俺は生き延びた。あの地獄の殺し合いから。
だけど……多くの大切な仲間、親友を失ってしまった。
リリア…
ゴメス…そしてアレックス。
アレックスの姉貴と妹はとても悲しんでいた。
特に妹のリナックスの悲しみようはとても直視出来ない程だった。
俺から話を聞いた後は一人じゃ立ち上がれない程ショックを受けて……。
色々な人に報告に回った。エンリュウ、ファルコン、ヘレン、キャロル、王様……。
勇者アレックスが死んだ――その事はポテチ王国や魔王軍、
更にはアンデッドナイ軍、俺の弟のアンパン軍、玉露軍にも大きな衝撃を与えたようだ。
ダーエロの方も、俺と同じように魔王軍の連中に、ムシャやドラゴナスが死んだ事を、
話して回っているようだ。
ドラゴナス――あいつ、家族がいるんだよな。
ムシャにも弟子がいるし。みんな、悲しむだろうな……。
……何で俺なんだろうな。
ウザイアンと呼ばれ、いつもネタキャラとして扱われている俺が。
勇者であるアレックスの方が生き残るのに相応しかったんじゃないんだろうか。
……いや、やめよう。そんな風に考えるのは。
そんな事言ったら、アレックスや、死んでいった奴らに失礼だ。
「よぉ、ダーエロ」
「ブライアンか」
庭園や噴水が設置され、さながら自然公園の様相を呈した魔王城ロビーを通り、
相変わらずヘレングッズが大量に置いてあるダーエロの部屋で、
俺はダーエロと、あの殺し合いから生還して以来久し振りに会った。
「…どうよ、あれから」
「…リナックスの奴、だいぶ悲しんでるな…他の奴らも」
「そうか…こっちも似たようなもんだ。ハーたんやハーナス達、見てるの辛くてさ…。
弟子五郎もやっぱり落ち込んでいる。ニンニンや五世の奴も同様だ」
「……ドラゴナスが殺し合いに乗っていたって事は」
「話せる訳無いだろ…! 無理だよ」
「…だよな」
ダーエロもダーエロでやっぱり大変だったみたいだな……。
残りの四天王や弟子五郎なら多分立ち直れると思うけど、
ハーたんやハーナス達はどうなるんだろう。
それはリナックス達にも同じ事が言える。
けど、俺らじゃどうする事も出来ない。
「おーっと、お帰りかい」
「ああ」
門番のメカゴーレムに会釈し、俺は魔王城を後にした。
少し肌寒い風が、草原に吹いていた。
アレックス……俺は武器を振り回すだけの戦士だ。
お前の代わりに勇者になんてなれないけどさ。
精一杯生きてみるよ。
いつかは俺もそっちに行くだろうから、その時はまた、お前の仲間にして貰うぜ。
【俺得ロワ3rd ブライアン、ダーエロ――――THE END】
最終更新:2010年10月24日 20:28