第二回放送候補話(第二回放送案C)◆isnn/AUU0c
――――自分は今、何をやっているのか。
広川は壇上に上がる足を止める。しかし、それも数瞬のことで、すぐに動き出す。
何人も死んだ。
結構。寄生獣はどんどん死んでくれたまえ。
だが、それは自分が望んだ形だったか。作られた箱庭に雑多な虫を放り込み、殺し合わせ……。
これが調和か?
………いや、これは過程だ。大事な――目指すものは、この先にある。
だから今は演じよう。
ただ与えられるままに。
道化を。
茶番を演じ、持て囃す道化の仮面をかぶり、男は三度目の演技を始める。
一回目の幕は降り、次に開くは―――
第二の幕。
☆
諸君、殺し合いご苦労。従順に殺害に精を出すもの、それに反するもの、殺し合っている最中のもの、
小休止しているもの……皆ぜひ耳を傾けて
くれたまえ。
まず、今回の禁止エリアを発表する。聞き逃して自滅するなどという滑稽な姿は見せないでもらいたい。
A-1
C-5
H-6
以上だ。
次に今回の脱落者の発表をする。
以上の12名だ。
愛したものはいたかね? 憎んだものはいたかね?
どちらにしても残り46名、存分にこのバトル・ロワイアルを楽しんでくれたまえ。
それでは生きていれば第三回の放送でまた会おう――――。
☆
スイッチを切り、壇上を降りる広川には何の感慨もなかった。
――――あと一回……三回が限度か。
煩わしい道化の仮面を被るであろう回数を数えながら、男は暗幕の向こうへ消えていく。
【残り44名】
最終更新:2015年10月18日 19:35