アットウィキロゴ

2-3・変哲オリ

2-3 虚しさと悔しさと自分の弱さ


さて―――どうしたものだろうか。
なんとなく先ほど走って行った二人を追いかけてみたが見つからない。
俺―――吉村浩平(男子十五番)は森の中をうろついていた。
ぬかるんだ地面に気をつけながら周りを見る。
木々が茂り視界が悪い。
正直言って――――これで見つけろという方が難しいな。
だが―――そうもいっていられない。
見つけた二人のうちの1人が、鉈を持っていた。
たしかあれは大里俊明だった。
あいつが鉈を持って追いかける、それはつまり殺そうとしていたということだろう。
奴ならばやりかねない、それくらいの奴だしな。
そして、もう一人…追いかけられていた人物。
あれは岡崎琴音だったと思われる。
彼女は殺し合いには反対するだろう人物だ。
だが、彼女は弱い―――それが故に狙われているのか。
あの状況では、確実に悪い方向にしか事が進まない。
一番いいのは、大里を説得し岡崎を救出することだ。
しかし―――それは難しいかもしれない。
岡崎の救出はそうだが、大里の説得には骨がかかるだろう。
あいつは厄介を通り越して面倒だ。
速いうちに何らかの対策を立てなければならないほど。

「テメェみてぇなクズな女とはちげぇんだよ!」

ふと――――声が聞こえた。
その声は荒げているが、大里のものと分かる。
クズな女―――この場ではきっと岡崎のものだろう。
状況はあまり良くないようだ。
これは助けにいかなくてはならないな。
声がした方向は…向こうだ。

大里を見つけるまでにあの男は岡崎に様々な悪行をした。
服を脱げと要求する。
土下座をしろと要求する。
暴行を行う。
それを直で見たわけではないが、音だけでも恐ろしいものだった。
急いで走って音がした方へ向かう。
そこでとうとう、二人を見つけた。
その時の現状は簡単だった。

大里が笑いながら、涙を流しながら気絶している岡崎を地面に打ち付けていた。

その時自分が何を考えていたのかは分からない。
だが、体が動いていた。
思い切り回転をかけ、回し蹴りを繰り出す。
それは見事に大里の顔にきまる。

「…さーて、どこにこいつをつれていくkガァ?!」

何かを話していた途中なのだろうか。
そんなことはどうでもいい。
俺はこいつが許せなかった。
その結果が―――こいつと同じ行動だ。
他人に危害を加える、最低の行動だ。
武道を習ったのは、このためなんかではない。
だが、今の自分には――――虚しさと悔しさしか残らなかった。

【残り 30人】

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2012年01月01日 23:52
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。