第10章『顔面蒼白ロンリーポリープ』
「お前・・、顔色悪いぞ」
シャナペリは一人、右斜め上45度を見上げたまま独り言を呟いた。
付近を通り掛かる人々は青信号に向かって独り言を呟くシャナペリを思わず、例外なく二度見していた。
シャナペリ「ええいっ!しゃらくせえっ」
シャナペリは信号機に向かって片手を突き出して叫んだ。
シャナペリ「くらえええっ!ビッグバンアターック!!」
しかし、通行人をざわつかせた以外は特に何も起らなかった。
シャナペリ「ちくしょう、誰も乗ってこねえ…」
業を煮やしたシャナペリは脳内でポルシュペーンを妄想し、これまた独り言で一人二役を演じるのであった。
シャナペリ「ポルシュペーン、そんなの関係ねえだろ」
ポルシュペーン(シャナペリ)「いや、しかし・・・」
しかしながらポルシュペーンは微妙な反応を示した。
シャナペリ「なぁ、なんで乗り気じゃないんだ?後ろ見てたってしょうがないじゃないか、ここは何も考えずにいった方が・・」
ポルシュペーン「馬鹿野郎、何も考えずに突き進んできた結果がこれじゃないか」
シャナペリ「ぐっ・・。な、なぁ、ならここはあいつに助けを求めるってのはどうだ??」
ポルシュペーン「あいつ・・?愛津義男か!確かに愛津なら…」
シャナペリは三役目として愛津義男を登場させた。その時だった。シャナペリは自分の人格が段々と愛津に染五郎を掛け合わせたものだと感じ始めたとか、そうじゃないとか。後の考古学者の間でも議論にもならなかった。
シャナペリ「はぁ~やめだやめだ。ったく、何やってんだ、俺は」
こんな無益な日々をシャナペリ、いや、トルネーキョは繰り返していた。
ビュライの解き放った暗黒最強の呪文。その漆黒の闇がアナンとボノレケイノ里予木寸里予をただ憮然と飲み込んでいく映像を、トルネーキョは脳裏からまだ拭い去れずにいた。
シャナペリ=トルネーキョ「ち、ちきしょう!俺が悪いんじゃラメーソ佐々木のやつはもっと悪いに違いない!」
トルネーキョは30cm程に伸びた鼻毛を抜くか切るか迷いながらビールを耳からすすった。
トルネーキョ「ほっ、ほごっ…は、鼻の奥の方がっ」
トルネーキョは悶えた。
通行人「ど、どうかしました!?」
トルネーキョ「別に」
記者「今回の作品のみどころは?」
トルネーキョ「別所哲也が犯人の逮捕されるシーンで勢い余って警視庁捜査官を押し倒して殺しちゃうところ!」
一見愛想のない感じに見えたトルネーキョだったが、作品のみどころについてはやけに興奮気味だった。
通「ふ~ん、あっそ」
なんと通は自分から聞いておきながら、生意気な態度バリバリだった。
トルネーキョ「ゆ、行人、てめぇ。いくら俺らが昔から『トルちゃん』『ゆきひっちゃん』って呼び合ってた仲だからって、その態度は許せねぇ。そこに正座しろ、粉々に打ち砕いてくれちゃるけぇのぅ」
ドスの効いた声でまくしたてたトルネーキョは武器職人仲間を呼び出した!
何処からともなくビッグブリッジ大橋、ブリジストン石橋、ウッドビレッジ木村が現れた!
通「なんて冗長な名前流(めいぜんりゅう)奥義の継承者が三人も!?」
ビッグブリッジ大橋「砕け散れぇっ!!」
ビッグブリッジ大橋の放ったキャノンは暴発し、ビッグブリッジ大橋はそのまま帰らぬ人となった。
ウッドビレッジ木村「や、野郎、よくもビッグブリッジ大橋を!!ブリジストン石橋、敵討ちだ!」
しかしブリジストン石橋は商標権違反により4兆ティバクーもの損害賠償を求められておりそれどころじゃなかった。
ウッドビレッジ木村「ど、どうした…!?ブリジストン石橋…?」
ブリジストン石橋「そうだ…そうなんだ…、おれは間違っていたんだ!ストンブリジ石橋じゃないといけなかったんだよおっ!もう生きてる価値もねえっ!」
その時、日本列島が沈没した。2137年9月23日14:37のことであった・・・
ペポリーポポリュフ審判員の予言によってかろうじて海外へ避難していたアナンだったが、場所が極寒の地ということもあり、早くも顔面蒼白で死にかけそばをすすっていた。
アナン「やっぱこんな寒い時には死にかけそばに限るよなあ!戸帆(ベホ)マン」
戸帆マンは日経新聞…の裏に隠していた小悪魔agehaで翌日のパーリナイの服装を模索していた。
戸帆マン「今日の日経平均は1/2の確率で2で割り切れるに違いない!」
戸帆マンはアナリストばりに
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