37話 終末【おわりのかそく】
D-3の住宅街に七原秋也たち4人は来ていた。
放送が終わって約1時間経って、禁止エリアが発動されたころにこの場に着いたのだ。
もうこの時点で何人死んでいるか分からない。
「……こんな住宅街なのに誰もいないって不気味だな」
「さぁな…どぉせあの男が何かしたんだろい」
「分からない…でも、ここまで生活感があるのに人がいなくなるなんておかしいよな…」
あの時は住んでいた人たちが移動したと言っていたような気がする。
しかし、あの男が何をしたかは分からないが…きっとこんなことをできるからには巨大な権力でも持っているのだろうか。
大東亜共和国…あのクソッたれな国を超える力なのか…。
こんな施設が揃った島が存在している訳が無い。
だったら作ったとでも言うのだろうか。
そんなことはあり得ない、こんな巨大な資金が必要な事出来るはずが無い。
「……しかし誰もいないな、七原君はどう思う?」
「まだ分からない、全然分からない」
「あ、ごめん…そこまで悩む事は………」
◆YR7i2glCpAは急にピリピリし始めた七原に謝り、黙りこむ。
何があるのかまったくと言っていいほど分からないこの状況…。
そして主催の男の謎などが膨らむ。
七原秋也の頭はパンク寸前と言って良かった。
元々考え事はあまり得意ではなかった。
考えるより行動するのが自分のタイプに合っているのだ。
だから考えていると頭が痛くなるのだが、仕方が無い。
「うっ……なんだこれ」
「死体…が転がっているな」
「まさか死体を見る時が来るなんて…」
七原は死体を見た。
銃による傷は一切見られないのが分かった。
しかし、これだけの人数を殺すとなるとよほどの奴しかあり得ない。
例えば?
(駄目だ!考えるな…!あいつはこんなことをもうしない…
きっとどこかで俺たちみたいに……)
きっと、きっとそうだ…そうに違いない。
そう七原は自分の心に言い聞かせる。
信頼しなくてどうするんだ。
きっと桐山なら…分かってくれるはずなんだ。
「……山崎か」
「どうしたんですか?」
「いや、知り合いがいてな…チッ」
沖田が舌打ちをする。
いつもは酷い目にあわせても仲間は仲間である。
しかも、こんなふざけた
殺し合いなんかで命を落としてしまった。
それだけでも、怒って当然のことなのだ。
「……しかし、この切り傷…綺麗すぎる、なんなんだこれ」
「まさか、な」
「心当たりがあるんですか?沖田さん」
「いや、気のせいだな…忘れた方がいいでさぁ」
沖田は焦ったような表情をいつもの表情に戻す。
最悪の考えでも思いついたような顔であった。
「しかし、こんなに人が死ぬなんて…クソッ」
七原は再び毒吐く。
もしかしたら川田も死んでしまっているかもしれない。
そんな考えが出てきては消える。
「…………行こう、皆」
「行くっつったって…どこにいきゃいいんだ…」
「分からないけど……」
「焦り過ぎですよ…まずはなにするか考えないと…」
「……そうだよな、なにを焦ってるんだかな、はは…」
その会話が終わった瞬間、みんな黙り込んでしまった。
雰囲気が重く、誰もしゃべらない。
「……………誰もいないね、本当に」
「そうだな」
「……」
何か会話を出してもすぐに消えてしまう。
そんな雰囲気が続いた。
七原も何かを喋ろうとするが、会話が思いつかない。
「あれ、人がいる?」
「ッ!土方さんじゃないですかぃ…」
「沖田さんの知り合いなんですか?」
「あ、七原君…あいつは女を追いかけまわす変態だから。
殺しておいた方がいいと思うがどう思うかぃ?」
「沖田さん、どれだけ酷いんですかその人」
注:沖田の情報には嘘が含まれています。
「おーい、土方このやろー」
「……」
「テメー無視ですかー、この野ろ…」
「沖田さん!」
土方が振り返って沖田に対し包丁で斬りつけようとする。
しかし、それは簡単に避けられて沖田は打刀を構える。
「土方さん…どういう事ですかぃ?」
「………」
「残念ですがあなたの声は届きませんよ」
そこで、直井文人が家の陰から出てきた。
沖田は警戒を強め、七原もレミントンM870を構える。
直井は特に焦った様子もなく淡々と話し続ける。
「悪いですが…この人はすでに僕の支配下にあります…。
貴方達が何を叫んでも、この人には聞こえません。
残念ですが、貴方達に残された道はこの人に殺されるかこの人を殺すかのどちらかしかないんです。
それでもあなたたちは武器を構えるんですか?」
「土方さんも甘ぇな…こんな奴に隙を取られるなんてな…」
「さあ、行け…僕の忠実な人形」
「悪いが…俺はお前を殺す気でかかるぜ、土方」
沖田の眼の色が変わる。
打刀を中段の構えにして、土方が来るのを待つ。
武器のリーチは沖田の方が圧倒的有利だ。
それでも実力は土方の方が上である。
だから沖田は油断しないで立ち向かう。
土方が包丁を振り上げて襲いかかってくる前に刀を振って対応する。
土方はすぐに後ろに下がり体制を整える。
しかし、沖田はそこから容赦なく襲いかかる。
顔面に刀を振り下ろす、それに土方は包丁の峰の部分で受け止める。
そして払いのけて土方が腹に向かって刺そうとする。
沖田は、拳を固めて殴る。
転がっていくがすぐに起きあがってくる。
「チッ…しぶといねぇ」
「…………」
「お、沖田さん!知り合いなんでしょう!?そこまでやらなくても…」
「………9Q、お前は甘すぎんだよ」
「ッ!」
「油断して俺が殺されたら元も子もないだろぃ。
それとも、土方さんに勝てるとでも思うか?」
「……それは」
「だったら黙ってろ、分かったな」
沖田が再び土方の方を向く。
再びこちらに走ってきたのが見えた。
沖田は向こうのリーチが届く前に斬りつける。
それが避けられて再び同じような事を繰り返す。
「ハァ……ハァ………」
「………」
沖田の方から明らかな疲れの色が見えてきた。
しかし土方の方は疲れの色を見せていない。
沖田は戸惑っていた、あんな事は言いつつも殺したくないのが本音だ。
だから軽く手を抜いていたのは事実だ。
本気を出せばリーチの差を生かし殺せていただろう。
「………すまなぇ、土方さん…もう手がねぇや………」
「……………」
「だから、もう殺すことに決めましたぜ」
「………」
「死ね、土方あああああああああああああああ!!!」
パァァァァァァン
甲高い音、それがこのあたりに響いた。
沖田は何事かと意識がその方に向いてしまった。
それが、一番の命取りとなてしまった。
土方がその一瞬で沖田の腹部に包丁を刺した。
「ガッ……ホ、ひじ、かたあああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああ」
沖田が最後の力を振り絞り、土方の首に刀を刺した。
ふらふらとした足取りで◆9QScXZTVAcの所に向かった。
◆9QScXZTVAcが沖田を支える。
しかし、血の量が半端ではないほどに出ている。
「は、ざまぁねぇな…本当に」
「沖田さん、なんで………」
「本当に集中してたら、あんな音…関係無かった」
「…………」
「もう俺は、協力できない…が、あとはどうにでもなる…たの、む」
「沖田、さん…ごめんなさい」
◆9QScXZTVAcの眼から涙が出てきていた。
それは、悔しさと悲しさが混じったものであった。
そこで、再び直井が出てきた。
「いやいや、いい話ですね…」
「……」
「こいつも、こんな感じで死んでしまって…本当に使えない」
「………」
「所詮駒なんだから関係ないですけどね…」
「…………」
「その男も馬鹿ですね…しっかりと殺す気になっていれば死ななかった物を」
「……………」
「まさに、その男はバカですね」
「ふざけるなアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
◆9QScXZTVAcが叫んで直井に向かって走る。
七原が急いで止めに行くが、差が離れていて止められない。
◆9QScXZTVAcは拳を握りしめて、直井を殴った。
「ふざけるな!本派と言えばお前のせいなんだろう!?」
「……そうですが?」
「テメェが……隠れて偉そうにしてたお前に沖田さんを笑う資格はない!」
「はっ、おもしろいですね……」
「なんだと……!」
「馬鹿にバカと言って何が悪い、きっとお前だってそういう事をしてきたはずだ。
否定はさせない、いや…出来るはずが無いんだ。お前だってやってるからな。
笑う資格が無い?その言葉が一番笑える事に気付かないのか?」
「ああ、そうさ!死ぬほど恥ずかしいようなセリフだろうな!」
◆9QScXZTVAcが再び直井を殴る。
七原はそこで◆9QScXZTVAcを止めた。
まだ殴る気だったのか、暴れていたが結局落ち着いた。
「……悪かった、七原さん」
「いや、気にしないでいいよ…来るのが遅れたのは俺なんだし」
そこで、直井が立ち上がる。
「……おい」
「なんだ?お前はまずここから離れた方がいいぜ、9Qさんがいつ殴りに行くか分からない」
「ふん、そんな事は気にしない…」
「いや…離れた方がいいぜ」
その七原の予言は的中した。
決して予言ではなかったのだ。
それはただの脅し…だったはずなのである。
その問題は、その言葉が発生された瞬間に始まった。
パラララララッ
◆ ◇
俺、七原秋也がその音の正体が分かるのに時間はかからなかった。
腹にある痛み、そして熱さ……。
そう、この音は……銃弾が撃たれた音だ。
「な……なんで…?」
◆9QScXZTVAcが俺の横で倒れていた。
心臓に3発命中しており、もうすでに息もしていない。
そして、先ほどまで話していた直井も倒れている。
無事なのは、自分と離れていた◆YR7i2glCpAの二人だけだ。
「な、何が起きたんだよ……?」
「教えてあげようか?撃たれたんだよ、君は」
立っていた男は顔をニヤつかせながら来た。
その男に、七原は見覚えがあった。
「お前……あの時の奴か!」
「そう、正解だよ…しかし、残念だよ」
「何が残念だ…?」
「君も殺せると思ったんだけど、しぶといね」
「テメェ、9Qさんを殺してそれか!?」
「……僕には僕の目的がある、邪魔をするなら殺すぞ」
「なら、こっちから先に!」
レミントンM870を構えて、撃とうとする。
しかし、天野雪輝はそれを知っていたかのように冷静な顔をしていた。
そう、彼の未来日記はそれを予知していたのだ。
不意打ちだろうと、それが予測できているなら楽だ。
それに相手は日記所有者ではない。
つまるところ、DEADENDなんて簡単にひっくりかえせるのだ。
「残念だったね、君のこの状況は詰みなんだよ」
「なんだと…?ふざけるなあああああああああああああああああああ!!!」
七原が引き金を引いた。
……しかし、弾丸は天野雪輝を貫かなかった。
轟音、それがそのあたりに響いた。
そして、血濡れになった七原秋也…。
彼には何が起きたかさっぱり分からなかった。
体に感じる痛みで、もう助からないのが分かった。
◆YR7i2glCpAがこっちに来ていた。
なんで悲しんでるんだよ…お前は生きてるだろうが。
……ああ、悲しんでくれてるのか。
典子さん…ごめんな、一緒に生きていくって言ったのに。
川田、ごめんな…お前が生き残ったら、典子さんの事頼むよ。
桐山、お前ならきっとこの殺し合いも止めれるはずだ。
三村や杉村が見えてきた。
ああ、お前ら…俺も今、そっちに……
◆ ◇
「七原君!お願いだ!返事してくれ!」
「さぁ、次は君だけど…覚悟できた?」
「くそ…武器、なにもなかったんだ…クソ……!」
デイバックにはハズレしか入っていなかった。
そして、七原君が持っていたショットガンも壊れてしまった。
自分に残されている手は、無いに等しかった。
「じゃあ、ね……」
「ち、くしょう………」
そして、◆YR7i2glCpAの意識は真っ暗な闇へと引きずり込まれた。
「……ぁ、」
「………ぉ」
何か声が聞こえてきたが、自分の耳には入っていなかった。
そして、薄く残っていた意識も闇の中へ……。
◆ ◇
パァン
そう音が響いたのは、天野雪輝が銃を撃とうとした時だった。
その銃弾は見事に彼の頭にあたり、事切れていた。
「……まったく、危ない奴だな…こいつ…首輪、念のために貰っておくか」
そこにいたのは、◆ymCx/I3enUだった。
坂田銀時と交換した銃を右手に持っていた。
「YR氏、大丈夫か……?」
「………」
「気絶しちゃってるな……」
「………」
「よし、運ぶか…って言うかこの惨状は何なんだよ」
「………」
「YR氏が目を覚ましたら聞くかな…あ、って言うかこの姿じゃ誰か分からないかもしれないな…」
そんな事を言いながら、民家の中へと◆YR7i2glCpAを運んで行った。
【沖田総悟@銀魂 死亡】
【土方十四郎@銀魂 死亡】
【直井文人@AngelBeats! 死亡】
【◆9QScXZTVAc@非リレー書き手 死亡】
【七原秋也@バトルロワイアル 死亡】
【天野雪輝@未来日記 死亡】
【真昼/D-3住宅街民家】
【◆ymCx/I3enU】
[状態]健康
[装備]ワルサーPPK/S(6/7)
[所持品]基本支給品、ワルサーPPK/Sのマガジン(3) 、天野雪輝の首輪
[思考・行動]
基本:特にどうしたいわけでもない。
0:◆YR7i2glCpAが起きるまで待つ。
1:とりあえず、首輪をはずしたい。
2:他の書き手さん、どうなってるかな。
[備考]
※願いは不明です。
※青と白の毛の人狼の姿になっています。
【◆YR7i2glCpA】
[状態]右足に銃創(応急処置中)、気絶中、精神的疲労(極大)
[装備]なし
[所持品]基本支給品、不明支給品(1~2)
[思考・行動]
基本:殺し合う気はない、死にたくない。
1:……。
2:他の書き手さんは信頼できそうか…?
[備考]
※願いは不明です。
※元の世界の知識はある程度残っています。
最終更新:2011年07月24日 20:49