そこは城であった。荒城の月という歌があるように、題名だけで言うならまさにそのような感じの日本の城である。
城はそれほど大きくない。連結式層塔型四重五階、内堀のみで水がたまっていた。外周もそんなになく走って三十分で外周を一周できるほどだった。
その場に似つかわしい男がいた。和服に松の様な髷に眼帯、眩く眼光。
男は剣豪、柳生十兵衛三厳である。
(父上や玄信斎、そして死んだはずの烏丸少将まで)
名簿を見るなり彼はそう思う。死んだはずの人物、ここではかなり生き返っているのだ。
(となるとあれは化け物か。少なくとも)
仏、ではない。御仏がこんなことをするはずはない、と彼の思考回路の一つとしてあった。
神ではないのなら殺せる。とは言えど徳川家光は言っていた。
親に会うては親を殺し、仏に会うては仏を殺す。
同じく父上もそのようなことを言っていたのだろう。たとえ誰の信頼を裏切っても己の欲望のために。
ならない。そんなことはあってはならない。が、この
殺し合いの場は父上は水の得た魚のようなもの。策略、陰謀、剣術。全てを総動員するはずだ。
それを止めるためには力もいる。支給品を調べると一つの日本刀が見えた。
物干し竿。そのような名称だがあながち間違いではない。あまりにも長すぎる。柳生十兵衛とて使えるかどうかわからぬ代物だ。
だが見たところ名刀とはわかる。済んだ刃は月光を照らしていた。
鞘にしまうともう一つ、あるらしい。バックの中だが十兵衛の時代にそんなものはなかったため、何か南蛮のものか、とぐらいにしか思わなかった。
ジッパーの開け方は日本刀と同じく試行錯誤した末にわかった。ぐいいい、というような音と共に中身が見える。
中身のものは白い。白い、うさぎのような生物だった。だがそれはうさぎではない。未知の生命体だ。
生物はまるで笑顔かのように、話し始めた。
「やあ、君は誰だい?」
十兵衛はすぐさま刀を抜こうとする。どうみても目の前のはあやかし、化け物だからだ。
だがいつもより長いせいか抜刀までの時間が長い。白い生物はバックから飛び出し、犬のように後ろへ飛んだ。
バックは切り裂かれ、その後、十兵衛は怪物に構える。
「貴様、怪物かっ!」
「怪物? そこまでは言われたくないなあ。僕の名前はキュゥべえ。君にはあまり関係のない存在だよ」
「きゅうべえ?」
まるで自分の名前をもじっているかのような言い方だ。気に食わない。
だがそんな気持ちはまったく察せず、キュゥべえは話を続ける。
「しかし僕が支給品とはね。この惑星にあんな力を持つものがいるとは思いもしなかったよ。
そうだね、その国での、いや世界での宗教にでてくる神のようだよ。人知を超えた、と君たちは言うのかな?」
「神?」
「そうだよ。別世界にいる僕たちを集めてきて時空さえも移動して、あんな化け物のような女も殺す。とんでもない代物だ」
時空の移動。その言葉で十兵衛がわかるのは浦島太郎の話ぐらいである。
まさか自分がとうに昔の過去の人間か、と。
「大体、僕は自分が選んだ少女しか可視できるはずなんだよ。なのに君は選んでもないのに見えてる。つまり僕は、ものということだ」
支給品なのだからものなのだろう。役に立ちそうではない。
「まあいい。このまま僕は移動することにするよ。用もあるからね」
「待て」
立ち去ろうとしたキュゥべえを止めるように十兵衛は言った。
「なんだい? 詳しいことは聞けないよ」
「俺はどういう者だ。それだけを答えろ」
十兵衛が今、第一に聞きたいことであった。自分の存在がこの場でどういう者かというのは重要なことだ。
キュゥべえは無表情に答えた。
「そうだね。君はさぞかし、過去の時代から来た剣豪、ってことかな」
そう言い残すとキュゥべえは高く飛んだ。まるで狐のように。
あの生物に自分の父親、柳生但馬守宗矩と同じ所を感じる。心の奥底まで深い欲がつまっているかのような。
自分は過去の人間、そしてあの生物の存在。二つは彼に冷や汗を起こさせる。
城内は底知れぬ不安で埋め尽くされている。まるで夜の暗闇のように。
【一日目/深夜・晴れ/城・内部】
【柳生十兵衛三厳@柳生一族の陰謀】
【状態】健康
【装備】物干し竿@Fate/stay night
【道具】通常支給品
【思考】基本:主催のお命を頂戴する。
1:父上を止める。
※キュゥべえ@
魔法少女まどか☆マギカはどっかに行きました。
【物干し竿@Fate/stay night】
すんごい長い日本刀。アサシンの得物。宝具ではないがそこそこ名刀。鉄も斬れるらしい。
【キュゥべえ@魔法少女まどか☆マギカ】
意思あり支給品。みんなの黒幕。本来は少女の前に現れ、どんな願いでも一つ叶える代わりに魔法少女になってもらう契約をしてくる。
見た目は可愛らしいけど無表情なので不気味。みんなからうざいと言われる。
人間の倫理観が無いため寄生獣みたい。人は食わないけど代わりに死んだ自分を食べる。
代わりはいくらでもいるとレイみたいなこと言ってたがこの殺し合いでは代わりなし。
本来はインキュベーターという地球外生命体。だから寄生獣ってより物体X。
最終更新:2011年12月29日 23:19