こんな場でも不運小僧

3:こんな場でも不運小僧


青色の衣服に身を包んだ眼鏡の少年は脅えていた。
名前は、猪名寺乱太郎と言う。
忍術学園1年は組、クラス一の俊足を誇る。
今回特筆すべきことは以上である。

「こ…殺し合いなんて……そんな事……は、早く皆と合流しないと」

この場に連れてこられた彼の知り合いは5人。
摂津のきり丸、黒木庄左ヱ門、平滝夜叉丸、善法寺伊作、中在家長次。
クラスメイトから先輩まで、呼ばれていた。
全員殺し合いに乗るような人ではないのは知っている。

「……今は皆を探さなきゃいけない…行こう!」

立ち上がって走り出そうとした…そんな時だった。
後ろに立っていたのは、乱太郎からしたら巨人のような男だった。
目の付近は微妙に見えないが、何やらへんな雰囲気が漂っていた。
何か、疲れているような、憑かれているような。

「……また、テメェかよ」
「また?またって…」
「もう…ウンザリなんだよ……」

大男の目が少し見えた。
その目は、何かに脅えているようで、何かを憎んでいるようで。
乱太郎にでもすぐに分かる。
この人は何かがおかしい、と。

「…殺し合いだなんだ……意味も分からねぇし…」

殺し合いには良い印象は抱いていない…。
つまり、話せば分かってくれるのか。
少し乱太郎は考えてしまった。
その結果かは分からない。
だが、左側から来た拳が見えなかった。
乱太郎は吹っ飛ばされる。
年齢差だけではなく体格差もあるため、この一撃は重い。

「う…い、痛…」
「どこからどこまで…この世界は狂ってやがる……!」

何を言っているのか乱太郎には分からなかった。
だが、今この場で出来る事は一つしかなかった。
とにかく目の前の人間から逃げる事。
すぐに立ち上がり相手から逃げる。

「待ちやがれええええええええええ!!」

男は走って追いかけてくる。
だが、乱太郎に追い付くことは無かった。
乱太郎の足の速さだけではなく、視界の悪さが問題だった。
体力だけならば追いかけている男の方が圧倒的に上だろう。
結果的に言えば乱太郎の幸運は、今が夜だった事。

「……クソ」

大男…井ノ原真人は動きを止める。
昼間なら追いかけて行って向こうの体力切れを待つことができる。
だが、今は夜だから相手を見失ってしまう。
彼は敵の姿を追い続けることができなかった。

「…………」

だが、これでいいのかもしれない。
殺すなんてことは自分もしたくは無い。

「……………」

彼は疲れていた。
心も体も疲弊しきっている。
理由はただ一つ、彼の今の現状である。
彼の眼に映るのは…一つだけ。
もう一人の自分、いや…一人だけではない。
全ての人間が自分に見える。
それが彼の現状である。

「…まったく、狂ってやがる」

彼は気付いていない。
この場には、彼の大事な友人が呼ばれている事を。
そして気付くはずもない。
なぜなら、彼の名簿には全て自分の名前が書かれているから。

「…俺は、俺であり続けるために…全員、ブッ倒す」

【深夜/C-6】
【井ノ原真人@リトルバスターズ!】
[状態]肉体的疲労(小)、精神的疲労(極大)、周りの人間が全て自分に見える
[装備]
[持物]基本支給品一式、不明支給品(1~2)
[思考・行動]
基本:『俺』を全員ブッ倒す
 1:今の奴は追わない
 2:『俺』以外に人がいるなら…?
[備考]
※Refrainで理樹と戦う直前からの参戦です。
※自分以外の全員が自分に見えます。
※井ノ原真人の参加者名簿は「井ノ原真人」が参加者分の数書かれています。



「はぁ…はぁ……!」

乱太郎は駆けていた。
全力で先ほどに男から離れるために。
しばらくして自分の後ろに気配が無い事に気付いた。

「はぁ…はぁ…もう、いな…ってうわぁ!」

木が傍にあり、その根に引っかかってしまう。
そしてそのまま転倒してしまう。
そして何故か出来ている落とし穴にはまってしまう。

「……うぅ…」

彼は風雲小僧と言われるとともに一つ呼ばれ方があった。
「不運小僧」…そういった呼ばれ方である。
そんな彼はそんな運の悪さもはねのけて、生還できるのであろうか。

【深夜/C-5】
【猪名寺乱太郎@忍たま乱太郎】
[状態]肉体的疲労(極大)、落とし穴にはまっている、左肩脱臼
[装備]
[持物]基本支給品一式、不明支給品(1~2)
[思考・行動]
基本:出来る限りみんなを助けたい
 1:うぅ…
 2:忍術学園の人と合流する
[備考]
※井ノ原真人の容姿を把握しました

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最終更新:2011年11月27日 20:55
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