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始まり


「…………っ…」

 ラクスは普段のようにベッドで寝込んでいた。

「何だ…夢か……」

 そう安心したラクスに、次なる不安が襲いかかった。
 そこは、ラクスの部屋ではなかったのだ。

「ど、どこだ……? ここは……」

 ラクスは辺りを見回した。壁は金網が貼られ、広い空間。所々に血が付着しており、闇と孤独が漂う。そう。あの場所だ。

「あの……悪夢の…」

ーーー悪夢の場所と、全てが統一されている。

 ラクスは後ろを振り向いた。
(あの悪夢では、『何か』が襲ってくるはず……)

 だが、そこまでは現実にならなかった。影の大群は襲いかかってこない。

「ふぅ……」

 安心したラクスは、何故か配置されているベッドに寝転がる。そしてひとまず頭を冷やすことにしたのか、深呼吸をする。

「ここは……一体どこなのだろう……?」

 ラクスは大きく溜め息をつき、立ち上がる。

「きっと誰かが助けてくれる……」

 ラクスは思い切って、そこを探索することにした。暗く、夜のようで、少しだけ霧が立っている。落ち着くはずもない。が、ラクスはまだ探索する。

「ここには…ラジオ……?」

 そう。そのラジオは既に故障していて、まともな周波数を拾うこともできず、ずっと騒がしいノイズが流れ続けている。嫌な気分だ……

 その時、急にその空間の空気が乱れた。

「テ、テレビか……?」

 そう。配置されているテレビが急に画面が移しだされ、ずうっと白黒のウェーブ画面を流し続けている。そしていきなり金網を叩く音が聞こえ、ベッドがガタガタして、『何か』の声が聞こえる。

「な、何だこれは……!?」

 ラクスはテレビの前に足を止めていた。すると、何かを感じ、ラクスはそこに倒れこむ……

 配置されている机の上に、一通の置き手紙が置いてあった。その置き手紙には、「後には戻れない。侵食が始まっている」としっかり書き残されている。

 ラクスは戸惑った。自分の身体を襲う恐怖。どこか分からない場所。いつ襲われるか分からない恐怖。

「一体……どうなっているんだ!?」

 ラクスは立ち上がった。その場所から逃げるために。

 一つ、気になる場所があった。それは、はっきりと魔法陣が書かれ、そこが少し光っている。

「何だ……? これは……っ」

ーー得体の知れない物に、戸惑うラクス。
 それが、唯一の救い手かもしれない。と思ったのだろう。そこに足を踏み入れた。その瞬間!

「う、うわぁぁぁぁぁぁ!!」
最終更新:2008年11月10日 17:16