あいつを誇りに思っているからな」 京太郎「弘世さん……」 菫「ただ、ひとつ問題がある」 京太郎「え?」 菫「あいつは最近、そのプロ行きを迷っているようなんだ」 京太郎「えっ!?」 819 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/30(水) 00:37:11.95 ID:NZgd4IQfo 菫「本人に聞いた訳ではない。が、ほぼ間違いないだろう」 京太郎「な、なんで!? どうして照さんがプロ行きを迷ったりなんて……!」 菫「本当にどうしてだろうな……あんな、麻雀のことしか頭にないような奴が――」 菫「――そんな奴が迷うとすれば、それは麻雀以外の何かが原因だろうな」 京太郎「……、え?」 菫「そう、例えば……恋とかな」 京太郎「ちょ、待ってください。それってもしかして……」 菫「……」 京太郎「……俺のせい、ですか……?」 菫「……所為だなんて言葉を使わないでくれ。キミに非はないよ」 京太郎「でも!」 菫「繰り返すが、キミに非はない。私はむしろ感謝すらしているよ」 京太郎「か、感謝?」 820 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/30(水) 01:04:08.88 ID:NZgd4IQfo 菫「ああ。照の見えなかった一面を引き出してくれたんだからな」 京太郎「見えなかった、一面……」 菫「それに原因はキミだけじゃない。もっと前から兆候はあったんだ」 京太郎「どういうことですか?」 菫「インターハイだよ。個人戦が終わって以来、あいつは少し変わった」 京太郎「……咲」 菫「そうだ。あの時、あいつの中ではひとつの区切りがついてしまったんじゃないかと、私は思っている」 菫「妹さんとの確執がなくなり、チャンピオンという肩書がなくなり、あいつは変わった」 菫「いや、変わったのはあいつじゃなく、あいつの中の麻雀の有り様なのかな」 京太郎「……」 菫「ともかく。あいつはなんというか……衰退、していたんだ」 菫「それが顕著になったのは、秋以降だな」 京太郎「ッ!」 821 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/30(水) 01:28:25.36 ID:NZgd4IQfo 菫「参加義務こそないが、部活に顔を出すことが減った」 菫「そしてその分、行方をくらますことが増えた」 菫「フラッといなくなって、またフラッと戻ってくる。そんな繰り返しだ」 菫「私も流石に不安になってな。三日ルールや校内の案内表示の徹底など、お節介を尽くしたよ」 京太郎「あ……あれ弘世さんだったんですか」 菫「これでも照とは三年来の付き合いでね。使命感も芽生えるというものだ」 菫「だが徒労だったようだ。劇的な解決方法が、今私の目の前にある」 京太郎「それって」 菫「キミだよ。照の惚れた男」 京太郎「……っ」 菫「妹さんに負け、キミに恋をし、今の照は本当の意味で迷子だ」 菫「麻雀に迷い、人生に迷い、自分の立場も進路も分からなくなっている」 菫「だから――須賀くん」 京太郎「は、はい」 菫「キミの力が必要だ。キミの言葉を、照に聞かせてやってほしい」 菫「キミが照を好きでも嫌いでも構わない。ただ答えてやってほしい」 菫「押し付けがましいのは百も承知だ。不快に感じたならいくらでも謝る――それでも、」 菫「宮永照の友人として、私は彼女の幸せを切に願うよ」 822 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/30(水) 01:38:13.93 ID:NZgd4IQfo 京太郎「……」 菫「……」 京太郎「………………、あの――」 淡「菫せんぱーい! 一緒に一人だるまさんがころんだやろーよ、超盛り上がるよ!」 京太郎「――それ二人だるまさんがころんだじゃねーか!!」ビシッ 淡「あたっ!? 何すんのー!?」ウガー 京太郎「あ……すまん、つい」 淡「ふんっ!……ふーん」ジー 京太郎「なんだよ?」 淡「テルはもっと公務員みたいな顔の男を選ぶと思ってた!」 京太郎「どんな顔だそれ」 淡「少なくとも金髪じゃないね!」ケラケラ 菫「……はあ……淡、そろそろ帰るぞ」 淡「あ、はーい」 京太郎「弘世さん!」 菫「須賀くん。今言おうとした言葉は、他に聞かせる相手がいる筈だ」 京太郎「ッ」 菫「……じゃあな。あいつをよろしく頼む」フッ 淡「あばよ金髪!」ベーッ スタスタスタ... 京太郎「……」 823 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/30(水) 01:44:40.42 ID:NZgd4IQfo …… ………… ……………… ガチャ 照「……おまたせ、京ちゃん。お風呂あがったよ」 京太郎「はい」 照「途中でチャイムが鳴ってたみたいだけど……」 京太郎「ああ、セールスの勧誘でした。断っちゃいましたけど、大丈夫でしたか?」 照「問題ない」 京太郎「そうですか」 照「……」 京太郎「……」 照「……あの、京ちゃ――」 京太郎「照さん」 照「――っ、え、なに?」 #size(15){#aa{{{                     _, ⌒\/ ̄ ̄ \                 ,    ̄ ̄ /     、     _\              ´      /        \     `ヾ             /         '     、 、 、     \              /          |   {  :. | | ∨、\   \__            ′        |    l|  } | |、 | |\ \ ̄ ̄´            .        {   从 /-}/-Ⅵ {  ヽ |           /       ,.-从   | }/ ィ≧、 {  \ }'           /イ      { ⌒\ {   、 Vj ∨、  \             八       、   \       ヽ  ̄   「話があるんです」             Ⅵ        ,ー、         ,:'             ヾ\    / ∧         -,                   ヽ /{/     、       '                 _从/____ >  __ノ               |///////////l :l//|               |///////////|  //|                 /////////// ∧ :./|           , <////////////////\l/、         //////////////////////\l、           //////////////////////////} } }}}} 【TO BE CONTINUED...?】
765 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 14:39:47.17 ID:Sf4vN21Ro 照「へっ、さけんでもだれもきやしねえよ」 京太郎「急に三下っぽい口調に!?」 照「ぐへへ」 京太郎「ぐへへとか言わないでくださいよ……折角の美人が台無しじゃないですか」 照「っ……不意打ちはずるい」 京太郎「え? なんですか?(難聴)」 照「……なんでもない。それより泊まらないの?」 京太郎「泊まりませんよ! っていうか泊まれません!」 照「家に帰れないのに?」 京太郎「ぐっ」 照「お金も持ってないし、私以外に知り合いもいないのに?」 京太郎「うぐぐ……」 照「うちならご飯も食べさせてあげられるし、お風呂もベッドもある」 京太郎「でっ……でも、俺は――!」 照「京ちゃんが出て行ったら私も後を追う」 京太郎「すんません泊まります勘弁してください」 766 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 15:12:33.05 ID:Sf4vN21Ro …… ………… ……………… 照「おまたせ」コトッ 京太郎「おお……!」 照「買い物に行く時間がなくて簡単になっちゃったけど……」 京太郎「全然問題ないです! 照さんの手料理好きですから!」 照「よかった」 京太郎「んじゃ、いただきます!」 照「うん。召し上がれ京ちゃん」 モグモグ 照「味はどう?」 京太郎「やっぱ美味いっす。ギャップ込みで余計に」 照「まだ言うの」プクー 京太郎「冗談ですって。花嫁修業でしたっけ? ばっちり成果出てるじゃないですか」 照「じゃあいいお嫁さんになれるかな」 京太郎「なれますよ!」 照「京ちゃんの」 京太郎「そのような意図で申し上げたのではない」 769 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 15:52:56.55 ID:Sf4vN21Ro パクパク 京太郎「ところで照さん」 照「どうしたの京ちゃん」 京太郎「昼間のはなんだったんですか」 照「昼間って?」 京太郎「ほら、俺のことを彼氏だって紹介した……」 照「あー」 京太郎「説明してもらっても?」 照「いいとも」 京太郎「じゃあお願いします」 照「あれは二学期も終わりに近付いていた頃のこと。淡の発案でがぁるずとぉくをしていた」 京太郎「がぁるずとぉく……」 照「がぁるずとぉく」 773 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 16:18:31.71 ID:Sf4vN21Ro ……………… ………… …… 淡「やっぱ女子会と言ったら恋バナだよねっ!」 誠子「鯉?」 照「バナナ?」 淡「女子力たったの5め! 失せなっ!」クワッ 尭深「まあまあ……」 菫「お前が言い出しっぺなんだから、投げ出さずにちゃんと進行しろ」 淡「うー、恋バナってのはもっとキャッキャ言いながらするものなのに……」 照「ああ……もしかして恋バナって恋愛の話のこと?」 淡「このタイミングで!? でもそうだよテルー、よく分かりました!」 照「任せて」フフン 菫「何を威張っているんだか……意味が分かったところで照に色恋なんて無縁だろうに」 照「むっ……そんなことはない。私にだって好きな人くらいいる」 淡「えっ!?」 尭深「いるんですか……?」 照「ていうか彼氏」 誠子「彼氏!?」 菫「ば、馬鹿馬鹿しい。だったら私達の前に連れてきてみろ。その彼氏とやらが実在するならな」 照「いいでしょう。明日またここに来てください、本当の彼氏を見せてやりますよ」 …… ………… ……………… 775 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 16:50:18.61 ID:Sf4vN21Ro 照「ということがあった」 京太郎「嘘ついてんじゃねーよ!!」 照「嘘じゃない。私は京ちゃんが好き」 京太郎「ッ……そこじゃなくて! 俺は照さんの彼氏じゃないですよね?」 照「非実在彼氏?」 京太郎「この際なんでもいいです。駄目じゃないですか、チームメイトに嘘なんて」 照「反省してる(照だけに)」 京太郎「……はあ。つまり? 弘世さん達に見せびらかす為に俺を誘拐したと」 照「うむ」 京太郎「なんで自慢気ですか」 照「京ちゃんは自慢の彼氏」 京太郎「彼氏じゃないっちゅーに!」 照「」カチャ 京太郎「え、なんですか照さん。なんでいきなり急須の蓋をズラしたんですか」 照「ふふ、これはお茶のおかわりをほしいのサインだよ」 京太郎「だからなんで突然!?」 782 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 17:18:51.08 ID:Sf4vN21Ro コポコポ... 京太郎「流れで俺が注ぐことになった……別にいいけど」 照「お茶を注いでもらった時は指でテーブルをトントンと」トントン 京太郎「もういいですってば。それより照さん、違う話をしましょうか」 照「どんな話?」 京太郎「そうですねえ……あ、進路の話とか」 照「」ピクッ 京太郎「やっぱりプロですか? なにしろインターハイチャンピオンですもんね」 照「……」 京太郎「照さん?」 照「違う」 京太郎「へ?」 照「元、チャンピオン」 京太郎「え、ああ、そうでしたね」 照「ごちそうさま」ガタッ 京太郎「どこか行くんですか?」 照「お風呂掃除。準備が出来たら京ちゃんから入って」スタスタ 京太郎「あ……はい」 783 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 17:48:09.04 ID:Sf4vN21Ro …… ………… ……………… チャプン 京太郎「はぁぁぁ……生き返る」 京太郎「なんだかんだ長距離の移動で疲れてたんだなぁ……」 京太郎「……東京、か。最初は驚いたけど、冬休みの旅行と思えば案外楽しいかもな」 京太郎「それにしても照さん、なんか様子が変だったな」 京太郎「俺が進路の話をした辺りからか? 急に黙り始めて……」 コンコン 照「京ちゃん」 京太郎「うわっ、照さん!?」 照「お湯加減どう?」 京太郎「ああ、大丈夫ですよ。いい感じです」 照「よかった」モゾモゾ 京太郎「……あの、照さん?」 照「なに?」 京太郎「磨りガラス越しになんだかモゾモゾしてるのが見えるんですが………………何をしているのでしょうか」 照「脱いでる(照だけに)」 京太郎「」 794 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 21:05:07.70 ID:Sf4vN21Ro 照「待っててね、すぐ行くから」モゾモゾ 京太郎「(う……わ……)」 京太郎「(ガラス越しだと照さんの細さがハッキリ分かる……)」 京太郎「(その照さんが服を脱ごうと身体をくねらせるのが、なんか――)」 京太郎「――ハッ!? いやいやいや照さんストップ! 駄目ですって!!」 照「どうして?」 京太郎「言わなきゃ分かりませんかね!? 男と女が一緒の風呂に入るなんて非常識だからですよ!」 照「問題ない。私と京ちゃんは恋人同士」 京太郎「それは昼間の話でしょう!? もう恋人ごっこは終わったんですから!!」 照「ッ」 京太郎「だから冷静に、服を着て、居間で待っててください。ね?」 照「………………わかった。困らせてごめん」 スタスタ... 京太郎「……はあぁ……ったく、心臓に悪すぎるだろマジで……」ブクブク 795 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 21:32:36.14 ID:Sf4vN21Ro …… ………… ……………… 京太郎「ふぅ……」ドサッ 京太郎「照さん、一体どうしちゃったんだ……?」 京太郎「風呂でサッパリしてくれればいいけど……」 ピーンポーン♪ 京太郎「ん?」 ピーンポーン♪ 京太郎「来客? こんな時間に珍しいな」 ピーンポーン♪ ピーンポーン♪ 京太郎「照さん……は風呂だし、俺が出てもいいのかな……」 ピーンポーン♪ ピーンポピーンポーン♪ 京太郎「……」 ピポピポピポピポピーン...ポーン♪ 京太郎「だぁあうぜぇ!! どこのどいつだ!」 ドタドタドタ ガチャッ 菫「や、やあ。昼ぶりだな……///」モジモジ 800 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 22:05:13.90 ID:Sf4vN21Ro 京太郎「弘世さん!? それに……」チラッ 淡「よっ! 元気か金髪!」ヒョコッ 京太郎「おめーも元気そうだな金髪」 淡「とーぜん! 淡ちゃんが元気じゃなかったら地球に氷河期が到来しちゃうから!」 京太郎「じゃあ地球温暖化の原因はお前かよ……」 菫「淡! 私達は雑談しに来たわけではないんだぞ!」 淡「それはこっちのセリフ! 菫先輩こそデレデレしてないでとっとと本題入ればー?」 菫「デレデレなどしていないにゃん!///」 淡「だから噛むなら「な」を噛みなよ!?」 菫「ぐッ……む、ん、おほんっ! あー……すまない、見苦しいところを」 京太郎「いえ……あの、それで本題って?」 菫「ああ。今日は照が迷惑を掛けたから、改めて礼を言いたくてな」 京太郎「それでわざわざ……なんかすんません」ペッコリン 菫「気にしないでくれ。大変だったろう? 恋人のフリなんて」 京太郎「いやぁ、まあ特に何かさせられた訳でもありませんし別に……」 京太郎「、――え?」 811 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 22:46:37.81 ID:Sf4vN21Ro 淡「デカ長! こいつやっぱりクロですぜ!」 菫「誰がデカ長だ……だが――やれやれ、シャープシュート成功といったところか」キリッ 京太郎「ぁ……な、え? バレ……」 菫「遠路遥々ご苦労だったな」 京太郎「い、いつからですか!?」 菫「最後まで確信はなかったさ。だからカマをかけた」 京太郎「なんでそこまで……」 菫「……さあ、なんでだろうな」 京太郎「弘世さん?」 菫「須賀くん。照と初めて会ったのはいつだ?」 京太郎「え? えっと、今年の秋……10月に入った頃ですかね」 菫「まだ知り合って日が浅いと」 京太郎「浅いどころか延べ日数なら今日で二日目です」 淡「二日目!?」 菫「東京と長野だ、そうなるだろうな……まったくあの馬鹿は」フゥ 814 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 23:20:16.53 ID:Sf4vN21Ro 淡「会ったの二度目なのに東京まで来るとか……もしかしてテルのストーカー!?」ズザッ 京太郎「ちげえ! 俺は照さんに誘拐されたんだよ!」 淡「なにそれこわい!」 菫「淡。退屈なら道端で一人だるまさんがころんだでもやってろ」 淡「なにそれ面白そう! いってきまーす!!」ドヒューン 京太郎「やるのかよ!?」 菫「車に気を付けるんだぞ。……さて」 京太郎「!」 菫「ここからが本題の本題だ。少し長くなるが、いいだろうか」 京太郎「……はい。大事な話なんですよね?」 菫「照にとっては、な。キミにとっては瑣末な話かもしれない」 京太郎「構いません。聞かせてください」 菫「ああ。よく聞いて、そして考えてくれ」 817 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/30(水) 00:08:26.49 ID:NZgd4IQfo 京太郎「……」ゴクリ 菫「まず照だが――あいつはプロに行く」 京太郎「!!」 菫「……聞かされてなかったのか?」 京太郎「直接は……なんとなく、そうなのかなって思ってはいました」 菫「そうか。そうだろうな、宮永照だからな」 京太郎「はい」 菫「その大方の予想と期待の通り、照はプロチームに入団することが決定している」 京太郎「おめでとうございます!」 菫「私に言われてもな」クスッ 京太郎「あ、そっか……後で本人に言っておきます」 菫「そうしてやってくれ。でも、私からも礼を言うよ。友人として、あいつを誇りに思っているからな……ただ」 京太郎「?」 菫「ひとつ問題がある」 京太郎「え?」 菫「あいつは最近、そのプロ行きを迷っているようなんだ」 京太郎「えっ!?」 819 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/30(水) 00:37:11.95 ID:NZgd4IQfo 菫「本人に聞いた訳ではない。が、ほぼ間違いないだろう」 京太郎「な、なんで!? どうして照さんがプロ行きを迷ったりなんて……!」 菫「本当にどうしてだろうな……あんな、麻雀のことしか頭にないような奴が――」 菫「――そんな奴が迷うとすれば、それは麻雀以外の何かが原因だろうな」 京太郎「……、え?」 菫「そう、例えば……恋とかな」 京太郎「ちょ、待ってください。それってもしかして……」 菫「……」 京太郎「……俺のせい、ですか……?」 菫「……所為だなんて言葉を使わないでくれ。キミに非はないよ」 京太郎「でも!」 菫「繰り返すが、キミに非はない。私はむしろ感謝すらしているよ」 京太郎「か、感謝?」 820 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/30(水) 01:04:08.88 ID:NZgd4IQfo 菫「ああ。照の見えなかった一面を引き出してくれたんだからな」 京太郎「見えなかった、一面……」 菫「それに原因はキミだけじゃない。もっと前から兆候はあったんだ」 京太郎「どういうことですか?」 菫「インターハイだよ。個人戦が終わって以来、あいつは少し変わった」 京太郎「……咲」 菫「そうだ。あの時、あいつの中ではひとつの区切りがついてしまったんじゃないかと、私は思っている」 菫「妹さんとの確執がなくなり、チャンピオンという肩書がなくなり、あいつは変わった」 菫「いや、変わったのはあいつじゃなく、あいつの中の麻雀の有り様なのかな」 京太郎「……」 菫「ともかく。あいつはなんというか……衰退、していたんだ」 菫「それが顕著になったのは、秋以降だな」 京太郎「ッ!」 821 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/30(水) 01:28:25.36 ID:NZgd4IQfo 菫「参加義務こそないが、部活に顔を出すことが減った」 菫「そしてその分、行方をくらますことが増えた」 菫「フラッといなくなって、またフラッと戻ってくる。そんな繰り返しだ」 菫「私も流石に不安になってな。三日ルールや校内の案内表示の徹底など、お節介を尽くしたよ」 京太郎「あ……あれ弘世さんだったんですか」 菫「これでも照とは三年来の付き合いでね。使命感も芽生えるというものだ」 菫「だが徒労だったようだ。劇的な解決方法が、今私の目の前にある」 京太郎「それって」 菫「キミだよ。照の惚れた男」 京太郎「……っ」 菫「妹さんに負け、キミに恋をし、今の照は本当の意味で迷子だ」 菫「麻雀に迷い、人生に迷い、自分の立場も進路も分からなくなっている」 菫「だから――須賀くん」 京太郎「は、はい」 菫「キミの力が必要だ。キミの言葉を、照に聞かせてやってほしい」 菫「キミが照を好きでも嫌いでも構わない。ただ答えてやってほしい」 菫「押し付けがましいのは百も承知だ。不快に感じたならいくらでも謝る――それでも、」 菫「宮永照の友人として、私は彼女の幸せを切に願うよ」 822 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/30(水) 01:38:13.93 ID:NZgd4IQfo 京太郎「……」 菫「……」 京太郎「………………、あの――」 淡「菫せんぱーい! 一緒に一人だるまさんがころんだやろーよ、超盛り上がるよ!」 京太郎「――それ二人だるまさんがころんだじゃねーか!!」ビシッ 淡「あたっ!? 何すんのー!?」ウガー 京太郎「あ……すまん、つい」 淡「ふんっ!……ふーん」ジー 京太郎「なんだよ?」 淡「テルはもっと公務員みたいな顔の男を選ぶと思ってた!」 京太郎「どんな顔だそれ」 淡「少なくとも金髪じゃないね!」ケラケラ 菫「……はあ……淡、そろそろ帰るぞ」 淡「あ、はーい」 京太郎「弘世さん!」 菫「須賀くん。今言おうとした言葉は、他に聞かせる相手がいる筈だ」 京太郎「ッ」 菫「……じゃあな。あいつをよろしく頼む」フッ 淡「あばよ金髪!」ベーッ スタスタスタ... 京太郎「……」 823 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/30(水) 01:44:40.42 ID:NZgd4IQfo …… ………… ……………… ガチャ 照「……おまたせ、京ちゃん。お風呂あがったよ」 京太郎「はい」 照「途中でチャイムが鳴ってたみたいだけど……」 京太郎「ああ、セールスの勧誘でした。断っちゃいましたけど、大丈夫でしたか?」 照「問題ない」 京太郎「そうですか」 照「……」 京太郎「……」 照「……あの、京ちゃ――」 京太郎「照さん」 照「――っ、え、なに?」 #size(15){#aa{{{                     _, ⌒\/ ̄ ̄ \                 ,    ̄ ̄ /     、     _\              ´      /        \     `ヾ             /         '     、 、 、     \              /          |   {  :. | | ∨、\   \__            ′        |    l|  } | |、 | |\ \ ̄ ̄´            .        {   从 /-}/-Ⅵ {  ヽ |           /       ,.-从   | }/ ィ≧、 {  \ }'           /イ      { ⌒\ {   、 Vj ∨、  \             八       、   \       ヽ  ̄   「話があるんです」             Ⅵ        ,ー、         ,:'             ヾ\    / ∧         -,                   ヽ /{/     、       '                 _从/____ >  __ノ               |///////////l :l//|               |///////////|  //|                 /////////// ∧ :./|           , <////////////////\l/、         //////////////////////\l、           //////////////////////////} } }}}} 【TO BE CONTINUED...?】

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