【ぜんかいのあらすじ】
キャリアーのアームヘッド「スコルピオ・バイラス」を辛くも退けたバテラ達。
が、その戦いの最中キャリアーはウイルスを散布、ガリバーの病状が悪化し、ギョックはリド症候群を発症した。
バテラが黙っていたリドの秘密とは、一体…!?
中間三層の病室。
「…大丈夫か、サモン…」
「へい、俺は大丈夫です…二人も命に別状はないかと」
ギョックとガリバーは栄養剤を投与され、今は静かに眠っている。
二人の無事を確認したバテラとアオヤギは病室を後にし、廊下で会話を始める…
「…………結論から言う。奴等…キャリアーは、リド症候群感染者の成れの果てだ」
「…どういう、事だ?」
「リド症候群には、5つのフェイズがある。
まず、奴等の散布する霧を吸い込む事でウイルスが潜伏する…これがフェイズ1。
恐らく最下層の人間の殆どはこの段階だ」
「フェイズ2…食欲の減衰が始まり、栄養失調等症状を発症。
フェイズ3…消化器系の退化が始まり、一切の食事が摂取出来なくなる。
ギョックとガリバーはこの段階だ。」
「フェイズ4…ウイルスにより遺伝子が旧世代の生命への退行を始め、"身体の機械化"が始まる。
この時点で食事ではなくヘヴンズレイを吸収し、エネルギーを得る事が出来るようになる」
「そして、フェイズ5…身体の中身が完全に機械化し、"何者かに意識を乗っ取られる"。 …それが、キャリアーだ。」
「………なあバテラ、どうしてそんな大事な事を今まで黙っていたんだ…?」
「それは……俺がフェイズ5だからだ」
「お、おいおい…何かの冗談だろ…?」
「…本当の事だ。俺や奴等がレイブースター…ヘヴンズレイ注入装置を使えるのも、その証拠だ」
「そうか………」
しばらくの静寂の後、アオヤギはバテラの胸倉を掴む!
「いつからだ、いつ乗っ取った?」
「…閉鎖の1年後、一回目のリド症候群集団発症の時だ」
「………前のバテラはどうなった?」
「眠っている。俺に記憶と使命を託してな」
アオヤギは手を離し、病院を後にする…
「…バテラ、いやバテラだった者。俺とアームヘッド・バトルしろ」
「アオヤギ…」
ロックスミスのコクピットハッチが閉じられ、赤い複眼がバテラを睨み付ける!
『手加減は無しだ、…後腐れの無いよう本気でやるぞ』
「…わかった、戦おう」
血の滲む応急止血テープを胴に巻いたラージブレードがゆっくりと立ち上がり、重量剣を持ち上げる。
【リド症候群】
"キャリアー"によって齎された病。進行状況によってフェイズが割り振られる。
フェイズ1:潜伏期間。この状態での判別は不可能。
フェイズ2:食欲の減衰、栄養失調等の症状。
フェイズ3:消化器系が退化。食事を摂取できなくなる。
フェイズ4:身体の機械化が始まり、ヘヴンズレイを吸収できるようになる。
フェイズ5:"キャリアー"に意思を乗っ取られる。
最終更新:2019年10月06日 17:46