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追って追われて美女と野獣

23話 追って追われて美女と野獣


暗い森の中から、乾いた銃声が何発も響く。

「ハァ、ハァ、ハァ、くそっ、やばいよ! 軽くやばいよ!」

青と白の毛皮に金色の瞳を持つワーウルフの青年、シーザーが、
必死な様子で森の中を走る。背後からは拳銃を構えた白いセーラー服調の
学校の制服に身を包んだ紺色の長髪の美少女が、シーザーの後を追っていた。

ダァン!

少女持つ拳銃――シグザウアーP226が火を噴く。
これで計8発の銃撃がシーザーに向けてなされた事になる。

「格好悪いけどここは逃げるしか無い!」

支給品を確認する余裕も無い。とにかく逃げるしか無かった。
ワーウルフ故足の速さには自信があったが対する少女も負けず劣らず足が速かった。

ダァン!

「だあああ!」

背後から銃声が鳴るたび、シーザーは悲鳴を上げた。



そして数分後、少女――黒崎奈桜は、追撃していた青白の人狼を見失ってしまった。
獲物を取り逃がした事に落胆するも、すぐに気持ちを切り替え、
次の参加者を捜し始める。

「これで良いんだよね…生きて帰るにはこれしか方法は無い」

主催者、香取亮太が言うには、この殺し合いから生きて帰るには、
最後の一人となって優勝するしか無いとの事。
ただ、口頭で述べただけであり、信憑性ははっきり言って低い。
だが今の所、確実性がある帰還の方法はそれだけだ。
もしかしたらこの殺し合いからの脱出を目指し動く者も出てくるかもしれないが――。

黒崎奈桜は確実な方法を取る事にした。
幸い、自分の支給品は当たりの部類に入る物だった。
今装備しているシグザウアーP226と、予備のマガジン3個に、
デイパックの中に入っているダイナマイト3本と着火用の百円ライター。
これで倒した相手の武器を奪いながら戦って行けば優勝する事は決して難しくは無いはず。

「行こう……」

空になったP226のマガジンを交換し、デイパックからコンパスを取り出し方角を確認しながら、
奈桜は暗闇の中に消えて行った。



「……ふぅ、行ったみたいだな」

奈桜が立ち去った後、茂みの中から青と白の人狼――シーザーが顔を出した。
すぐ近くに隠れていたが奈桜は気付かなかったようだ。

「まさかあんな可愛い女の子が襲ってくるなんて…いや、
女の子関係無いか……殺し合いに乗っている奴はいるんだな…」

殺し合いが始まった直後はまだ実感が湧かなかったが、
いざ襲われ命の危機に瀕しやっとシーザーは今自分が置かれている状況の
深刻さを感じ取っていた。

「何だってこんな…」

エンカウントモンスターとして、それなりに平穏な日々を送っていたはずだが、
一体なぜこのような殺し合いを強要されなければならないのか。
シーザーは、その精悍かつ獰猛そうな外見とは裏腹に、
無益な殺生は好まない温厚かつ誠実な性格であった。
たまに来る冒険者と戦う時も無意識の内に手加減をしてしまう程である。
故にこの殺し合いにも進んで乗る気は毛頭無い。

首にはめられた首輪を鋭い爪先でつつく。
無理矢理外そうとしたり逃げようとしたり24時間一人も死人が出なければ、
爆発し、死ぬという危険極まりない死の首枷。
脱出しようにもこれをどうにかして外さなければならないが、
機械知識など全く無いシーザーにはどうしようも無い代物である。
となれば外せそうな知識を持ち、しかも殺し合いに乗っていない参加者を
捜す必要があるが―――簡単な事では無いだろう。
何せこの殺し合いに自分の知り合いは一人としていない。皆見知らぬ人物なのだから。

「そうだ、支給品…」

一段落ついた所でやっとシーザーは自分の支給品を確認する事が出来た。
デイパックを開け、中身を漁る。

「これは…」

そして出てきた物は、7.92㎜マウザー弾を使用する自動小銃、ZH-29と、
予備の10連装マガジンが5個であった。
更にバックアップ用か何かなのか、自動拳銃ワルサーP88と、
予備のマガジン3個も入っている。
つまりかなりの当たり支給品を引いていたのである。

「襲われる前に確認出来てれば追い払う事も出来たかもな……まあ、
過ぎた事だしいいか……」

シーザーはZH-29自動小銃を装備し、茂みから出、コンパスで方角を確認する。
少女が立ち去った方角はどうやら北らしい。同じ方向には行きたく無かった。

「…西に行ってみよう」

シーザーは西へ歩いてみる事にした。




【一日目/深夜/F-6森】
【シーザー@オリキャラ】
[状態]肉体的疲労(中)、F-4方面へ移動中
[装備]ZH-29自動小銃(10/10)
[所持品]基本支給品一式、ZH-29マガジン(10×5)、ワルサーP88(15/15)、
 ワルサーP88マガジン(15×3)
[思考・行動]
 基本:殺し合いからの脱出。首輪を外せそうな人物を捜す。
 1:西(F-4方面)へ向かってみる。
 2:襲われたら戦うつもりだが、可能な限り殺したくは無い。
[備考]
 ※黒崎奈桜(名前は知らない)の容姿を記憶しました。

【黒崎奈桜@オリキャラ】
[状態]肉体的疲労(中)、E-6方面へ移動中
[装備]シグザウアーP226(15/15)
[所持品]基本支給品一式、シグザウアーP226マガジン(15×2)、
 ダイナマイト(3)、百円ライター
[思考・行動]
 基本:殺し合いに乗る。優勝を目指す。
 1:北(E-6方面)へ向かってみる。
[備考]
 ※シーザー(名前は知らない)の容姿を記憶しました。


※F-6一帯と周辺に銃声が響きました。



≪支給品紹介≫
【シグザウアーP226】
1983年にシグザウアー社が開発した自動拳銃。
耐久性が非常に高く長時間水や泥の中に浸けた後でも確実に作動する程。
難点は価格が高めだと言う事か。

【ダイナマイト】
発破などに使われる産業用ダイナマイト。
使うには導火線に着火するための物が必要。

【ZH-29自動小銃】
1920年代後半にチェコスロバキアで開発された自動小銃。
優秀な自動小銃ではあったが価格などの問題から国内では制式にはならず、
中華民国(現在の台湾)に輸出され使用された。

【ワルサーP88】
1988年にドイツのワルサー社が開発した自動拳銃。
性能は良かったが余りにも高価だったため商業的には成功しなかった。


≪オリキャラ紹介≫
【名前】シーザー
【年齢】18
【性別】男
【職業】とある森在住のワーウルフ(エンカウントモンスター)
【性格】温厚、誠実
【身体的特徴】青と白の毛皮の人狼、金色の瞳、引き締まった身体
【服装】全裸(服を着る習慣が無い)
【趣味】毛繕い、読書
【特技】人間より高い身体能力、我流の格闘技(結構強い)
【経歴】これといって特筆事項無し
【備考】精悍な顔付きに反して穏やかな性格。外見は
 サ○ライスピ○ツシリーズのシク○ゥを二足歩行にしたような感じ

【名前】黒崎奈桜(くろさき・なお)
【年齢】17
【性別】女
【職業】高校生、陸上部所属
【性格】解放的
【身体的特徴】紺色の長髪、スレンダーな体型
【服装】白いセーラー服調の学校制服
【趣味】音楽鑑賞(ヴィジュアル系)
【特技】獣人にも匹敵する足の速さ
【経歴】中学の頃から陸上部で走っている
【備考】2メートルある石の壁を勢いで飛び超えられる




じっくりコトコト煮込んだ脳汁 時系列順 Uninhabited police station
じっくりコトコト煮込んだ脳汁 投下順 Uninhabited police station

ゲーム開始 シーザー ロンリーウルフ
ゲーム開始 黒崎奈桜 繰り返される銃声と流血

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最終更新:2010年10月04日 21:49
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