0:第二のサバイバルゲーム
「お前ら、起きるのじゃ」
僕、天野雪輝はその声に目を覚ます。
その声には聞き覚えがあった。
ムルムル…デウスの使い魔である奴だ。
だが、なぜお前らなんて言っているんだ。
まるで僕以外にも誰かいるみたいじゃないか。
「ッ――――!」
いや、前言撤回。
僕の周りには人間がいた。
一人ではない、数十人…70人以上は居る。
ムルムルはこんな人数を呼んだのか…。
「ふふん…全員起きたようじゃな……それでは…ゲームを始めるぞ」
ゲーム、と聞いて僕は背筋が凍った。
ムルムルの言うゲームが、どういった種類か予想がついたからだ。
一回目は、デウスの計画ではあった。
だが、ムルムルも同じような事を考えるだろう。
つまり…これから始まることは……。
「サバイバルゲーム…俗に言うバトルロワイアルじゃ」
予想は当たった。
だが…それは当たってほしくなかった。
バトルロワイアル…名前だけなら聞いたことはある。
最後の一人になるまで殺し合う、最悪の計画。
それが今…僕たちに起ころうとしている。
「ざっけんな!!」
一人の青年が叫んだ。
夏服を着たツンツン髪の高校生―――上条当麻がその計画を認めるわけが無い。
彼は完全に正義の人間だ。
こんな異常な状況でもムルムルに対抗する。
「ふざけてなどおらぬぞ…ワシは真剣じゃ」
「何が真剣だ!?
殺し合いなんか…認めれるわけねえだろ!」
ムルムルに対して退く事が無い少年。
ただ呆然と見ていただけだったが、そのうち僕はとあることに気付く。
携帯電話…いや、未来日記から聞こえる雑音<ノイズ>…。
僕は急いでそれを見た。
??:??[??]
ツンツン髪の人の首輪が作動し彼が死んだ。
僕は何も考えられなかった。
HAPPY ENDで動かなくなったはずの未来日記が作動していたから。
驚くべきはもう一つ…HAPPY ENDが消えたこと。
つまり、HAPPY ENDは消されたんだ。
僕と由乃の幸せが…消された。
「…テメェが、何を考えてるかなんて知らねぇ。
だが…命をこんな風に扱うなんて、認めるわけねぇだろ!」
そして、あの叫んでいる青年の死刑宣告が書かれていた。
だから、止めなくてはいけない。
きっと…僕くらいしかこれは見れていないはずだ。
だから止めなくてはいけない。
止めなくては……。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
青年はムルムルに飛び込んだ。
右手を思い切り引いて殴りかかろうとする。
僕はいつの間にか思い切り叫んでいた。
きっと届かないのであろうと思いつつ。
「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
ピーーーー、ボン
聞こえてきた音は機械的な音だった。
ムルムルがボタンを押して、にやりと笑った。
体中に返り血を浴びて尚、怯まない。
それどころか、笑っている。
全員何もしゃべっていなかった。
だが、そのうち周りが騒がしくなる。
泣き叫ぶ者。
歓喜する者。
はたまた…何もしていない者まで。
「……なんて、ことだよ」
僕は死んでしまった彼を遠目に見る。
表情は見えないが、無残なことには変わりなかった。
彼に近寄ろうとして止められている人もいた。
親族か何かなのか。
それとも友人なのか。
僕には分からない。
僕に分かる訳が無い。
それ以前に分かろうなんて思えない。
「では…ルールを説明するぞー……一度しか説明せんからのー、良く聞くんじゃぞ」
ムルムルがゴホン、と咳き込んで話し始める。
「お前らには3日間期間をやるのじゃ、その間に殺し合うのじゃ。
もしワシに逆らおうなんて思ったり3日以内に優勝者が決まらなかった場合…
先ほどの奴みたいになるから注意するのじゃ」
逆らったりしたら殺すなんて、わずかにすら許されないのか。
僕は焦りを感じていた。
ムルムルが何を目的に殺し合いをしているのか。
そしてなぜ僕を呼んだのか。
それが全く読めないからだ。
「次は武器じゃな…まず、お前らにはそれぞれ何個かものを配る。
それは銃かもしれないし、ただの棒かもしれぬ…。
何が入っているかはお主らの運次第じゃ」
ムルムルがこっちを見てニヤリと笑った。
それのせいで、いや…元々だったがさらに不愉快になる。
「あとはお主らに配るバックの中のもんじゃな。
とは言っても飯やら入っとるだけだから説明はいらぬな」
ここでムルムルは立ち上がった。
そして高らかに宣言した。
「ではここに第二のゲーム、バトルロワイアルを始めるのじゃ!」
そこで、僕の意識は闇へと落ちた。
目覚めると同時に、僕は悪夢を見るのだろう。
そんな気がしてならなかった。
【上条当麻@とある科学の超電磁砲 死亡】
【残り 82人】
【ゲーム―――開始】
最終更新:2011年11月23日 15:56