アニメ部でどう役に立つのかさっぱり分からない用語など。
ただの管理人の備忘録。
多分その筋の人には常識なものばっかりだけど、本気でプロ目指すなら読んで損は無いかと。


白箱

「白ラベル」とも。
いわゆる「完パケ」に近いものだが、完パケは放送局へ渡されるのに対しこちらはスタッフ用に配られるもの。
完成版ではなく初号やラッシュの映像だったり、編集用のタイムコードが消されずに入っていたりするらしい。
スタジオにもよるだろうが、全スタッフに配られるわけではなく、主に初号試写やラッシュに参加できない場合や、途中参加のスタッフに世界観を理解してもらうために配られるらしい。

ラッシュ

「オールラッシュ」とも。
撮影まで完成し編集していない映像を、カットの順番を気にせず適当に並べて上映すること。
出来の確認と制作意欲向上のために行われる、作画仕上撮影スタッフのみで行う試写会のようなもの。

通常は制作期間の関係で、ラッシュ以降は最少限のリテイクしか出せないらしい。
「電脳コイル」では、監督のファンである井上俊之が「作画チーフ」として、ラッシュ後の作画修正を担当していた。制作期間がめちゃくちゃ長かったためにできた芸当。

外注

「外出し」という事もある。
仕上・動画などの簡単な作業を他所の会社に委託すること。
スケジュールが狂った時は韓国・中国の会社に原画を投げたりして、作画崩壊する事が時々ある。

発注する側の会社を「元請け」といい、受注する側の会社を「下請け」という。そこからさらに外注する時は「孫請け」「グロス」と言ったりもする。
下請け専門の小さな会社も存在する。

また、スケジュール調整や下請け専門会社からの受注等の事情で、演出~仕上までを丸々外注する「グロス出し(グロス請け)」というのもある。

「グロス」とは元々、1ダース×1ダースの事。
「百」「千」「万」のように、「大きい数字」とか「全部」とかいう意味で使われ、「演出以降を全部外注する」という意味になったと思われる。

ドット絵

昔のゲームグラフィックのように、1ドットずつ描いているCGのこと。
これらのプロ(あるいはプロ級の人)の事は「ドット絵師」「ドッター」「グラフィッカー」等と呼ばれていたが、近年の3DCG台頭により絶滅危惧種と化している。(DS等低性能携帯ゲームやレトロゲーの流行でまた増えたりもしているが・・・)

マルチ

マルチプレーンの略。以下の画像のような撮影台のこと。セルアニメ時代に使われていた。
この機械を使って、ピンボケを利用した「マルチボケ」「ピン送り」、セルを別々にスライドする密着スライド(密着マルチ)等をしていた。
デジタル時代になっても、これらの用語を使っている会社もある。

動仕

動画と仕上のこと。
動画から仕上までの外出し・下請けが多い事からできた言葉。
例:「某社に200枚動仕でお願いできませんかって連絡入れといて」

動仕を頼んだ会社に素材を送ることを「動仕送り」と言う。

BD

Blu-ray Discの略。ブルーレイディスク。ブルーレイ。
地上波デジタル放送導入に伴って開発された次世代DVD企画。
片面一層で25GB(DVDの5倍)という大容量を実現している。
まだ開発中だが、その気になれば一枚で200GB程度まで実現可能らしい。

名前の由来は青色レーザーを使用する事から。(今までのディスクメディアは赤色だった)
ただし商標の問題で、「Blue-ray」ではなく「Blu-ray」。

DVDやCD同様、映像や音声だけでなく、データディスクとしても用いられており、PS3もBDを使用している。

HDMI

High-Definition Multimedia Interfaceの略。
マルチメディア向けの端子、およびそれを利用した技術全般のこと。
端子の形はUSB
ハイビジョンテレビ・BDプレーヤ/レコーダ・PS3などに搭載されている。
映像・音声メディアを中心に普及していきそうだが、ライセンス料の高さやアナログ信号への対応の悪さなどにより、普及が遅れているらしい。

動画とアニメと映画の起源

別項作ってみた

アニメスタジオのデジタル・アナログ導入事情


作画机

日本のアニメ業界では現在、ほとんどの会社が「三起社」製の作画机を使っているらしい、と書きたかっただけ。
最終更新:2009年12月29日 02:04
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