バトルライン
(原題:Battle Line)
発売年 |
2000年 |
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プレイ人数 |
2人 |
プレイ時間 |
20~30分 |
対象年齢 |
10歳以上 |
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デザイナー |
クニツィア, ライナー |
ゲーム概要
古代ローマ時代の戦争を表した、2人対戦カードゲーム。
9つの戦場で戦線が構成され、プレイヤーはそれぞれに兵隊を派遣し、戦わせて奪い合う。
戦線に風穴を開けるか、大局を制する事ができたプレイヤーの勝利。
ルール(概略)
コンポーネントの特徴
- 1~10まで数字の振られたカードが各6色、計60枚の「兵隊カード」が基本。
- この他に、特殊効果を持つ「戦術カード」が10枚。
- あとは、戦場を意味する9つの人型コマ。
セットアップ
- カードを種類ごとにシャッフルして裏側に積み、山をつくる
- 9つのコマを、等間隔横一列に並べる
- 各プレイヤーは、兵隊カードを7枚手札として持つ
プレイ上のポイント
- コマの位置が各戦場になる。ここにカードを並べて強さを競い、勝った側がコマを獲得する。
- 「手札からいずれかの戦場にカードを1枚出し、減った分を1枚補充」で1手番。これをスタートプレイヤーから順に行い、繰り返す。
- 1つの場所に置けるカードは、基本的には3枚まで。
- カードの補充は、兵隊カードと戦術カードの好きな方を選べる。内訳の制限は特になし。
- 強力かつイレギュラーな効果が揃い踏みしている戦術カードについて。
- カードに記載されているルールに従って使う。ただし、
相手より2枚以上多く使う事はできない
。
- 相手が戦術カードを使用していない状態では、1枚だけ使える。その後は、相手も1枚使うまでは絶対に出せない。
- 互いに3枚のカードが出揃った戦場は戦闘が発生。それぞれのカードの強さに応じ、コマの所有権が決まる。
カードには「役」もあり、強さの格付けは以下の通り。同じ役の場合は数字の大きい方が強い。- 1:同色連番「ウェッジ」(赤1・赤2・赤3など。いわゆるストレートフラッシュ)
- 2:同番「ファランクス」(赤1・青1・緑1など。いわゆるスリーカード)
- 3:同色「バタリオン」(赤1・赤5・赤6など。いわゆるフラッシュ)
- 4:連番「スカーミッシャー」(赤1・黄2・赤3など。いわゆるストレート)
- 5:役なし「ホスト」(いわゆるブタ。数値のみで勝負)
- 相手のカードが3枚に満たなくても、
勝利を宣言
する事はできる。
- 勝利宣言は、カードを置いた後、現時点で9つの戦場に置かれたカードから自分の勝利が自明である事を証明できる場合のみ実行可能。
- 宣言の後、返しの相手側ターンに戦術カードなりで状況がひっくり返れば宣言は無効化される。そうできなかった場合は宣言側にターンが移った時点で勝敗が確定し、コマを獲得できる。
終了条件・得点計算
- 戦闘を繰り返し、以下の条件の内いずれか1つを達成したプレイヤーが出たらその時点で勝利。
- 連続して並んだ3つのコマを獲得する
- 全部で5つのコマを獲得する
コメント
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プレイ感と感想について |
- ゲーム性
- 手札は引き運9割、戦術カードは「磐石に近い戦線が負けに転じる」レベルで強力。相手に先んじる事で首尾よくコマを取れればそりゃ万々歳だが、役を作るのも戦術カードを出すのも先手側が悩ましい胃痛系ゲームだった。作者を見れば納得。
手札管理が思うようにいかないはがゆさから、弱カードの捌き方、要するに見せ札によるハッタリはそこそこ重要。将来の引きに期待してより有利な待ちの形を作っていく感覚は、どこか麻雀にも似ているか。
- テーマ
- 「古代ローマ時代」の雰囲気はカードの絵柄くらいにしか表現されていないが、9箇所の勝負を同時進行させ全体を見て勝者を決めるルールはかなり戦争(戦線)っぽさが出ている。親しみやすいとはいいがたい硬派なデザインもまたそれらしい。
- コンポーネント
- 戦線コマは何故かヒト型をしている。別にフレイバー的な意味は無い、当時の汎用コマだろう。
カードの方は、正直『ヘクターとアキレス(Hector and Achilles)』並に質素とも思えるのだが、ゲーム内容のシンプルさからか、さほど気にならない。
欠点
- 少々割高?
- 2013年12月の時点でAmazon価格2100円。特にコンポーネントが凝っているでもなく、ゲーム1種類(カード70枚とコマ9個)のお値段としては、やや高めかも。
- イライラ系と言い換えられる面もあり。
- 良手を打てなければ最善手を探るべきではある。それは、どうしようもなくなってやむを得ず悪手を打つ局面に陥るタイプのゲームとも言える。受身のプレイスタイルを強いられると少しもどかしい。
お勧めタイプ
その場その場の運要素は強いが、駆け引きの奥深さは間違いなし。特に忍耐力のある人には、手軽に遊べる割に悩みどころも多い本作を良質な2人対戦カードゲームとしてお勧めできる。
一部ゲーム展開に乱暴な部分がある点は、カードゲームにはありがちとして受け入れる方向で。
【お勧め度:★★★★★★★☆--】
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その他
- 本作とよく似たゲームに、同じ作者の『ショッテントッテン』(1999年)という作品がある。戦術カードの要素を抜いたような感じで、ネットレビューによると「直感的な数並べに重心が寄ったような、さっぱりと小気味良いプレイ感」だとか。
最終更新:2014年04月25日 09:53