第二回放送候補話(第二回放送案C)◆isnn/AUU0c


――――自分は今、何をやっているのか。


広川は壇上に上がる足を止める。しかし、それも数瞬のことで、すぐに動き出す。

何人も死んだ。

結構。寄生獣はどんどん死んでくれたまえ。

だが、それは自分が望んだ形だったか。作られた箱庭に雑多な虫を放り込み、殺し合わせ……。

これが調和か?

………いや、これは過程だ。大事な――目指すものは、この先にある。

だから今は演じよう。

ただ与えられるままに。

道化を。

茶番を演じ、持て囃す道化の仮面をかぶり、男は三度目の演技を始める。

一回目の幕は降り、次に開くは―――



第二の幕。






諸君、殺し合いご苦労。従順に殺害に精を出すもの、それに反するもの、殺し合っている最中のもの、小休止しているもの……皆ぜひ耳を傾けて

くれたまえ。


まず、今回の禁止エリアを発表する。聞き逃して自滅するなどという滑稽な姿は見せないでもらいたい。


A-1
C-5
H-6

以上だ。



次に今回の脱落者の発表をする。


以上の12名だ。


愛したものはいたかね? 憎んだものはいたかね?
どちらにしても残り46名、存分にこのバトル・ロワイアルを楽しんでくれたまえ。


それでは生きていれば第三回の放送でまた会おう――――。






スイッチを切り、壇上を降りる広川には何の感慨もなかった。

――――あと一回……三回が限度か。

煩わしい道化の仮面を被るであろう回数を数えながら、男は暗幕の向こうへ消えていく。




【残り44名】

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最終更新:2015年10月18日 19:35