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460 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/08(金) 21:29:30.53 ID:uHVZTaloo ガチャッ 玄「んー……んっ……」モミモミ バタム 464 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/08(金) 21:45:09.24 ID:uHVZTaloo 京太郎「……」  なんだ今の。  なんだ今の。  見間違いかな?  他に誰もいない部室で玄さんが自分の胸を揉みしだいていたような……  見間違いだな。 ガチャッ 玄「んん……あ、京太郎くん。こんにちはー」モミモミ バタム 京太郎「………………」  見間違いじゃなかった……  自分の胸を揉みしだいている玄さんに挨拶された……  頭を抱える。  なんだこれ。  なんだこれ。 京太郎「なんだこれ……」 470 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/08(金) 22:05:29.90 ID:uHVZTaloo ガチャッ 京太郎「!?」ビクッ 玄「京太郎くん?」ヒョコッ 京太郎「!!?」ビクビクッ  あまつさえ玄さんの方から出てきた。  不測の事態のオンパレードに混乱する。するともさ。 玄「昼休みに部室に来るなんて珍しいね。どうかしたの?」 京太郎「あ、えっと……く、玄さんこそ、ここでナニを?」 玄「私はお掃除しに来たの」 京太郎「掃除? でも今……胸を……」 玄「胸を?」 京太郎「……触ってましたよね?」  訊いてしまった。  無視は出来ない。  が、 玄「うん。で?」ヘケッ 京太郎「でっていう!?」 473 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/08(金) 22:25:39.80 ID:uHVZTaloo  まさかの反撃だ。  首を傾げる玄さんを見る。  平静を装っている……ようには見えない。  ていうか、演技なんて出来ないだろう。  穏乃並に素直で嘘が苦手そうだし。 京太郎「り、理由を訊いてもいいですか……?」 玄「理由? えっとね、お掃除しに来たっていうのは言ったよね」 京太郎「はい」 玄「それで、掃除するにはブレザーが邪魔だから脱いでおこうと思って」 京太郎「はい」 玄「その時、ちょっと気になって触ってみたんだ」 京太郎「はい?」 玄「でもやっぱりダメだね。ちっとも楽しい気分にならなかったのです!」プンスコ 京太郎「あ、はい……」  この人は、  大丈夫なんだろうか。 482 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/08(金) 22:53:18.81 ID:uHVZTaloo 玄「京太郎くんは? どうしてここに?」 京太郎「あ……実は、俺も部室を掃除しようかと思って」 玄「え?」 京太郎「ほら、最近テストとかで忙しかったでしょう? それの分サボり気味だったから……」ポリポリ 玄「そっかぁ……京太郎くんは立派だね!」 京太郎「いえいえ。玄さんこそ一人で掃除しようなんて偉いじゃないですか」 玄「私こそいえいえのいえいえだよー。当番だから」 京太郎「当番?」  そんなんあったっけ?  簡単な掃除なら、毎日部活の終わりに全員でやっているけど。 玄「うん。毎週木曜は私の掃除当番。麻雀教室の頃に決めたんだ」ニコッ 京太郎「……はい?」 玄「?」ニコニコ  麻雀教室って、レジェンドが先生をしてたっていう、例の?  それって三年以上前になくなったんじゃなかったっけ。  え? 当番?  え? 487 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/08(金) 23:11:20.58 ID:uHVZTaloo 京太郎「……」  まあ、玄さんは中学から阿知賀だったらしいし、思い出の場所を綺麗なまま残しておきたいって気持ちはあるよな。  うん。あるよ。あるある。うん。  重くない(言い聞かせるように)。  それに、ひとつ謎が解けた。  定期的に部室がやたら綺麗になっていたのは、玄さんが掃除してくれていたからだったんだ。  ありがたいことだし、マネージャーとして見習うべきことだ。  なので、 京太郎「……玄さん。いえ、先生!」 玄「せ、先生!?」 京太郎「はい! 先生、俺に掃除のテクを授けてはくださいませんか!?」ズザッ 玄「ふええ!?」  膝をついて頼み込む。  掃除は今の俺に出来る数少ない仕事だ。  スキルを上げて、もっと部に貢献したい。 玄「わ、私なんかでいいの……?」 京太郎「玄さんがいいんです。玄さんじゃなきゃ駄目なんです!」キリッ 玄「……えへへ/// わかったよ京太郎くん、この松実玄におまかせあれっ!」フンス  こうして、俺と玄さんの大掃除大作戦が幕を開ける。 497 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/08(金) 23:29:38.06 ID:uHVZTaloo 玄「まず基本的なことだけど、掃除っていうのは上から下へするものなのです」 京太郎「上から下?」 玄「うん。高いところから低いところへ、埃が落ちても平気なようにね」 京太郎「ふんふむ」  今まで適当にやってた。  手当たり次第じゃ綺麗には出来ないんだな。反省。 玄「この部室だと、黒板の上や棚の上、それからロッカーの……ロッカー、の……///」ポッ 京太郎「?」  なんか赤らんでいらっしゃるゾ。 京太郎「どうかしました?」 玄「う、うぅん! なんでもないよ、京太郎お兄ちゃん!」 京太郎「オニイチャン!?」 玄「はわぁ!? な、なんでもないよ! 気にしないで!///」アセアセッ 京太郎「いやいやいや……」  無理だろ。  この前から時々お兄ちゃん呼ばわりされるけど、スルーとか無理だろ。  しかし、やはり「京太郎お兄ちゃん」という響きに覚えが……うっ頭が。 504 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/08(金) 23:54:49.49 ID:uHVZTaloo 玄「と、とにかく始めよう? 昼休み終わっちゃうからねっ」 京太郎「そっすね。じゃあ俺は黒板から」 玄「だったら私は棚とロッカーをやるよ」  頷き合って、教室の前と後ろに分かれる。  教壇に上がり、きつく絞った濡れ雑巾で黒板の上をなぞる。  つーっと端から端へ。ごく簡単な作業だ。  しかし成果は、 京太郎「黒っ!!」 玄「呼んだー?」 京太郎「すみません呼んでません!」  この通り、雑巾の片面が真っ黒になる程だ。  普段は拭かないからなぁ……  バケツに溜めた水で汚れを落として、同じ工程を何度か繰り返す。  目視で確認は出来ないが、恐らく綺麗になったことだろう。 507 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/09(土) 00:13:46.54 ID:wzgmaeD1o 京太郎「ふぃー」  まず一箇所、完了だ。  実は掃除そのものは嫌いじゃあない。  正しいやり方を知らないだけで、身の回りを綺麗にするのは気持が良いから好きだ。  この調子でどんどんピカピカにしてしまおう。 京太郎「玄さーん、黒板終わりまし」  た、と言い損ねる。  振り返った先に、 玄「えいっ! えいっ!」ピョンッピョンッ  ロッカーに向かって飛び跳ねる玄さんの姿があったから。 京太郎「……」 スタスタスタ  沈黙のまま移動する。  玄さん――を、横から見る位置へ。 ピタッ 京太郎「……」 玄「うぅ、届かない……でも頑張るよっ、えいっ!」ピョインッ ポヨンッ 京太郎「」グッ 509 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/09(土) 00:28:50.97 ID:wzgmaeD1o ピョインッ ポヨンッ ピョインッ ポヨンッ ピョインッ ポヨンッ 京太郎「………………」  うむ。 京太郎「玄さーん」スタスタ 玄「えいっ!……え? 京太郎くん?」 京太郎「届かないなら椅子に乗ったらどうです?」 玄「えっ? あっ、見てたの!?」 京太郎「見てました」  ガン見してました。 玄「ぁ……ぅ……///」カァァ  赤面する玄さん。  助言のつもりが辱めてしまったようだ。  辱めてしまったようだ。 512 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/09(土) 00:58:05.12 ID:wzgmaeD1o 玄「ご、ごめんね……? 先生だなんて頼られて、つい張り切っちゃって……」シュン 京太郎「あー……俺の方こそすんません、変に持ち上げちゃって」ペッコリン 玄「ううん、京太郎くんは悪くないよ! それより掃除しなくちゃ、椅子持ってくるね!」  ガタガタと椅子を運び、その上に乗ってロッカーを拭く玄さん。  掃除は上から下へ、が基本。  ならば、棚はロッカーの後だ。  少しの間ながら手持ち無沙汰になった俺がすることと言えば、 京太郎「……」ジーッ  そらガン見よ。 玄「ん、しょっと」フキフキ  椅子の上の玄さん。床に立つ俺。  その高低差が生み出す視界。  即ち、ちちしりふともも。  眼福である。  玄さん自身は気付いていないようだが、彼女は非常に均整の取れた身体付きをしている。  ゲスな言い方をすれば、やらしい身体ってやつだ。  平均以上の乳!  適度に引き締まった尻!  ニーソに包まれた奥ゆかしい太もも!  エロい(確信)! 玄「」セッセ セッセ 京太郎「」ジィーッ  そんな玄さんが作業を終えるまで、俺は瞬きをしなかった。 535 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/09(土) 21:26:18.90 ID:wzgmaeD1o 玄「よし! ロッカー磨き完了なのです!」 京太郎「お疲れ様です」ソシラーッ  素知らぬ顔で労っちゃう。 玄「あはは、お疲れ様はまだまだのまだまだだよー。ここから巻き返すんだからね!」ムンッ 京太郎「ですね。玄さんは、次は棚ですか?」 玄「そうしようかな。京太郎くんはテーブルを拭いてくれる?」 京太郎「りょーかいでっす」  再び分担作業が始まる。  今度は雑巾ではなく、もっと清潔な布巾で円卓を丹念に擦る。  目立った汚れはないものの、ジュースでもこぼしたらしいベタつきが少々。ふきふき。  天板を撫でて取っ掛かりがなくなるまで続ける。 京太郎「うっし、ここも完了」  次はどこを――と訊いて玄さんの手を止めさせるのも悪いな。  掃除は上から下へ。同じ高さにある雀卓を掃除するとしよう。 536 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/09(土) 21:59:46.39 ID:wzgmaeD1o 京太郎「よっこいしょういち」  雀卓を囲む椅子に腰掛け、掛かっていた布を取っ払う。  流石に卓をバラしての整備には時間が足りないから、主に洗牌をしよう。  隅に寄せられている麻雀牌。その数136。  これらひとつひとつを丁寧に……というのも時間が足りない。  なので一括して一面ずつ、可能な限り綺麗にしよう。  濡れたタオルと乾いたタオルを用意して牌磨き開始だ。 京太郎「が・い・む~♪」フキフキ  地味で単純な作業だが、こういうのが楽しい。  いつまででも続けられそうだ。  ところで『牌 磨き方』なんかでググると、それはもう水際立った手つきを披露する動画がヒットする。  俺も早くあれぐらい出来るようになりたいが、今はゆっくり、堅実に。  こんな風に、少しずつ成長していく感じも嫌いじゃないしな。  そう心の中で納得して、俺はまた次の面にタオルを滑ら 玄「ふーっ」 京太郎「んほおおおおおおおおおおっ!!?」ビビクンッ 540 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/09(土) 22:22:51.38 ID:wzgmaeD1o 玄「わひゃあ!?」ビクッ  ミミガー(沖縄料理)!  なに!? なに!?  生暖かい風が俺の耳に!  って、今の声は…… 京太郎「……玄さん?」 玄「う、うん。びっくりしたぁ……」  それはこっちのセリフだ。 京太郎「あのぅ、つかぬ事を伺いますが……息を?」 玄「吹きかけたのです」 京太郎「なんでそんなことするんすか!?」  感じちゃうじゃないか!!  が、返ってきたのは予想外のリアクション。 玄「……京太郎くんが悪いんだからねっ」ムスッ 京太郎「オレェ?」 545 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/09(土) 22:49:34.61 ID:wzgmaeD1o 玄「京太郎くん、私のこと無視するんだもん」 京太郎「え」  牌磨きに夢中で聞こえてなかった。 玄「いっぱい話しかけたのに……」プクー  うわっ可愛っ。  ほっぺ膨らませて怒ってますアピールしてるよ。  とても年上には見えない思えない。  どちらかというと妹……うっ頭が。 京太郎「……」 玄「……」プクー 京太郎「……」 玄「……」プクゥー 京太郎「……」 玄「……」プクゥーッ 京太郎「えい」プスッ 玄「ふにゃっ」プハッ 552 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/09(土) 23:19:20.08 ID:wzgmaeD1o 玄「ひゃ、ひゃにふるの~」ムームー 京太郎「いやあ、つい」  あれだけ見事に膨らまされたら、突かざるをえない。  離す。 玄「もぉ……お姉さんは怒ってるんだよ! それをこんにゃあっ」プニィ  突く。 玄「ひょーはろーくん! やめっ、にゃっ! やめるのですにゃ!」プニィプニィ  突く。突く。  楽しい(確信)。 玄「うぅ……やめてって言ってるのに……」グスン  あ、やっべ泣かした。 京太郎「ご、ごめんなさい玄さん」アセアセ 玄「どうしてこんな意地悪するの……?」ウルウル 京太郎「えーっと……悪気はなくても無視しちゃった分、これでコミュニケーションを取れないかな……なんて」 玄「……」 京太郎「……」 玄「……しょうがないなぁ京太郎くんは。許してあげるっ!」ニコッ 京太郎「あざーっす!」  ちょれーっす! 561 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/09(土) 23:49:57.85 ID:wzgmaeD1o  で、 京太郎「ズッガガガガッガガーガガー」サッサッ 玄「どっごごごごごーん♪」サッサッ 京太郎「ズッガガガガッガガーガガー」サッサッ 玄「べっきべきべきべき~♪」サッサッ 「「ズッガガガガッガッガッガガガ ガ! ガ! ガ! ガーオファーイーガー!」」  いえーい、と。  すれ違い様にハイタッチ。  掃き掃除を続ける。 玄「楽しいねー」 京太郎「そーですねー」 玄「やっぱり一人より二人の方がいいよね!」 京太郎「……そ、そっすね!」  不意打ちやめて欲しい。切実に。 565 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 00:18:25.00 ID:hp1V23Xgo サッサッサッ 京太郎「こんなもんですかね」 玄「だね。チリ取り持ってくるね」 京太郎「お願いします」  とてて、とロッカーへ。  チリ取りを手にして、またとてて。  しゃがんで、 玄「ばっちこーいですのだ!」フンス 京太郎「………………」 玄「京太郎くん?」 京太郎「……玄さん、代わりましょう」 玄「え、どうして?」 京太郎「スカートの中が見えそうだからです」フイッ 玄「~~~っ!?///」バッ 566 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 00:35:49.84 ID:hp1V23Xgo  俺の指摘に、顔を真っ赤にして立ち上がる玄さん。  素早い対応が功を奏し、ノーパンチラでフィニッシュです。  ……え? なんだって?  「おお須賀よ、パンツを見ないとはもったいない」だって?  アマチュアが!!!  よし、みんなきけ。  例えばここに、今にもパンチラしそうな玄さんがいるとしよう。ていうか、いたんだが。  その玄さんのパンツを、俺はきっと見ることが出来るだろう。  でも忘れるな。  俺がパンツを見ている時、パンツもまた俺を見ているのだ。  バレたら、少なからず悪印象を与えてしまうだろう。  そうなるぐらいなら、この場は敢えてスルーした方が利口だ。  もっと公然と、堂々とパンチラにありつける機会が訪れると信じて。  ――なんつって。  本当は、ストッパー不在のラッキースケベに腰が引けただけです。  宥さんとの一件で学んだことだが、こういうシチュエーションには憧が必要不可欠なのだ。  ラキスケ、そして鉄拳制裁。  この流れがないと、かなり気まずい。  止め時を見失う。  そういう意味で、今や憧は俺にとってなくてはならない存在となっていた。 玄「あ、ありがとうね京太郎くん。気を付けるね……///」カァァ 京太郎「いいってことです」キリッ  棚ボタ式に好感度を稼ぎつつ、華麗にチリ取り役をこなす俺だった。 609 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 12:22:12.76 ID:hp1V23Xgo  掃き掃除が終われば作業もいよいよ終盤。  何をするかと言えば、 玄「雑巾掛けですのだ!」 京太郎「!だのすで」 玄「それどうやって発音してるの?」  企業秘密です。  好きだったなぁスパイラル。好きだったなぁひよひよ。  閑話休題。  これまたきつく絞った雑巾を手に、教室の壁際に並んで屈む俺と玄さん。 京太郎「この体勢になると、どうしても闘争心が燃え上がるんですよね」メラメラ 玄「あはは、男の子だねー。私達も競争してみる?」 京太郎「いいんですか? 俺、相当やりますよ」ギラッ 玄「私も負けないよ!」ムフーッ  テンション上がってきた。  負けられない戦いが、ここにはある。 617 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 12:46:15.42 ID:hp1V23Xgo 京太郎「……」スッ 玄「……」スッ  無言で臨戦態勢へ。 玄「よーい――」  蹴り出す為の脚に、進路を定める為の眼に神経を集中させる。  そして、 玄「――どんっ!」ダッ 京太郎「オアアアーーーッ!!?」ズザァーッ  コケた。  ちゃうねん。  わざとじゃなくて。  力(リキ)、入れ過ぎた。  踏ん張った足が床から離れなかったのだ。  そのまま全身を投げ出す格好になってしまった。  虚しい。悔しい。恥ずかしい――そんな気持ちで顔を上げると、 京太郎「ぶほおっ!?」  パで始まってツで終わり、間にンが入る三文字のアレが見えた。  まるっと。 619 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 13:16:47.66 ID:hp1V23Xgo 玄「え?」クルッ 京太郎「あ」  声に。  玄さんが反応して、振り向く。  そして固まる。  姿勢は、そのままで。 京太郎「……!!」  それは――白くて、清楚で、華やかで。  主に前面にはレースの刺繍が施されているであろうが、この角度からでも分かる。  突き出されたお尻の形に張った、それ一枚ではあまりに頼りない最終防衛ライン。  ニーソックスに包まれた太もも共々、抜群の破壊力だった。 玄「きょ、京太郎くん」 京太郎「」ハッ  視線を、ゆっくり動かす。  目が合った。 玄「………………見た?」プルプル 京太郎「見てません白さん」キリッ 玄「クロだよぉ! やっぱり見たんだー!」ウワーン  やっちゃったぜ☆ 633 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 14:46:40.14 ID:hp1V23Xgo  羞恥で顔を真っ赤にしてボロ泣きする玄さん。  ますます年上の威厳というものが行方不明な感じだが、致し方あるまい。  見えてたからなぁ……まるっと。  泣きたくもなるだろう。  って呑気してる場合か! 京太郎「だ、大丈夫ですよ玄さん! チラッと、チラッとしか見えてませんから!」 玄「ほ、ほんど、に……?」エグエグ 京太郎「はい! 色は分かっちゃいましたけど、それだけです!」 玄「……私、太ももの付け根にホクロがあるんだけど、右と左どっちだった?」 京太郎「え? えーっと確か……」ウーン 玄「悩むってことは見たってことでしょ! 京太郎くんの嘘つきいいいいい!!」ビエー 京太郎「オー! ノーッ!!」  なんという罠!  普段より冴えてるんじゃないか玄さん!? 638 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 15:04:00.77 ID:hp1V23Xgo 玄「見られたぁぁぁ……京太郎くんに見られちゃったよぉ……」ボロボロ 京太郎「……」  こうなったら。  俺は――泣きじゃくる玄さんの肩を、強く掴んだ。 玄「痛っ」 京太郎「玄さん!」 玄「は、はい?」ビクッ 京太郎「すぅー……はぁー……」  深呼吸。  そして、 #size(17){#aa{{{           /   /     |   | |   | |  :       l :l   |  |   :|   | |        / /    |    |__ | |   | |  |  :   l :l:  /|  |   :|   | | .      ///     |    |\ |‐\八 |  |  |    |__,l /-|‐ :リ   リ  | |      /  /   - 、     :|   x===ミx|‐-|  |:`ー /x===ミノ//  /  :∧{        /   |  :.八   _/ {::{:::刈`|  |  l:  /´{::{:::刈\,_|  イ  /ー―‐ ..__ .      / / :|  ::|/ \{^ヽ 乂辷ツ八 |\| /' 乂辷ソ ノ^l/ } :/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `「⌒:.   「……似合ってましたよ」 .       //  /|  ::l、   :    ー‐   \{  | /  ー‐    j/ /}/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.      / _,/:.:..|  ::| \ !           j/        ′/:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.         / :.:.:.:.:{  ::|\ハ_,          ノ            ,___/{:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.∧ .    /:.:.:.:.:.:.:.::′ ::|:.:.|\圦                       / j/l/.:.:′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.∧ .   /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:′_,ノ⌒ヽ::|  、    、      _  -‐'     /:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:/:.:.::/:.:  /\:.:.:.:.:.:.:r‐ ' ´     ∨\/ ̄ )  ̄ ̄        /   /.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /:.:/:.:.:./:.:.: /:.:.:.:.:.:.\:.:.ノ  ----- 、  ∨/   / 、          /   ,/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /:.:/:.:/:.:.:.:.: :.:.:.:.:.:.:.:.:.: /        ‘,  ‘, ./、 \       /   /.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.://:.:.:.:.:.:.:.: :.:.:.:/:.:.:.:.:.{   ---- 、   ‘,  } /:.:.:} ̄ \ ̄ ̄ ̄/ ̄ /:.{/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:-<⌒:.:.:.:.: :.:./:.:.:.:.:./       ‘,  ‘,「l /⌒^\________/}/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/´    \:.:.:.:.: :/:.:.:.:.:.:.{: .    . :    ‘, 人U{:.:.:.:.:.:.:.|:\        /:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.―‐┐:/        \:.: :.:.:.:.:.:.:.: }: : : :--:/\: . ノ:r/   / .: .:.:.:.:.|:.:.:.:\    ,/:.:.:. |:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ }}}} #size(20){#aa{{{   ′.:.:.:.:.:.:.:.:.:/  .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.   \   :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/  .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.......   ヽ !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.′ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:| |:.:.:.:.:.:.:|:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:. /|:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:| |:.:.:.:.:.:.:|:.:.:|.:.:.:.:.: /:.:.:.:/}:./ :.:.:.:.:.:.:.:ハ:.\_:.:.:.:.:.:|  | |:.:.:.:.:.:.:|:.:.:|:.:.:.: /:.: / ,:/  |:.:.:.:.ハ/  j:.ハ:.:.:.:./:|  | |:.:.:.:.:.:.:|:.:.:|:.:.:.:.|イう弐笊、ノ7/ ィう笊、 ムイ : |    |:.:.:.:.:.:.:|:.:.:|:.:.:.从 l{///}l  /   l{///l ∨:.:|:.:.:.| / |:.:.:.:.:.:.:|:.:.:|:.:.:.:.|とつー"      弋zツ /} : |:.:.:.|,/ |:.:.:.:.:.:.从:.|:.:.:.:.| ////     ,   ///,: :.:.:|:.:.:.| |:.:.:.:.:.:.:.:.(_|:.:.:.:.|             Λ: : :|:.:.:.|  「………………ふえっ?」 |:.:.:.:.:.:.: /:.|:.:.:.:.|::\    r _,   个:.:.:.:.|:.:.:.| |:.:.:.:.:.:.,‘ :.|:.:.:.:.K|  > ..     イ:.:.:.|:.:.:.:.∧: :| |:.:.:.:.:.:.|:.:.:.|:.:.:.:.| \    |/\ : :.:.:.:.:.:|:.:.:./| |:.:.| |:.:.:.:.:.:.|:.::八:.:.:.|   \__ ∧、 \:.:.:.:.:|:.:/:.:| |:.:.| |/  :./:.:.|\:|   /   Y \  |:.:.:.:.j:/: : | |:.:.| }}}} 644 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 15:46:30.30 ID:hp1V23Xgo 京太郎「似合ってました、とても」 玄「へ、ぁ、はぅ……///」カァァ 京太郎「すごく上品なデザインですよね。レースがふんだんに使われてて」 京太郎「それが黒いニーソックスや太ももの肌色によく映えて……」 京太郎「こう、コントラストっつーんですか? ハーモニーっつーんですか?」 京太郎「お尻を隠す布面積も絶妙でポイント高いっつーか……」 京太郎「とにかく綺麗でした! 玄さんのイメージにピッタリです!!」 玄「っ……」グスッ  鼻を鳴らす音。 玄「……今の、ほんと?」 京太郎「もちろんです。偽らざる本音ですよ」  偽らなさ過ぎて不安を覚えるレベルだ。 玄「………………」  玄さんは俯いたまま黙り込んでいる。  審議中、か。  肩に置いたこの手が、そのまま後ろに回るかどうか。  今に分かる。  やがて、玄さんは―― 玄「……実は、今日のはお気に入りだったんだぁ」テレテレ  ――そう言ってスカートの端を軽く摘み、はにかむのだった。 京太郎「な、なるほど~」アハハ  セーーーーーーーーーーフ。  安堵する反面、玄さんのことが本気が心配になってくる。  もっと危機感を持つように言って聞かせるべきか。 京太郎「……………………………………………………」  やめとこ(ゲス顔)。 671 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 21:39:21.79 ID:hp1V23Xgo …… ………… ……………… 玄「はい京太郎くん、お茶が入りましたよー」 京太郎「ありがとうございます」 玄「熱いから気を付けてね」  湯呑みを受け取る。  玄さんが椅子に座るのを待って、同じタイミングで緑茶を啜る。 京太郎「ずずず……ふぅ」 玄「おいしいねー」 京太郎「一仕事終えた後は格別ですね」  ほっこり。  時計を見れば予鈴までもう少し余裕もある。  ギリギリまで部室でのんびりしていよう。 675 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 22:10:47.42 ID:hp1V23Xgo 玄「今日は本当にありがとうね。手伝ってもらっちゃって」 京太郎「なに言ってんすか、俺が手伝ってもらったんですよ」 玄「でも、先に始めてたのは私だし……」 京太郎「お、俺は昨日から考えてましたけど?」 玄「私は毎週やってるよ?」 京太郎「参りました」ヘヘー  重い(諦観)。 玄「ふふふ、継続は力なのです!」ブイッ 京太郎「仰る通りで……」  俺も見習わなくては。  もっと頑張って、少しでも憧達の負担を減らしてやらないと。  そう決意を新たにする。 玄「ところで、日曜日は憧ちゃんとデートなんだよね?」 京太郎「え? あ、はい」  なんだ急に。  体ごと隣に向き直ると、指で湯呑みの縁をなぞる玄さんの姿があった。 京太郎「それがどうかしました?」 玄「うん……あのね、京太郎くんにお願いがあるの」 677 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 22:39:28.94 ID:hp1V23Xgo 京太郎「お願い」  復唱する俺。こくんと頷く玄さん。 京太郎「……」  1.私ともデートして欲しいな  2.私もデートに連れて行って欲しいのです  3.京太郎くん愛してる! 抱いて欲しいですのだ! 京太郎「………………」  3! 3! 玄「えっと、こんなこと私から言うのは間違ってるかもしれないんだけど……」  3じゃん!!! 玄「憧ちゃんのこと、よろしくお願いしたいなって」 京太郎「、へ?」 玄「だからね、憧ちゃんと二人きりでも、ちゃんとしたデートをしてあげて欲しいの」 京太郎「…………………………」 玄「聞こえてる?」 京太郎「聞コエテマスヨ」 681 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 23:02:33.00 ID:hp1V23Xgo 玄「良かった。じゃあ続けるね」 京太郎「ハイ」 玄「ほら、憧ちゃんって男の人が苦手でしょ?」 玄「なのにデートなんて、緊張したり怖かったりすると思うんだけど……」 玄「でも、でもね? 多分……ううん、絶対に楽しみにしてると思うの」 玄「だって、女の子にとってデートって特別なものだもん」 玄「もし好き合ってなくても、ただの友達同士でも」 玄「だから京太郎くんには変に遠慮したり、気を遣ったりして欲しくないの」 玄「京太郎くんが相手なら、きっと憧ちゃんも頑張れるから」 玄「二人には、心からデートを楽しんで欲しい」 玄「京太郎くんも、憧ちゃんも、麻雀部の身内――」 #size(20){#aa{{{             /   . . . . . . . : : : : : : : : . . .   \              ,  . . . . : : .:. .:..:.:.:.:.:.:. .:. .:.:.:.:.:..ヽ:. . :. ヽ           /  . . . : .:.:.:.:.:.:.:′.:.:.:.:. i{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:..‘. ∧             / :/ :/:/ ..:.:.:.:.:.:.:.| :.:.:.:.:.:. | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨. ‘.. .          / .イ ′:.:.:.:.:.:{:.:.:.:,| ...:.:.:.: {∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:. :. i         ././ ′:!.:.|.......:小:.:.ハ__ .:.:.:.:iハ 斗:十:.ト:. .|:.:... i:. :         i:.′} . :|. :! :.:.:斗{:.:「 丁i .:.:.:.ト:.V ヘ:.{\:.:.`!:.:.:. |: :|         |′.′::l .:|.ト:. .::| ヽ 气{\:.:{ \  ヽ. \} :. : |: :{             i . .:.|:八.:.|ヽ{  _    \   ,z≦ミ、| :.: :.!:. |!             | : /|.::.:.:.::! ,ァ= =ミ     ´   `'^| :. : |:.小   「――大事な家族だからねっ」             |.:/ :! .:.:.:.ハ ′             /i/, | :. : |:.|i             |:′:} .:.: :| ∨ /i     '       .:. :. :.!:. l: {          ○: :′.:.:.ト. .           ,      八:.:..:}:. l:.‘          /:.{: :| .:.:.:. {:: 込      `   ´   /}::.:.:./::. :!:. ‘           /:;:.|:.::| .:.:.:. |:::::::个:.....       .イ::∨:.:.:/:/.:.′:∧        i:/{:.! .:| .:.:.:. |:::::::/:::::::::ノ}≧ - ´ {入:/.:.:./i/:.:.′:. . ‘.        |{∧{..:.i:.:{:.:.:‘:.:.::::::::/ 乂    / /:.:.:/V:.:.:.{:.:.:. . . ‘.          .′..:.八:!ム:.七¨⌒}     >t_ん /:./「/:.:.: 厂 ̄ ≧ 、          / . rヘ´ ヽ \  |   ∧   ∧'ィ斗v′:.:/       ヽ .        / . :′       八_{ ̄≧ V__/イ´  {'リ:.:.:.:′      / }        / . . {⌒ヽ       八  z__{ }___,  {.':.:.:./      /   |       .′. .:|    \      《    ハ下  . /.:.:.:.′   ,    小       / . . .:.{     ヽ   }  ∧__/ }ハ ≧7.:.:.:./     /     {:∧ .     / . ./..:.:}      . | く    /  }  ;:.:.:.:.:′ .′/     {:. .‘.     / . ./..:.:.:.i      ∨ }    `≧-ヘ ∧ノ}:.:.:.:.{ . { .′     }:. . ‘.   / . :/′:.:.:.}  ‘.     V|         ∨   |:ノ}:.:}  j /    /  {:.:. . ‘. }}}} 687 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 23:30:41.22 ID:hp1V23Xgo 京太郎「――!」 玄「……なんて、いっぱい喋っちゃったけど」 玄「ごめんね、お節介だったよね?」 玄「二人のことがどうしても心配で……」 玄「人のデートに口出しなんていけないことだって分かってるんだけど、でも、」 京太郎「玄さん」 玄「っ」ビクッ 京太郎「……ありがとうございます」 玄「え?」 京太郎「玄さんの気持ち、しっかり受け取りました」 玄「京太郎くん……」 京太郎「確かに俺、今までデートのことを漠然としか意識してませんでした」 京太郎「でも、玄さんの言葉で目が覚めました」 京太郎「だから――」 京太郎「俺におまかせあれ!――ですよ」ニッ #size(20){#aa{{{                   -─………‐-                   ´              `丶、               /                    \            /                     \            ,′.: .: .: .: .:/ .: .: .: .: .: .: .: .: .:\ .: .: .: .: .: .:ヽ             .: .: .: .: .: .: .: .: .: :/ .: .: .: .:| .: .: .: .: .: | .: .: .: .:ハ            i.: .: .: .:i: .: .:| .: .: :|.:.: .: .:│i .: .: .: |.: : | . : | .: .: i            | .:| .: : i: .: .:| .: .: :|.:.: .: .:∧| .: .: .:i|⌒:ト: |│.: .:i|            | .:| .: : i .: i | .: .: :|.:'⌒:/ :| :|.: .:八.::│.: リ.:.: .:i|            | .:| .: : i .: i | .: ´.:|/|/  |/|/ _∨l/|/.: .:∨|            | .:| .: : i .: N .: .: :| ,..二.      ,..‐=ミ│ .: : iリ            | .:| .: : ii.:.:N: .: .:≠^⌒`        | .: .: :|   「……うんっ!」            | .:| .: i八:.:ト| .: .: :|        、 /::/::. .: .:|            | .:| .: i.:.iヘ:|.| .: .: :| ::/:::/  ____    j.: .: .:|            | .:| .: i.:.!.: o|: .: .: |     {  ∨   .:'|.: .: .:|            | .:| .: i: ∨八|.: .: |> .   __ノ  イi |.: .: .:|             j.:│ .: .:│ .:∧| .:{__`_ ┬<: .:Vi |.: /| |           ,'.: .: : .: .: |/l人人 :∨゙   \ト∧.: .: :i |:/ :|/            / .: .: .\.: .: .: .: \ヽ{     「∨トヘ: .: ∨         /.: .: .: .: .:.i\.: .: .: .: ヽ \.  |_」儿_∧.: .: :.           /.: .: .: .: .: .:i/\ . : .: . ヽ \人≫、}レ'ヘ:.: .: :. .         / .: .: .: .: .: :/ ___ \ . : .: .ヽ  〈  ,z={}∧.: .: :.         / .: .: .: .: .: :/{/   `ヽ \ . : .: :.  マ´ _八_.ム.: .: :. .       / .: .:. .: .: .: /:V       \.:.: .: :. ゙T   |\∨.:.|       / .: .: .: .: .: :/.: .|       |   ∨ .: |  L........|\「|.:丿 }}}} 【TO BE CONTINUED...】 690 名前:5月23日(木)[!red_res saga] 投稿日:2013/11/10(日) 23:46:41.05 ID:hp1V23Xgo 【...TO MISEKAKETE】 696 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 23:54:01.48 ID:hp1V23Xgo  俺の心は今、玄さんへの感謝の気持ちで一杯だった。  「ありがとう」。  それしか言う言葉が見つからない。  けれど、どうにかして玄さんに恩返しがしたい。  何かないか、何か…… 京太郎「あ」  あった。 京太郎「玄さん玄さん」 玄「なに?」 京太郎「応援してくれたお礼に、俺からもちょっとしたアドバイスっていうか、忠告をば」 玄「ふぅ~む?」  ちょいちょい、と手招き。  応じて、玄さんが俺の方へ身体を寄せる。  ……いい匂いがする。  じゃなくて。  そっと耳打ち。 京太郎「あのですね、自分で自分の胸を触ったりするの、控えた方がいいですよ」 699 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/11(月) 00:11:25.30 ID:rz3394iuo 玄「え? なんで?」 京太郎「なんでって……」  やはり驚きの無防備さ。  これは汚れ役を覚悟してでも俺が正さねば。  そうすることが、玄さんへの恩返しだ。 京太郎「えっと、胸とかお尻って、女性にとっては魅力っていうか、アピールポイントのひとつですよね」 玄「そうだね、おもちだね!」ムフーッ 京太郎「はい。で、そんなアピールポイントを公衆の面前で無闇に触りまくってる人がいたら……どう思いますか?」 玄「へ、変態さんだよぉ!」 京太郎「その変態さんがあなたです」 玄「……えっ?」 京太郎「あなたです」 玄「………………」 京太郎「………………」 玄「えっ?」 705 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/11(月) 00:30:34.09 ID:rz3394iuo 京太郎「ですから、玄さんは衆人環視の真っ只中で自分の魅力的なおもちを揉みしだくド変態さんなんですってば」 玄「ちょ、ちょっと待って!?」 京太郎「待ちます」 玄「……人前じゃなくて、部室だよ?」 京太郎「結果として俺に見られてますから同じです」キッパリ 玄「………………おもちじゃないよ?」 京太郎「前にも言いましたけど、玄さんのソレは十分おもちの域に達しています」ドキッパリ 玄「」 京太郎「あと、えー、そのですね、」  クソ、流石に言い淀む。  が、これも玄さんの為。  心を鬼にしろ、須賀京太郎。  また耳打ち。 京太郎「一般に、女性が自身のそういう部分に触れることを――」ボソソッ #size(20){#aa{{{               /:..:..:..:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ |:.:.:.ハ:.:.:.:j:.:.:.:.} ゚。:|\ :.:.:.:.:.|:..:。:..:..:..:.\                 /:..:..:..:/:.:.:.:.:.:.:.:/|__;.ム斗:./  |:.:.:.し:.:.;\_}:.:|__ ゚。.:.:.:.|:.:..゚。:..:..:\:.゚。             /:..:..:..:/ :.i:.:.:.:i:.:/│:./  |:.′ |:.:.:.:.:.:./  Ⅵ   :。:.:.:|:.:.:..:。:..:..:..:}ⅵ               /.......:.:.,:.:.:.:|:.:.:.:レ彡|:./三ミ:{、  | :.:.:.:./ 彡=リ三ミト、 :.:.|:.:.:.:.:゚:..:..:..:| リ            /:..:..:.:.: ′:.:.|:.:./〃 リ   リヾ:、 :.:.:.:./.〃      ヾ:、リ .:.:.:.:i:..:..:..|              /:..:..:.:. イ:.:.:.:.:.| /il{        }li }:.:./ il{        }li | .:.:.:.:|:..:..:∧  「!!?!?!???!!??!!!?」           /:..:..:./ :|.:.:.:.:.:リ il{        }li l/ il{        }li | :.:.:.:.|:.:.:..:.∧            /:..:./..:.:.:.|.:.:.:.:.:.|  ミト、     ィj/     ミト、     ィj/ | :.:.:.:.|:.:.:.:..:.∧          j:./ .:..:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:|   ゞ=====彡       ゞ=====彡  │ :.:.:.|:.:.:.:.:..: ∧          イO/:.:..:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:|////////////////{ :.:.:.:.|:.:.:.:.:.:..:..∧       /:..// .:..:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:|、         r――――― 、    ι  ノ :.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.. ∧     /:..:..//:..:..:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:|:.\ ι   |         |        イ:|:.:.:.:.:.|:.:.:.:.゚:,:.:.:..:..∧    /:..:..:..// .:..:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|:.:.:个:. .   ノ ---―‐  ____}   . .:个:.:.:.|:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:゚。:.:..:..:∧   〃:..:/|〃 .:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.ハ:.:.:.≧==- __  -==≦:.ハ.:.:j:.:.:.:.|:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:|i:..:.:.:.:.∧  /:../  l/ :..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|:.:.:/  }:.:.:.:.:/ {    } \:.:.:.:/  }.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:}ト :.:..:..:..∧ }}}} 713 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/11(月) 00:48:29.21 ID:rz3394iuo 京太郎「――ですから、玄さんはもう少し慎みを持って、そういうことは自分の家d」 玄「違うからね!!?」クワッ 京太郎「ぅお」ビクッ  突然の大声に驚く。  目の前の玄さんが、耳まで真っ赤になっていた。 玄「ゎ、わた、私、ちが、ぜんぜん、そんなんじゃ、」プルプル 京太郎「分かってます」 玄「ほんとだよ!? 私、えっちな子じゃないからね!?///」カァーッ 京太郎「分かってますって。だから忠告って最初n」 玄「京太郎くんも確かめてみてよ!!」 京太郎「はい!?」ギョッ 玄「わ、私はえっちな子じゃないから、自分の胸を触ったって……触られたって平気だもん!」モゾモゾ 京太郎「ちょ、玄さん。玄さん待って。雲行きが……てかどうしてシャツのボタンを」 玄「だから京太郎お兄ちゃんだって玄のおっぱいを触ってもいやらしい気持ちになんてならないよね! ねえ!? ほら!!」ズイズイズイズイ 京太郎「やだ怖い! 怖い!! 誰かーーーーー!!!」 722 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/11(月) 01:03:53.68 ID:rz3394iuo ◇ ~廊下~ 憧「ったく、京太郎どこ行ったんだろ。もうすぐ昼休みも終わっちゃうのに……」スタスタ ┣¨┣¨┣¨... 憧「、ん?」 ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨... 憧「え? え?」キョロキョロ ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨... 憧「な、一体なに――」 京太郎「助けてくれ憧! 変質者に追われてるんだ!!」 玄「ウオオー! 京太郎くーん!! ウオオー!!!」 憧「すっごいデジャヴュ!!?」ガーン 本当に【TO BE CONTINUED...】
460 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/08(金) 21:29:30.53 ID:uHVZTaloo ガチャッ 玄「んー……んっ……」モミモミ バタム 464 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/08(金) 21:45:09.24 ID:uHVZTaloo 京太郎「……」  なんだ今の。  なんだ今の。  見間違いかな?  他に誰もいない部室で玄さんが自分の胸を揉みしだいていたような……  見間違いだな。 ガチャッ 玄「んん……あ、京太郎くん。こんにちはー」モミモミ バタム 京太郎「………………」  見間違いじゃなかった……  自分の胸を揉みしだいている玄さんに挨拶された……  頭を抱える。  なんだこれ。  なんだこれ。 京太郎「なんだこれ……」 470 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/08(金) 22:05:29.90 ID:uHVZTaloo ガチャッ 京太郎「!?」ビクッ 玄「京太郎くん?」ヒョコッ 京太郎「!!?」ビクビクッ  あまつさえ玄さんの方から出てきた。  不測の事態のオンパレードに混乱する。するともさ。 玄「昼休みに部室に来るなんて珍しいね。どうかしたの?」 京太郎「あ、えっと……く、玄さんこそ、ここでナニを?」 玄「私はお掃除しに来たの」 京太郎「掃除? でも今……胸を……」 玄「胸を?」 京太郎「……触ってましたよね?」  訊いてしまった。  無視は出来ない。  が、 玄「うん。で?」ヘケッ 京太郎「でっていう!?」 473 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/08(金) 22:25:39.80 ID:uHVZTaloo  まさかの反撃だ。  首を傾げる玄さんを見る。  平静を装っている……ようには見えない。  ていうか、演技なんて出来ないだろう。  穏乃並に素直で嘘が苦手そうだし。 京太郎「り、理由を訊いてもいいですか……?」 玄「理由? えっとね、お掃除しに来たっていうのは言ったよね」 京太郎「はい」 玄「それで、掃除するにはブレザーが邪魔だから脱いでおこうと思って」 京太郎「はい」 玄「その時、ちょっと気になって触ってみたんだ」 京太郎「はい?」 玄「でもやっぱりダメだね。ちっとも楽しい気分にならなかったのです!」プンスコ 京太郎「あ、はい……」  この人は、  大丈夫なんだろうか。 482 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/08(金) 22:53:18.81 ID:uHVZTaloo 玄「京太郎くんは? どうしてここに?」 京太郎「あ……実は、俺も部室を掃除しようかと思って」 玄「え?」 京太郎「ほら、最近テストとかで忙しかったでしょう? それの分サボり気味だったから……」ポリポリ 玄「そっかぁ……京太郎くんは立派だね!」 京太郎「いえいえ。玄さんこそ一人で掃除しようなんて偉いじゃないですか」 玄「私こそいえいえのいえいえだよー。当番だから」 京太郎「当番?」  そんなんあったっけ?  簡単な掃除なら、毎日部活の終わりに全員でやっているけど。 玄「うん。毎週木曜は私の掃除当番。麻雀教室の頃に決めたんだ」ニコッ 京太郎「……はい?」 玄「?」ニコニコ  麻雀教室って、レジェンドが先生をしてたっていう、例の?  それって三年以上前になくなったんじゃなかったっけ。  え? 当番?  え? 487 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/08(金) 23:11:20.58 ID:uHVZTaloo 京太郎「……」  まあ、玄さんは中学から阿知賀だったらしいし、思い出の場所を綺麗なまま残しておきたいって気持ちはあるよな。  うん。あるよ。あるある。うん。  重くない(言い聞かせるように)。  それに、ひとつ謎が解けた。  定期的に部室がやたら綺麗になっていたのは、玄さんが掃除してくれていたからだったんだ。  ありがたいことだし、マネージャーとして見習うべきことだ。  なので、 京太郎「……玄さん。いえ、先生!」 玄「せ、先生!?」 京太郎「はい! 先生、俺に掃除のテクを授けてはくださいませんか!?」ズザッ 玄「ふええ!?」  膝をついて頼み込む。  掃除は今の俺に出来る数少ない仕事だ。  スキルを上げて、もっと部に貢献したい。 玄「わ、私なんかでいいの……?」 京太郎「玄さんがいいんです。玄さんじゃなきゃ駄目なんです!」キリッ 玄「……えへへ/// わかったよ京太郎くん、この松実玄におまかせあれっ!」フンス  こうして、俺と玄さんの大掃除大作戦が幕を開ける。 497 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/08(金) 23:29:38.06 ID:uHVZTaloo 玄「まず基本的なことだけど、掃除っていうのは上から下へするものなのです」 京太郎「上から下?」 玄「うん。高いところから低いところへ、埃が落ちても平気なようにね」 京太郎「ふんふむ」  今まで適当にやってた。  手当たり次第じゃ綺麗には出来ないんだな。反省。 玄「この部室だと、黒板の上や棚の上、それからロッカーの……ロッカー、の……///」ポッ 京太郎「?」  なんか赤らんでいらっしゃるゾ。 京太郎「どうかしました?」 玄「う、うぅん! なんでもないよ、京太郎お兄ちゃん!」 京太郎「オニイチャン!?」 玄「はわぁ!? な、なんでもないよ! 気にしないで!///」アセアセッ 京太郎「いやいやいや……」  無理だろ。  この前から時々お兄ちゃん呼ばわりされるけど、スルーとか無理だろ。  しかし、やはり「京太郎お兄ちゃん」という響きに覚えが……うっ頭が。 504 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/08(金) 23:54:49.49 ID:uHVZTaloo 玄「と、とにかく始めよう? 昼休み終わっちゃうからねっ」 京太郎「そっすね。じゃあ俺は黒板から」 玄「だったら私は棚とロッカーをやるよ」  頷き合って、教室の前と後ろに分かれる。  教壇に上がり、きつく絞った濡れ雑巾で黒板の上をなぞる。  つーっと端から端へ。ごく簡単な作業だ。  しかし成果は、 京太郎「黒っ!!」 玄「呼んだー?」 京太郎「すみません呼んでません!」  この通り、雑巾の片面が真っ黒になる程だ。  普段は拭かないからなぁ……  バケツに溜めた水で汚れを落として、同じ工程を何度か繰り返す。  目視で確認は出来ないが、恐らく綺麗になったことだろう。 507 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/09(土) 00:13:46.54 ID:wzgmaeD1o 京太郎「ふぃー」  まず一箇所、完了だ。  実は掃除そのものは嫌いじゃあない。  正しいやり方を知らないだけで、身の回りを綺麗にするのは気持が良いから好きだ。  この調子でどんどんピカピカにしてしまおう。 京太郎「玄さーん、黒板終わりまし」  た、と言い損ねる。  振り返った先に、 玄「えいっ! えいっ!」ピョンッピョンッ  ロッカーに向かって飛び跳ねる玄さんの姿があったから。 京太郎「……」 スタスタスタ  沈黙のまま移動する。  玄さん――を、横から見る位置へ。 ピタッ 京太郎「……」 玄「うぅ、届かない……でも頑張るよっ、えいっ!」ピョインッ ポヨンッ 京太郎「」グッ 509 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/09(土) 00:28:50.97 ID:wzgmaeD1o ピョインッ ポヨンッ ピョインッ ポヨンッ ピョインッ ポヨンッ 京太郎「………………」  うむ。 京太郎「玄さーん」スタスタ 玄「えいっ!……え? 京太郎くん?」 京太郎「届かないなら椅子に乗ったらどうです?」 玄「えっ? あっ、見てたの!?」 京太郎「見てました」  ガン見してました。 玄「ぁ……ぅ……///」カァァ  赤面する玄さん。  助言のつもりが辱めてしまったようだ。  辱めてしまったようだ。 512 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/09(土) 00:58:05.12 ID:wzgmaeD1o 玄「ご、ごめんね……? 先生だなんて頼られて、つい張り切っちゃって……」シュン 京太郎「あー……俺の方こそすんません、変に持ち上げちゃって」ペッコリン 玄「ううん、京太郎くんは悪くないよ! それより掃除しなくちゃ、椅子持ってくるね!」  ガタガタと椅子を運び、その上に乗ってロッカーを拭く玄さん。  掃除は上から下へ、が基本。  ならば、棚はロッカーの後だ。  少しの間ながら手持ち無沙汰になった俺がすることと言えば、 京太郎「……」ジーッ  そらガン見よ。 玄「ん、しょっと」フキフキ  椅子の上の玄さん。床に立つ俺。  その高低差が生み出す視界。  即ち、ちちしりふともも。  眼福である。  玄さん自身は気付いていないようだが、彼女は非常に均整の取れた身体付きをしている。  ゲスな言い方をすれば、やらしい身体ってやつだ。  平均以上の乳!  適度に引き締まった尻!  ニーソに包まれた奥ゆかしい太もも!  エロい(確信)! 玄「」セッセ セッセ 京太郎「」ジィーッ  そんな玄さんが作業を終えるまで、俺は瞬きをしなかった。 535 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/09(土) 21:26:18.90 ID:wzgmaeD1o 玄「よし! ロッカー磨き完了なのです!」 京太郎「お疲れ様です」ソシラーッ  素知らぬ顔で労っちゃう。 玄「あはは、お疲れ様はまだまだのまだまだだよー。ここから巻き返すんだからね!」ムンッ 京太郎「ですね。玄さんは、次は棚ですか?」 玄「そうしようかな。京太郎くんはテーブルを拭いてくれる?」 京太郎「りょーかいでっす」  再び分担作業が始まる。  今度は雑巾ではなく、もっと清潔な布巾で円卓を丹念に擦る。  目立った汚れはないものの、ジュースでもこぼしたらしいベタつきが少々。ふきふき。  天板を撫でて取っ掛かりがなくなるまで続ける。 京太郎「うっし、ここも完了」  次はどこを――と訊いて玄さんの手を止めさせるのも悪いな。  掃除は上から下へ。同じ高さにある雀卓を掃除するとしよう。 536 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/09(土) 21:59:46.39 ID:wzgmaeD1o 京太郎「よっこいしょういち」  雀卓を囲む椅子に腰掛け、掛かっていた布を取っ払う。  流石に卓をバラしての整備には時間が足りないから、主に洗牌をしよう。  隅に寄せられている麻雀牌。その数136。  これらひとつひとつを丁寧に……というのも時間が足りない。  なので一括して一面ずつ、可能な限り綺麗にしよう。  濡れたタオルと乾いたタオルを用意して牌磨き開始だ。 京太郎「が・い・む~♪」フキフキ  地味で単純な作業だが、こういうのが楽しい。  いつまででも続けられそうだ。  ところで『牌 磨き方』なんかでググると、それはもう水際立った手つきを披露する動画がヒットする。  俺も早くあれぐらい出来るようになりたいが、今はゆっくり、堅実に。  こんな風に、少しずつ成長していく感じも嫌いじゃないしな。  そう心の中で納得して、俺はまた次の面にタオルを滑ら 玄「ふーっ」 京太郎「んほおおおおおおおおおおっ!!?」ビビクンッ 540 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/09(土) 22:22:51.38 ID:wzgmaeD1o 玄「わひゃあ!?」ビクッ  ミミガー(沖縄料理)!  なに!? なに!?  生暖かい風が俺の耳に!  って、今の声は…… 京太郎「……玄さん?」 玄「う、うん。びっくりしたぁ……」  それはこっちのセリフだ。 京太郎「あのぅ、つかぬ事を伺いますが……息を?」 玄「吹きかけたのです」 京太郎「なんでそんなことするんすか!?」  感じちゃうじゃないか!!  が、返ってきたのは予想外のリアクション。 玄「……京太郎くんが悪いんだからねっ」ムスッ 京太郎「オレェ?」 545 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/09(土) 22:49:34.61 ID:wzgmaeD1o 玄「京太郎くん、私のこと無視するんだもん」 京太郎「え」  牌磨きに夢中で聞こえてなかった。 玄「いっぱい話しかけたのに……」プクー  うわっ可愛っ。  ほっぺ膨らませて怒ってますアピールしてるよ。  とても年上には見えない思えない。  どちらかというと妹……うっ頭が。 京太郎「……」 玄「……」プクー 京太郎「……」 玄「……」プクゥー 京太郎「……」 玄「……」プクゥーッ 京太郎「えい」プスッ 玄「ふにゃっ」プハッ 552 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/09(土) 23:19:20.08 ID:wzgmaeD1o 玄「ひゃ、ひゃにふるの~」ムームー 京太郎「いやあ、つい」  あれだけ見事に膨らまされたら、突かざるをえない。  離す。 玄「もぉ……お姉さんは怒ってるんだよ! それをこんにゃあっ」プニィ  突く。 玄「ひょーはろーくん! やめっ、にゃっ! やめるのですにゃ!」プニィプニィ  突く。突く。  楽しい(確信)。 玄「うぅ……やめてって言ってるのに……」グスン  あ、やっべ泣かした。 京太郎「ご、ごめんなさい玄さん」アセアセ 玄「どうしてこんな意地悪するの……?」ウルウル 京太郎「えーっと……悪気はなくても無視しちゃった分、これでコミュニケーションを取れないかな……なんて」 玄「……」 京太郎「……」 玄「……しょうがないなぁ京太郎くんは。許してあげるっ!」ニコッ 京太郎「あざーっす!」  ちょれーっす! 561 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/09(土) 23:49:57.85 ID:wzgmaeD1o  で、 京太郎「ズッガガガガッガガーガガー」サッサッ 玄「どっごごごごごーん♪」サッサッ 京太郎「ズッガガガガッガガーガガー」サッサッ 玄「べっきべきべきべき~♪」サッサッ 「「ズッガガガガッガッガッガガガ ガ! ガ! ガ! ガーオファーイーガー!」」  いえーい、と。  すれ違い様にハイタッチ。  掃き掃除を続ける。 玄「楽しいねー」 京太郎「そーですねー」 玄「やっぱり一人より二人の方がいいよね!」 京太郎「……そ、そっすね!」  不意打ちやめて欲しい。切実に。 565 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 00:18:25.00 ID:hp1V23Xgo サッサッサッ 京太郎「こんなもんですかね」 玄「だね。チリ取り持ってくるね」 京太郎「お願いします」  とてて、とロッカーへ。  チリ取りを手にして、またとてて。  しゃがんで、 玄「ばっちこーいですのだ!」フンス 京太郎「………………」 玄「京太郎くん?」 京太郎「……玄さん、代わりましょう」 玄「え、どうして?」 京太郎「スカートの中が見えそうだからです」フイッ 玄「~~~っ!?///」バッ 566 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 00:35:49.84 ID:hp1V23Xgo  俺の指摘に、顔を真っ赤にして立ち上がる玄さん。  素早い対応が功を奏し、ノーパンチラでフィニッシュです。  ……え? なんだって?  「おお須賀よ、パンツを見ないとはもったいない」だって?  アマチュアが!!!  よし、みんなきけ。  例えばここに、今にもパンチラしそうな玄さんがいるとしよう。ていうか、いたんだが。  その玄さんのパンツを、俺はきっと見ることが出来るだろう。  でも忘れるな。  俺がパンツを見ている時、パンツもまた俺を見ているのだ。  バレたら、少なからず悪印象を与えてしまうだろう。  そうなるぐらいなら、この場は敢えてスルーした方が利口だ。  もっと公然と、堂々とパンチラにありつける機会が訪れると信じて。  ――なんつって。  本当は、ストッパー不在のラッキースケベに腰が引けただけです。  宥さんとの一件で学んだことだが、こういうシチュエーションには憧が必要不可欠なのだ。  ラキスケ、そして鉄拳制裁。  この流れがないと、かなり気まずい。  止め時を見失う。  そういう意味で、今や憧は俺にとってなくてはならない存在となっていた。 玄「あ、ありがとうね京太郎くん。気を付けるね……///」カァァ 京太郎「いいってことです」キリッ  棚ボタ式に好感度を稼ぎつつ、華麗にチリ取り役をこなす俺だった。 609 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 12:22:12.76 ID:hp1V23Xgo  掃き掃除が終われば作業もいよいよ終盤。  何をするかと言えば、 玄「雑巾掛けですのだ!」 京太郎「!だのすで」 玄「それどうやって発音してるの?」  企業秘密です。  好きだったなぁスパイラル。好きだったなぁひよひよ。  閑話休題。  これまたきつく絞った雑巾を手に、教室の壁際に並んで屈む俺と玄さん。 京太郎「この体勢になると、どうしても闘争心が燃え上がるんですよね」メラメラ 玄「あはは、男の子だねー。私達も競争してみる?」 京太郎「いいんですか? 俺、相当やりますよ」ギラッ 玄「私も負けないよ!」ムフーッ  テンション上がってきた。  負けられない戦いが、ここにはある。 617 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 12:46:15.42 ID:hp1V23Xgo 京太郎「……」スッ 玄「……」スッ  無言で臨戦態勢へ。 玄「よーい――」  蹴り出す為の脚に、進路を定める為の眼に神経を集中させる。  そして、 玄「――どんっ!」ダッ 京太郎「オアアアーーーッ!!?」ズザァーッ  コケた。  ちゃうねん。  わざとじゃなくて。  力(リキ)、入れ過ぎた。  踏ん張った足が床から離れなかったのだ。  そのまま全身を投げ出す格好になってしまった。  虚しい。悔しい。恥ずかしい――そんな気持ちで顔を上げると、 京太郎「ぶほおっ!?」  パで始まってツで終わり、間にンが入る三文字のアレが見えた。  まるっと。 619 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 13:16:47.66 ID:hp1V23Xgo 玄「え?」クルッ 京太郎「あ」  声に。  玄さんが反応して、振り向く。  そして固まる。  姿勢は、そのままで。 京太郎「……!!」  それは――白くて、清楚で、華やかで。  主に前面にはレースの刺繍が施されているであろうことが、この角度からでも分かる。  突き出されたお尻の形に張った、それ一枚ではあまりに頼りない最終防衛ライン。  ニーソックスに包まれた太もも共々、抜群の破壊力だった。 玄「きょ、京太郎くん」 京太郎「」ハッ  視線を、ゆっくり動かす。  目が合った。 玄「………………見た?」プルプル 京太郎「見てません白さん」キリッ 玄「クロだよぉ! やっぱり見たんだー!」ウワーン  やっちゃったぜ☆ 633 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 14:46:40.14 ID:hp1V23Xgo  羞恥で顔を真っ赤にしてボロ泣きする玄さん。  ますます年上の威厳というものが行方不明な感じだが、致し方あるまい。  見えてたからなぁ……まるっと。  泣きたくもなるだろう。  って呑気してる場合か! 京太郎「だ、大丈夫ですよ玄さん! チラッと、チラッとしか見えてませんから!」 玄「ほ、ほんど、に……?」エグエグ 京太郎「はい! 色は分かっちゃいましたけど、それだけです!」 玄「……私、太ももの付け根にホクロがあるんだけど、右と左どっちだった?」 京太郎「え? えーっと確か……」ウーン 玄「悩むってことは見たってことでしょ! 京太郎くんの嘘つきいいいいい!!」ビエー 京太郎「オー! ノーッ!!」  なんという罠!  普段より冴えてるんじゃないか玄さん!? 638 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 15:04:00.77 ID:hp1V23Xgo 玄「見られたぁぁぁ……京太郎くんに見られちゃったよぉ……」ボロボロ 京太郎「……」  こうなったら。  俺は――泣きじゃくる玄さんの肩を、強く掴んだ。 玄「痛っ」 京太郎「玄さん!」 玄「は、はい?」ビクッ 京太郎「すぅー……はぁー……」  深呼吸。  そして、 #size(17){#aa{{{           /   /     |   | |   | |  :       l :l   |  |   :|   | |        / /    |    |__ | |   | |  |  :   l :l:  /|  |   :|   | | .      ///     |    |\ |‐\八 |  |  |    |__,l /-|‐ :リ   リ  | |      /  /   - 、     :|   x===ミx|‐-|  |:`ー /x===ミノ//  /  :∧{        /   |  :.八   _/ {::{:::刈`|  |  l:  /´{::{:::刈\,_|  イ  /ー―‐ ..__ .      / / :|  ::|/ \{^ヽ 乂辷ツ八 |\| /' 乂辷ソ ノ^l/ } :/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `「⌒:.   「……似合ってましたよ」 .       //  /|  ::l、   :    ー‐   \{  | /  ー‐    j/ /}/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.      / _,/:.:..|  ::| \ !           j/        ′/:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.         / :.:.:.:.:{  ::|\ハ_,          ノ            ,___/{:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.∧ .    /:.:.:.:.:.:.:.::′ ::|:.:.|\圦                       / j/l/.:.:′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.∧ .   /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:′_,ノ⌒ヽ::|  、    、      _  -‐'     /:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:/:.:.::/:.:  /\:.:.:.:.:.:.:r‐ ' ´     ∨\/ ̄ )  ̄ ̄        /   /.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /:.:/:.:.:./:.:.: /:.:.:.:.:.:.\:.:.ノ  ----- 、  ∨/   / 、          /   ,/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /:.:/:.:/:.:.:.:.: :.:.:.:.:.:.:.:.:.: /        ‘,  ‘, ./、 \       /   /.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.://:.:.:.:.:.:.:.: :.:.:.:/:.:.:.:.:.{   ---- 、   ‘,  } /:.:.:} ̄ \ ̄ ̄ ̄/ ̄ /:.{/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:-<⌒:.:.:.:.: :.:./:.:.:.:.:./       ‘,  ‘,「l /⌒^\________/}/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/´    \:.:.:.:.: :/:.:.:.:.:.:.{: .    . :    ‘, 人U{:.:.:.:.:.:.:.|:\        /:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.―‐┐:/        \:.: :.:.:.:.:.:.:.: }: : : :--:/\: . ノ:r/   / .: .:.:.:.:.|:.:.:.:\    ,/:.:.:. |:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ }}}} #size(20){#aa{{{   ′.:.:.:.:.:.:.:.:.:/  .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.   \   :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/  .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.......   ヽ !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.′ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:| |:.:.:.:.:.:.:|:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:. /|:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:| |:.:.:.:.:.:.:|:.:.:|.:.:.:.:.: /:.:.:.:/}:./ :.:.:.:.:.:.:.:ハ:.\_:.:.:.:.:.:|  | |:.:.:.:.:.:.:|:.:.:|:.:.:.: /:.: / ,:/  |:.:.:.:.ハ/  j:.ハ:.:.:.:./:|  | |:.:.:.:.:.:.:|:.:.:|:.:.:.:.|イう弐笊、ノ7/ ィう笊、 ムイ : |    |:.:.:.:.:.:.:|:.:.:|:.:.:.从 l{///}l  /   l{///l ∨:.:|:.:.:.| / |:.:.:.:.:.:.:|:.:.:|:.:.:.:.|とつー"      弋zツ /} : |:.:.:.|,/ |:.:.:.:.:.:.从:.|:.:.:.:.| ////     ,   ///,: :.:.:|:.:.:.| |:.:.:.:.:.:.:.:.(_|:.:.:.:.|             Λ: : :|:.:.:.|  「………………ふえっ?」 |:.:.:.:.:.:.: /:.|:.:.:.:.|::\    r _,   个:.:.:.:.|:.:.:.| |:.:.:.:.:.:.,‘ :.|:.:.:.:.K|  > ..     イ:.:.:.|:.:.:.:.∧: :| |:.:.:.:.:.:.|:.:.:.|:.:.:.:.| \    |/\ : :.:.:.:.:.:|:.:.:./| |:.:.| |:.:.:.:.:.:.|:.::八:.:.:.|   \__ ∧、 \:.:.:.:.:|:.:/:.:| |:.:.| |/  :./:.:.|\:|   /   Y \  |:.:.:.:.j:/: : | |:.:.| }}}} 644 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 15:46:30.30 ID:hp1V23Xgo 京太郎「似合ってました、とても」 玄「へ、ぁ、はぅ……///」カァァ 京太郎「すごく上品なデザインですよね。レースがふんだんに使われてて」 京太郎「それが黒いニーソックスや太ももの肌色によく映えて……」 京太郎「こう、コントラストっつーんですか? ハーモニーっつーんですか?」 京太郎「お尻を隠す布面積も絶妙でポイント高いっつーか……」 京太郎「とにかく綺麗でした! 玄さんのイメージにピッタリです!!」 玄「っ……」グスッ  鼻を鳴らす音。 玄「……今の、ほんと?」 京太郎「もちろんです。偽らざる本音ですよ」  偽らなさ過ぎて不安を覚えるレベルだ。 玄「………………」  玄さんは俯いたまま黙り込んでいる。  審議中、か。  肩に置いたこの手が、そのまま後ろに回るかどうか。  今に分かる。  やがて、玄さんは―― 玄「……実は、今日のはお気に入りだったんだぁ」テレテレ  ――そう言ってスカートの端を軽く摘み、はにかむのだった。 京太郎「な、なるほど~」アハハ  セーーーーーーーーーーフ。  安堵する反面、玄さんのことが本気が心配になってくる。  もっと危機感を持つように言って聞かせるべきか。 京太郎「……………………………………………………」  やめとこ(ゲス顔)。 671 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 21:39:21.79 ID:hp1V23Xgo …… ………… ……………… 玄「はい京太郎くん、お茶が入りましたよー」 京太郎「ありがとうございます」 玄「熱いから気を付けてね」  湯呑みを受け取る。  玄さんが椅子に座るのを待って、同じタイミングで緑茶を啜る。 京太郎「ずずず……ふぅ」 玄「おいしいねー」 京太郎「一仕事終えた後は格別ですね」  ほっこり。  時計を見れば予鈴までもう少し余裕もある。  ギリギリまで部室でのんびりしていよう。 675 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 22:10:47.42 ID:hp1V23Xgo 玄「今日は本当にありがとうね。手伝ってもらっちゃって」 京太郎「なに言ってんすか、俺が手伝ってもらったんですよ」 玄「でも、先に始めてたのは私だし……」 京太郎「お、俺は昨日から考えてましたけど?」 玄「私は毎週やってるよ?」 京太郎「参りました」ヘヘー  重い(諦観)。 玄「ふふふ、継続は力なのです!」ブイッ 京太郎「仰る通りで……」  俺も見習わなくては。  もっと頑張って、少しでも憧達の負担を減らしてやらないと。  そう決意を新たにする。 玄「ところで、日曜日は憧ちゃんとデートなんだよね?」 京太郎「え? あ、はい」  なんだ急に。  体ごと隣に向き直ると、指で湯呑みの縁をなぞる玄さんの姿があった。 京太郎「それがどうかしました?」 玄「うん……あのね、京太郎くんにお願いがあるの」 677 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 22:39:28.94 ID:hp1V23Xgo 京太郎「お願い」  復唱する俺。こくんと頷く玄さん。 京太郎「……」  1.私ともデートして欲しいな  2.私もデートに連れて行って欲しいのです  3.京太郎くん愛してる! 抱いて欲しいですのだ! 京太郎「………………」  3! 3! 玄「えっと、こんなこと私から言うのは間違ってるかもしれないんだけど……」  3じゃん!!! 玄「憧ちゃんのこと、よろしくお願いしたいなって」 京太郎「、へ?」 玄「だからね、憧ちゃんと二人きりでも、ちゃんとしたデートをしてあげて欲しいの」 京太郎「…………………………」 玄「聞こえてる?」 京太郎「聞コエテマスヨ」 681 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 23:02:33.00 ID:hp1V23Xgo 玄「良かった。じゃあ続けるね」 京太郎「ハイ」 玄「ほら、憧ちゃんって男の人が苦手でしょ?」 玄「なのにデートなんて、緊張したり怖かったりすると思うんだけど……」 玄「でも、でもね? 多分……ううん、絶対に楽しみにしてると思うの」 玄「だって、女の子にとってデートって特別なものだもん」 玄「もし好き合ってなくても、ただの友達同士でも」 玄「だから京太郎くんには変に遠慮したり、気を遣ったりして欲しくないの」 玄「京太郎くんが相手なら、きっと憧ちゃんも頑張れるから」 玄「二人には、心からデートを楽しんで欲しい」 玄「京太郎くんも、憧ちゃんも、麻雀部の身内――」 #size(20){#aa{{{             /   . . . . . . . : : : : : : : : . . .   \              ,  . . . . : : .:. .:..:.:.:.:.:.:. .:. .:.:.:.:.:..ヽ:. . :. ヽ           /  . . . : .:.:.:.:.:.:.:′.:.:.:.:. i{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:..‘. ∧             / :/ :/:/ ..:.:.:.:.:.:.:.| :.:.:.:.:.:. | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨. ‘.. .          / .イ ′:.:.:.:.:.:{:.:.:.:,| ...:.:.:.: {∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:. :. i         ././ ′:!.:.|.......:小:.:.ハ__ .:.:.:.:iハ 斗:十:.ト:. .|:.:... i:. :         i:.′} . :|. :! :.:.:斗{:.:「 丁i .:.:.:.ト:.V ヘ:.{\:.:.`!:.:.:. |: :|         |′.′::l .:|.ト:. .::| ヽ 气{\:.:{ \  ヽ. \} :. : |: :{             i . .:.|:八.:.|ヽ{  _    \   ,z≦ミ、| :.: :.!:. |!             | : /|.::.:.:.::! ,ァ= =ミ     ´   `'^| :. : |:.小   「――大事な家族だからねっ」             |.:/ :! .:.:.:.ハ ′             /i/, | :. : |:.|i             |:′:} .:.: :| ∨ /i     '       .:. :. :.!:. l: {          ○: :′.:.:.ト. .           ,      八:.:..:}:. l:.‘          /:.{: :| .:.:.:. {:: 込      `   ´   /}::.:.:./::. :!:. ‘           /:;:.|:.::| .:.:.:. |:::::::个:.....       .イ::∨:.:.:/:/.:.′:∧        i:/{:.! .:| .:.:.:. |:::::::/:::::::::ノ}≧ - ´ {入:/.:.:./i/:.:.′:. . ‘.        |{∧{..:.i:.:{:.:.:‘:.:.::::::::/ 乂    / /:.:.:/V:.:.:.{:.:.:. . . ‘.          .′..:.八:!ム:.七¨⌒}     >t_ん /:./「/:.:.: 厂 ̄ ≧ 、          / . rヘ´ ヽ \  |   ∧   ∧'ィ斗v′:.:/       ヽ .        / . :′       八_{ ̄≧ V__/イ´  {'リ:.:.:.:′      / }        / . . {⌒ヽ       八  z__{ }___,  {.':.:.:./      /   |       .′. .:|    \      《    ハ下  . /.:.:.:.′   ,    小       / . . .:.{     ヽ   }  ∧__/ }ハ ≧7.:.:.:./     /     {:∧ .     / . ./..:.:}      . | く    /  }  ;:.:.:.:.:′ .′/     {:. .‘.     / . ./..:.:.:.i      ∨ }    `≧-ヘ ∧ノ}:.:.:.:.{ . { .′     }:. . ‘.   / . :/′:.:.:.}  ‘.     V|         ∨   |:ノ}:.:}  j /    /  {:.:. . ‘. }}}} 687 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 23:30:41.22 ID:hp1V23Xgo 京太郎「――!」 玄「……なんて、いっぱい喋っちゃったけど」 玄「ごめんね、お節介だったよね?」 玄「二人のことがどうしても心配で……」 玄「人のデートに口出しなんていけないことだって分かってるんだけど、でも、」 京太郎「玄さん」 玄「っ」ビクッ 京太郎「……ありがとうございます」 玄「え?」 京太郎「玄さんの気持ち、しっかり受け取りました」 玄「京太郎くん……」 京太郎「確かに俺、今までデートのことを漠然としか意識してませんでした」 京太郎「でも、玄さんの言葉で目が覚めました」 京太郎「だから――」 京太郎「俺におまかせあれ!――ですよ」ニッ #size(20){#aa{{{                   -─………‐-                   ´              `丶、               /                    \            /                     \            ,′.: .: .: .: .:/ .: .: .: .: .: .: .: .: .:\ .: .: .: .: .: .:ヽ             .: .: .: .: .: .: .: .: .: :/ .: .: .: .:| .: .: .: .: .: | .: .: .: .:ハ            i.: .: .: .:i: .: .:| .: .: :|.:.: .: .:│i .: .: .: |.: : | . : | .: .: i            | .:| .: : i: .: .:| .: .: :|.:.: .: .:∧| .: .: .:i|⌒:ト: |│.: .:i|            | .:| .: : i .: i | .: .: :|.:'⌒:/ :| :|.: .:八.::│.: リ.:.: .:i|            | .:| .: : i .: i | .: ´.:|/|/  |/|/ _∨l/|/.: .:∨|            | .:| .: : i .: N .: .: :| ,..二.      ,..‐=ミ│ .: : iリ            | .:| .: : ii.:.:N: .: .:≠^⌒`        | .: .: :|   「……うんっ!」            | .:| .: i八:.:ト| .: .: :|        、 /::/::. .: .:|            | .:| .: i.:.iヘ:|.| .: .: :| ::/:::/  ____    j.: .: .:|            | .:| .: i.:.!.: o|: .: .: |     {  ∨   .:'|.: .: .:|            | .:| .: i: ∨八|.: .: |> .   __ノ  イi |.: .: .:|             j.:│ .: .:│ .:∧| .:{__`_ ┬<: .:Vi |.: /| |           ,'.: .: : .: .: |/l人人 :∨゙   \ト∧.: .: :i |:/ :|/            / .: .: .\.: .: .: .: \ヽ{     「∨トヘ: .: ∨         /.: .: .: .: .:.i\.: .: .: .: ヽ \.  |_」儿_∧.: .: :.           /.: .: .: .: .: .:i/\ . : .: . ヽ \人≫、}レ'ヘ:.: .: :. .         / .: .: .: .: .: :/ ___ \ . : .: .ヽ  〈  ,z={}∧.: .: :.         / .: .: .: .: .: :/{/   `ヽ \ . : .: :.  マ´ _八_.ム.: .: :. .       / .: .:. .: .: .: /:V       \.:.: .: :. ゙T   |\∨.:.|       / .: .: .: .: .: :/.: .|       |   ∨ .: |  L........|\「|.:丿 }}}} 【TO BE CONTINUED...】 690 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 23:46:41.05 ID:hp1V23Xgo &font(red){【...TO MISEKAKETE】} 696 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 23:54:01.48 ID:hp1V23Xgo  俺の心は今、玄さんへの感謝の気持ちで一杯だった。  「ありがとう」。  それしか言う言葉が見つからない。  けれど、どうにかして玄さんに恩返しがしたい。  何かないか、何か…… 京太郎「あ」  あった。 京太郎「玄さん玄さん」 玄「なに?」 京太郎「応援してくれたお礼に、俺からもちょっとしたアドバイスっていうか、忠告をば」 玄「ふぅ~む?」  ちょいちょい、と手招き。  応じて、玄さんが俺の方へ身体を寄せる。  ……いい匂いがする。  じゃなくて。  そっと耳打ち。 京太郎「あのですね、自分で自分の胸を触ったりするの、控えた方がいいですよ」 699 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/11(月) 00:11:25.30 ID:rz3394iuo 玄「え? なんで?」 京太郎「なんでって……」  やはり驚きの無防備さ。  これは汚れ役を覚悟してでも俺が正さねば。  そうすることが、玄さんへの恩返しだ。 京太郎「えっと、胸とかお尻って、女性にとっては魅力っていうか、アピールポイントのひとつですよね」 玄「そうだね、おもちだね!」ムフーッ 京太郎「はい。で、そんなアピールポイントを公衆の面前で無闇に触りまくってる人がいたら……どう思いますか?」 玄「へ、変態さんだよぉ!」 京太郎「その変態さんがあなたです」 玄「……えっ?」 京太郎「あなたです」 玄「………………」 京太郎「………………」 玄「えっ?」 705 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/11(月) 00:30:34.09 ID:rz3394iuo 京太郎「ですから、玄さんは衆人環視の真っ只中で自分の魅力的なおもちを揉みしだくド変態さんなんですってば」 玄「ちょ、ちょっと待って!?」 京太郎「待ちます」 玄「……人前じゃなくて、部室だよ?」 京太郎「結果として俺に見られてますから同じです」キッパリ 玄「………………おもちじゃないよ?」 京太郎「前にも言いましたけど、玄さんのソレは十分おもちの域に達しています」ドキッパリ 玄「」 京太郎「あと、えー、そのですね、」  クソ、流石に言い淀む。  が、これも玄さんの為。  心を鬼にしろ、須賀京太郎。  また耳打ち。 京太郎「一般に、女性が自身のそういう部分に触れることを――」ボソソッ #size(20){#aa{{{               /:..:..:..:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ |:.:.:.ハ:.:.:.:j:.:.:.:.} ゚。:|\ :.:.:.:.:.|:..:。:..:..:..:.\                 /:..:..:..:/:.:.:.:.:.:.:.:/|__;.ム斗:./  |:.:.:.し:.:.;\_}:.:|__ ゚。.:.:.:.|:.:..゚。:..:..:\:.゚。             /:..:..:..:/ :.i:.:.:.:i:.:/│:./  |:.′ |:.:.:.:.:.:./  Ⅵ   :。:.:.:|:.:.:..:。:..:..:..:}ⅵ               /.......:.:.,:.:.:.:|:.:.:.:レ彡|:./三ミ:{、  | :.:.:.:./ 彡=リ三ミト、 :.:.|:.:.:.:.:゚:..:..:..:| リ            /:..:..:.:.: ′:.:.|:.:./〃 リ   リヾ:、 :.:.:.:./.〃      ヾ:、リ .:.:.:.:i:..:..:..|              /:..:..:.:. イ:.:.:.:.:.| /il{        }li }:.:./ il{        }li | .:.:.:.:|:..:..:∧  「!!?!?!???!!??!!!?」           /:..:..:./ :|.:.:.:.:.:リ il{        }li l/ il{        }li | :.:.:.:.|:.:.:..:.∧            /:..:./..:.:.:.|.:.:.:.:.:.|  ミト、     ィj/     ミト、     ィj/ | :.:.:.:.|:.:.:.:..:.∧          j:./ .:..:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:|   ゞ=====彡       ゞ=====彡  │ :.:.:.|:.:.:.:.:..: ∧          イO/:.:..:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:|////////////////{ :.:.:.:.|:.:.:.:.:.:..:..∧       /:..// .:..:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:|、         r――――― 、    ι  ノ :.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.. ∧     /:..:..//:..:..:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:|:.\ ι   |         |        イ:|:.:.:.:.:.|:.:.:.:.゚:,:.:.:..:..∧    /:..:..:..// .:..:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|:.:.:个:. .   ノ ---―‐  ____}   . .:个:.:.:.|:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:゚。:.:..:..:∧   〃:..:/|〃 .:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.ハ:.:.:.≧==- __  -==≦:.ハ.:.:j:.:.:.:.|:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:|i:..:.:.:.:.∧  /:../  l/ :..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|:.:.:/  }:.:.:.:.:/ {    } \:.:.:.:/  }.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:}ト :.:..:..:..∧ }}}} 713 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/11(月) 00:48:29.21 ID:rz3394iuo 京太郎「――ですから、玄さんはもう少し慎みを持って、そういうことは自分の家d」 玄「違うからね!!?」クワッ 京太郎「ぅお」ビクッ  突然の大声に驚く。  目の前の玄さんが、耳まで真っ赤になっていた。 玄「ゎ、わた、私、ちが、ぜんぜん、そんなんじゃ、」プルプル 京太郎「分かってます」 玄「ほんとだよ!? 私、えっちな子じゃないからね!?///」カァーッ 京太郎「分かってますって。だから忠告って最初n」 玄「京太郎くんも確かめてみてよ!!」 京太郎「はい!?」ギョッ 玄「わ、私はえっちな子じゃないから、自分の胸を触ったって……触られたって平気だもん!」モゾモゾ 京太郎「ちょ、玄さん。玄さん待って。雲行きが……てかどうしてシャツのボタンを」 玄「だから京太郎お兄ちゃんだって玄のおっぱいを触ってもいやらしい気持ちになんてならないよね! ねえ!? ほら!!」ズイズイズイズイ 京太郎「やだ怖い! 怖い!! 誰かーーーーー!!!」 722 名前:5月23日(木)[saga] 投稿日:2013/11/11(月) 01:03:53.68 ID:rz3394iuo ◇ ~廊下~ 憧「ったく、京太郎どこ行ったんだろ。もうすぐ昼休みも終わっちゃうのに……」スタスタ ┣¨┣¨┣¨... 憧「、ん?」 ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨... 憧「え? え?」キョロキョロ ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨... 憧「な、一体なに――」 京太郎「助けてくれ憧! 変質者に追われてるんだ!!」 玄「ウオオー! 京太郎くーん!! ウオオー!!!」 憧「すっごいデジャヴュ!!?」ガーン 本当に【TO BE CONTINUED...】 ---- #bold(){ 【松実玄のステータスが更新されました!】  京太郎への印象:...→京太郎お兄ちゃんは大人なのに玄の裸を見たらいやらしい気持ちになるんだ……   →今度は上も褒めて欲しいなぁ……&font(red){(new!)} }

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