決着を、付けたい相手がいる。
本郷武尊には、拭いきれぬ屈辱の過去があった。
地に伏せられたあの過去。
敗北と言う屈辱。
それを与えたのは、他でもない終生のライバル、竹科辰美。
その彼が今、この
殺し合いの場の中のどこかにいる。
その事実に、本郷は昂ぶりを覚えずにはいられなかった。
「…辰美……!」
デイパックから出てきた忍刀を握り、本郷は辰美を探し歩き出した。
どのくらい歩いただろうか。
本郷の目の前に一人の女が立っていた。
目を引くのはその異常なまでに白い肌だった。
色素が抜け落ちてしまったかと思うほどに白い肌は、見るものの背筋を凍らせる。
百戦錬磨の本郷も、初めて見た時はぞっとしてしまった。
「ねぇ、貴方……」
その声は、まるで冷たい地の底から誘うかのように静かに耳に届く。
「御堂島優って女の子……見なかったかしら?」
「いや、見ちゃいねえな……それよりあんた、竹科辰美って野郎に出会っていねえか?」
「答える必要はないわ。」
そう言うと目の前の女は懐から扇子を取り出した。
本郷はその様を少し不審に思ったが、その時はもうすでに遅かった。
身体がしびれていく。
喉の奥が焼けるように熱い。
瞼が鉛のように重くなり、本郷の意識は途絶えた。
「……優…」
倒れ伏した本郷から支給品を奪うと、女――藤香は歩き出す。
彼女の目的はただ一つ。
御堂島優に、このうえもない絶望を与えて殺す事。
そう言う意味ではこの殺し合いの場は、藤香にとって最高の場にもなり得、また最悪の場ともなり得る。
どのような参加者がいるかわからないが、優は恐らく参加者の中でも最弱の部類に入ると思う。
それならば何を差し置いてでも優の元へ向かうのが最善の策だ。
そして優のもとについたら……
最終的に、この手で殺す。
【B-6草原/1日目朝】
【藤香@クロックタワーゴーストヘッド】
[状態]:健康
[装備]:忍者刀@忍たま乱太郎、霞扇の術用扇子@忍たま乱太郎(しびれ薬は切れました)
[道具]:基本支給品一式(アイテム確認済み)、本郷の基本支給品一式(アイテム未確認)
[思考]1:優のもとに行き、このうえもない絶望を与えたうえで殺す
2:そのほかは割とどうでも良い
あー、どうしてこうなったんだ?
まだ決着をつけてねえのに。
ここで俺は死ぬのか?
それだけは、ダメだ。
まだ俺は、辰美との決着をつけていない。
それまで、生きなくては…でも身体が動かない。
不意に耳に入る、誰かの足音。
どうやら俺も運の尽きのようだ。
せめて、最期に辰美と戦いたかった――
「おい、あんた、大丈夫か?!しっかりしろ!」
…どうやら俺はまだ、死なないようだ。
薄れる意識の中で、本郷はそう思った。
【B-6草原/1日目朝】
【本郷武尊@ブシドーブレード弐】
[状態]:気絶中、霞扇の毒でしびれている
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]1:気絶中
2:辰美と決着をつけたい
【日下兵真@カオスウォーズ】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式(アイテム確認済み)
[思考]1:目の前の男(本郷)を助ける
2:殺し合いには乗らない
最終更新:2011年08月15日 00:06