森の中を、息を潜めて進んで行く。
ここは「
殺し合い」と言う戦場だ。いつ襲われてもおかしくはない。
いきなり、銃弾が飛んでくる事も考えられるし、物陰からいきなり人が飛び出してくるかもしれない。
いずれにせよ、用心するに越したことはない。
(あいつらがどうやって生き返ったのかは置いておくとして、何故こんなことを……)
全く意図が読めない。
何故、こんなことをしでかしたのか?
そもそも、こんなことをして何になるのか。
戦場に身を置く自分はともかく、何の関係もない一般人まで巻き込むとは。
「しかし……全くと行っていい程、奴らに辿り着く方法が無いな」
このまま、色んな場所を見て回れば、少しはヒントになるような物が見つかるのだろうか。
そう思うと、急に今の時刻が気になってきた。
デイパックからPDAを取り出し、時計を呼びだす。
(今の時刻は……1時50分か。夜明けはまだまだだな)
夜が明けるまで行ける範囲はどれくらいだろうか。
辺りが明るくなると、視認性がもの凄く上がるが、それは相手も同じ事だ。
もし狙撃銃を持っている敵がいたなら、その明るさに乗じて狙撃される可能性も有り得る。
相手の腕前や、銃の精度にもよるが下手をすると1撃で頭を撃ち抜かれてしまうだろう。
とはいえ、それほどの腕前を持つ人間がいるかどうかは、まだ分からないが。
(まあ、用心するに越した事はないな)
◇
(くそっ……ふざけやがって)
少しの間に、仲間を全て失って、呆然としていた。
そして、気がついたら森の中にいた。
気がついた直後は朦朧としていた意識も、時間が経つにつれはっきりしていった。
そうしていく内に、自分がやるべき事も思い出して行った。
ちゃんと、地図やルールの確認も行った。
(自分の新しい武器は日本刀。そして妙な機械も、手に付けてみた)
武器は別に何でもよかった。この妙な機械も、別に気にならない。
モニターらしき場所には、何も表示されていない。
(これが何なのかは良く分からないが、おいおい分かるだろう)
「動くな」
「……っ!」
いきなり、後頭部に何かを押し付けられる。
こんなときに、何が押し付けられているかなんて、大体分かる。
……銃口だ。
「……お前は、この実験に賛同する気があるか?」
「いいや、さらさらない……銃を下ろしてくれないか」
「……分かった」
後頭部から、銃口の間隔が消える。
それに合わせて、無意識に安堵の溜息が出てしまう。
「お前、名前は?」
「野村……和也だ」
「日本人か」
「ああ。アンタ白人主義者か何かか?」
「いいや、人種差別する気はない……俺はStrelok」
ここで、初めてStrelokの顔を見ることになる。
顔立ちは、どうやらロシア系のような気もするが、それより気になるのは……頭部だ。
ツルツルで、髪の毛一本生えていない……が別にどうでもいい。
「Strelokか……」
「俺の名前が、珍しいか?」
「ああ、まあな。外国人の友達なんていないからな」
「そうか。……もうすぐ、2時だな」
Strelokに言われ、なんとなく時計を確認する。
……1時59分45秒。
「あと15秒で、放送の時間だ」
「……そうか」
15秒。
短いようで、長い15秒。
「……」
「……」
お互い、何も喋らない。
重油のように、べっとり重い沈黙。
その沈黙を破ったのは、この場に似つかわしくない、軽い声だった――。
『――よう、お前ら。元気か?』
【一日目・深夜/D-5】
【Strelok@S.T.A.L.K.E.R.】
[状態]:健康
[装備]:Gauss gun(10/10)@S.T.A.L.K.E.R.
[所持品]:支給品一式、専用バッテリー、不明支給品(確認済み)
[思考・行動]
基本:C-Consciousnessの所へ向かい、再度殺害する。
1:……放送か
2:この男と同行する
3:C-Consciousnessの居場所を突き止めたい
4:何故自分が日本語を理解できるのかも調べたい
【野村和也@途中参加者】
[状態]:健康
[装備]:日本刀
[所持品]:支給品一式、不明支給品(確認済み)
[思考・行動]
基本:必ず、このゲームを破壊する。
1:放送か……
2:Strelokと行動。
最終更新:2011年09月04日 23:40