魂揺(たまゆら)

辺りに漂う、血の濃厚な臭い。
普通なら、厭な臭いだと認識するだろう。
今は違った。芳しく、官能的とさえ感じる。
こう感じるのも、自分が人ならざる物になったからだろうか?

「…どうでもいいか。とりあえず、道具探そ」
「待て!お主、ここで何をしておる?」

前方から、謎の老人が歩いてくる。
腰には日本刀を携えている。
何となく強そうだが、見ただけではイマイチ分からない。

「何だよ、何か俺に用か」
「何だではない。その返り血、お主まさか人を殺めたのか?」
「そりゃそうだ。そう言うゲームなんだから」
「…そうか。なら、ここで斬らせて貰う」
「何だ、アンタも乗ってるんじゃないか。なら話が早い」

返答を待たず、真っすぐに老人目掛け襲い掛かる。
それをバックステップでかわすと共に、一文字に日本刀を振り抜く。
どちらの攻撃も、お互いにダメージを与える事無く空振りに終わる。

「結構なやり手のようじゃな…こりゃ、本気で行かねばなるまい」
「どー見ても、俺の攻撃をかわしてちょっとだけ反撃するので精一杯みたいだが」

図星だった。
簡単な動作をするだけでも、体力の消費が多い。
やはり、これも高齢であるが故の宿命か。

「…ところで、背後は警戒しなくていいのかのう?」

そう言われ、急に後ろを振り向いた瞬間、頭部に衝撃が走る。
フラフラとよろめいて、その場に膝をつく。
頭から、少し出血してしまったようだ。額を、血が伝う。

「…多勢に無勢じゃ、諦めて降参すると言うなら、命までは取らぬ」
「そうだ。おめーが誰か知らねーが、誰だって痛い目になんか遭いたくねえだろ」
「…いいや、痛い目になんか遭わないね。だって…」

背後にいる若い男の方に襲い掛かる。
さっきの戦闘で、あの老人には敵わないと分かったからだ。
さっきは不意打ちされたせいで攻撃が直撃してしまったが、今度はそうはいかない。
まさかこの状況で飛びかかってくると思っていなかったのだろう。
呆気に取られている男の喉元目掛け、爪を振りかざす。

「…っ!」

またしても、爪は易々と喉を貫いた。

「うぐえ…っ」

首から血を流しつつ、ゆっくりと仰向けに倒れて行く。
受け身も取らず倒れ、そのまま動かなくなった。

「…兄貴ぃ―――――っ!」
「来てはならん!」

受付内部から飛び出してくる男。
発言からして、さっき殺した男の弟か。

「…せっかくお仲間が来るな、って言ったのにさ。軽率すぎねーか」

こちらに目もくれず遺体に駆け寄っていく。
これほどの隙を見逃す手があろうか?

「ま、どの道すぐに兄貴の所に行けるんだから、別にいいか」

先程と同様に、喉を爪でつく。
また同じように、喉から血を吹き出しながら倒れ、兄弟が重なりあって倒れる。

「流石に3連戦はキツいな、ここは引かせてもらうぜ」
「…くっ…」







奴が逃げて行った方向を、ただ眺める。
一気に2人も仲間を失い、呆然とする。

「…追わねば。追って、奴を斬るんじゃ」
(無残にも殺された2人の仇をとるためにも、奴は絶対斬らねばならん)

【一日目・朝/C-4】
【藤波栄太郎@オリジナル】
[状態]:健康、精神的ショック(中)
[装備]:日本刀
[所持品]:支給品一式
[思考・行動]
基本:殺し合いなぞやるつもりは無いが、襲って来るものは斬る。
1:さっきの狼を追って、斬り殺す。
2:「矢部翼」に注意。



「多分、あいつは俺を追いかけてくるな。そして、今気づいたが…」
(これじゃ来た道を逆戻りする事になるな)

【一日目/朝/C-5】
【◆ymCx/I3enU@非リレー書き手】
[状態]:健康、人狼化
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式、MP5マガジン×1
[思考・行動]
基本:とりあえず、ゲームに乗る。
1:多分追ってくるであろうあいつに警戒。
2:目的地が無くなったな…

【五十嵐弘@オリジナル 死亡】
【五十嵐健児@オリジナル 死亡】
死因:刺殺

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最終更新:2011年07月02日 23:35
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