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フルメタルジャケット

説明役のマスコットから離れ、慌てた手つきで名簿と地図を確認する。
ミサが参加している事を知った松田は、深い溜め息をついた。
理不尽極まりない殺し合い。松田としては当然こんな残虐なゲームに乗るわけはないのだが、全員が全員そうとは限らない。
同僚達からは軽く扱われるが、一般人よりかはさすがに荒事に慣れている松田。その松田とて、いつ死ぬかもわからない。
ましてやミサミサは……

駄目もとで警察に電話をかけてみたが、やはり繋がらなかった。疲れ切った顔で再度息を吐く。

「くそ……どうすればいいんだ……局長も月君もいない。僕だけでどうやって……!」

頭を抱えて悲観する。頼りになり、自分のパートナーとなり得る人間がいてくれればいいが……
誰が敵か判別つかないこの状況で、そんな人間を見つける事ははたして可能なのだろうか。

松田は絶望していた。いつもヘマをする自分。どう贔屓めに考えても、この殺し合いを破壊する事など、出来そうにない。
ネガティブな感情は、松田の警戒心を緩めてしまう。そのためだろう、他の参加者の接近に気付かなかったのは……

「おい、そこの猿」

体をびくりとさせ、松田が瞬時に顔を持ち上げ振り返る。
松田の背後には、太った、まるで豚のような中年男がショットガンを構えて立っていた。
銃口はどう見ても松田に向けられている。豚男の表情も友好的なものには到底見えない。

「あ……う……」
絶句する。自分の愚かさを、松田は呪った。
「挨拶されたらすぐに返すんだな猿め。一人ぼっちで寂しかったのか?両目から汚らしい泥水が溢れそうになってるぞ?」
男はショットガンを突きつけたまま楽しそうに松田を嘲笑する。

「あ、あなたは殺し合いに乗ったんですか?」
「おいおいおいおい誰に口を開く事を許可して貰ったんだ?口臭がひどいからちゃんと閉じてろ」
やっとの事で絞り出した台詞を豚男は鼻を鳴らして無視した。

「……こ、答えて下さい」
「…………」
豚男はなんと答えるか考えているようである。

「……馬鹿な殺し合いなんぞに乗るつもりはないさ」
「……そうなんですか?」
意外な返答に松田は一瞬安堵しかける。
「だが死ぬつもりも勿論ない。お前が俺の気に入らん行動をとったら、その瞬間お前の腹に風穴が開くと思え」
「し、しません。そんな事……。僕も乗っていない。殺し合いを止めたい……」
松田が声を振り絞って伝える。それを豚男は鼻で笑った。

「無理に正義漢ぶるのは無益だとガキの頃に習わなかったのか?」
「……僕は松田、松田桃太、警官です。僕と協力してこの殺し合いを破壊しませんか?」
くくく、と豚男はせせら笑う。松田をにやにやと見つめ、口を開く。

「お前の下らん戯言に付き合ってる暇なんか俺にはないんだ。いいか?
 俺はこのショットガンさえあれば無敵だ。お前のデイパックを頂けばさらに無敵になる。
 お前ら糞どもが殺し合ってる間、俺は武装を固めて見物するんだ。そうすれば最後には手を汚さずに優勝できる」

自分勝手な男である。ショットガンを前にした松田も、この男の勝手さにはさすがに怒りを覚えた。

「あんた……名前はなんて言うんですか?」
「ブラッドリー・ベリック。死にたくなければデイパックをよこせ。言っておくが俺は別に人を殺す度胸がないわけじゃない
 いざとなったらお前なんか笑いながら殺してやる」

ベリックはショットガンを振り、デイパックをこちらに投げろと指示を飛ばす。
松田はゆっくりとデイパックを掲げ、ベリックへと投げた。
ベリックは満足そうにそれを受け取り、松田に『どこかへ消えろ』と命令する。

ショットガンを向けられ、脅されたが、松田の足はどうしても動いてくれなかった。
この男は勝手すぎる。イライラが頂点に達した時、松田の中で何かが切れた。
切れた事によって危機感を失ったのだが、それと同時に、恐怖も忘れる事が出来た。

「ベリックさん……あんた勝手すぎますよ!自分だけがよければいいなんて考え、絶対に間違ってる!
 こんな異常事態、僕達が協力し合わないでどうするんですか!?あんただって殺し合いなんて軽蔑しているはずだ!」
松田は捲し立てたが、ベリックはけろりとしていた。
「何とでも言え。あんまりイライラしてたら病気になるぞ?数年後にはストレスが原因の病でお陀仏だ」
誰も笑えないジョークを吐き捨て、ベリックは再び、消えろ、と命令した。

「…………」
この男には何を言っても通用しない。松田はベリックを心底軽蔑し、睨みつける。
「最後に言わせて下さい。弥海砂という女の子にもし会ったら、放送が流れる時間に『入』のエリアで待っていると伝えてほしいんです。
 あなたも心を入れ替えて、来て下さい。僕達で殺し合いを止めましょう」

松田の最後の言葉を、ベリックは真面目に聞いたかどうかは定かではない。
ベリックが松田のデイパックを熱心に見ているのを尻目に、松田はゲーム破壊に協力してくれるパートナーを見つけるため、
身勝手な豚男の前から立ち去った。

切れたからかどうかは分からないが、今はあまり恐怖を感じてはいない。
上手くいくといいが……。頼りになる仲間を見つけ、殺し合いを破壊する未来を、松田は祈る。

【『土』/0時~1時】
【松田桃太@DEATH NOTE】
[状態]:健康、怒り
[装備]:
[デイパックの中身]:(デイパック持っていない)
[思考・状況]
1、殺し合いを止めるため仲間を集める
[備考]
キラを追う警官。正義感は強いが無能

【ブラッドリー・ベリック@プリズンブレイク】
[状態]:健康
[装備]:ショットガン6/6
[デイパックの中身]:支給品一式×2、不明支給品1~2
[思考・状況]
1、武装を固める
2、積極的に殺す気はないが、やむを得ない場合殺す事も辞さない
[備考]
フォックスリバー刑務所の看守長だったが、解雇された
傲慢で自己中、最低な性格

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最終更新:2011年07月26日 21:19
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