これまでのあらすじ
キャリアーの正体はポータルの向こう側の世界を支配する機械生命に寄生する微生物で、バテラはそれの対抗策を投与された感染者第一号だった。
が、その話をゲート越しに聞いていたキャリアー夜文参強大が合体しリザード・バイラスを顕現、バテラたちに襲い掛かる…!


パーフェクト・クライムアップ
第13話「上層の剣士」


『ケケケケ!死ねェ〜〜!』
飛び掛かってウイルス汚染クローで攻撃を仕掛けるリザード・バイラス!
「クソが!!」
対するロックスミスは瓦礫投擲で迎撃!
空中のリザードの肩に直撃し、片腕を脱臼させる!


『…効かねえなあ!!』
リザードはまだ無事な片方の腕を振るい攻撃を続行!
「チイッ!」
ロックスミスはバックステップで回費を試みるが、ボディの追加装甲にダメージ!
μTの対侵食攻撃プログラムにより被弾部位が即座にパージされる!


「くっ…バテラの旦那!一体どうすりゃあ!?」
「…お前達はアオヤギと共に上層へ行け、助かるにはそれしかない」
「じゃあ旦那は!?」
「俺は一人でゲートの向こうへ行く」
「なんで!?」


「バテラァ!どういう事だ!?」
横から聞いていたアオヤギもロックスミスの磁力でリザードを吹き飛ばしながらバテラに問い掛ける!
「キャリアーがまだ俺たちを支配しようとしていると言う事は、上層の政府軍が機能しリドの封鎖が続いているという事だ…上層に行けばお前たちは助かる」


「お前は!?」
「俺は無理だ、今上層に出てもキャリアーとして処分される」
「!……」
「…俺は向こう側でこの事件の止め方を探る。アオヤギ、お前もやる事があるだろう」
そう言い、バテラはポータルへ向かって走り始める。
「チッ…わかったよ」


『なっ…あいつゲートに向かったぞ!どうする?』『分離するか!?』『いや、俺達は分離に3分かかる…スコルピオの野郎に追わせろ!』
気を取られフリーズするリザード!その隙にロックスミスとファランクスも上層へと向かい前進!


『待てェ〜〜』
慌ててリザードが追い始めるが、アオヤギ達は既にエレベーターに搭乗済み!眼前で鉄の扉が閉ざされ、取り残されるリザード!
「……行ったか」
バテラはそれを確認し、単身ポータルへと突入する!


ーーーーー


…上層。
最後のエレベーターのドアが開き、”二体のアームヘッド”が降り立った。
「兄貴、俺たちついに…」「ああ、天井破り完遂(パーフェクト・クライムアップ)だ…」


だが、彼等の表情は暗かった…天井破りが終わってもリド症候群は消えない事、バテラ・サアバスの事…様々な事が渦巻いていた。
『そんなにあいつに会いたいか?だったらすぐ会わせてやるぜキャリアーとしてなガハハ』


リザード・バイラスの声!エレベーターを自力でよじ登って追ってきたのだ!
「テメー…」「ブッ潰してやる!」
2機のアームヘッドは振り向き、再び戦闘態勢を取る!
『グフフ…我々は殴っても潰しても死なないが?』


「そうか、では…」
そこへ突如、聞き覚えの無い何者かの声!
『あ?』「何だ…?」「え…」
ロックスミスとファランクスの間を、赤と銀の風が通り抜けた。
「切り刻み解体してみるとしよう」


『ゲッギャアアアアアーーー!!!』
悲鳴!ふと気がつくとリザードは乱入してきた赤と銀の謎の機体に連続で切り裂かれ、すでに手足を失っていた!!
『だっだが俺たちの再生能力はコア3つ分…』「そうか、本体が3つか」


切断面から生えてくるリザードの手足!だがそれよりも早く謎の機体はブレードを突き立て、リザードの背中のカプセルのような装置を3つ連続で破壊する!
『ギョッオボッグエッ…』「終わったな」
リザードだった物体は動かなくなった。


「凄ェ、キャリアーを殺りやがった…」
「あんた…政府軍か?責任者に繋いでくれ、保護してほしい奴がここに…」
アオヤギは回線を開き、赤と銀の機体のパイロットに話しかける。だが…
『その必要はない』「何?」


『私がリド政府軍最高責任者代理だ。詳しい話は剣を交えながら聞かせてもらおう』
赤と銀の機体《μT-RONIN(ミュート・ローニン)》はゆっくりと振り向き、ブレードを再展開した。
『キャリアーの疑いのある者を通す訳にはいかんのでな…』


次回、第14話「リド最後の砦」に続く。


μT-RONIN:ANX-A-0602
リド政府軍に所属する特殊機体群μTの万能剣戟戦闘特化型機体。
複数のブレードを装備し攻撃に特化した右半身と、赤い強化合金シェルを纏う防御特化の左半身が特徴。死角や隙の無い全方位への攻撃が可能。


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最終更新:2020年06月28日 16:30