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人の形をした虚空

8:人の形をした虚空

レイ・ブランチャードは森の中を歩いていた。

「また殺し合いとは……」

以前に参加していた殺し合いの事を思い返すレイ。
以前は殺し合いから脱するべく首輪の解除方法を模索していた。
その途中で二人程の同行者を得たが最終的には首輪を得るために二人共殺害してしまった。
結局自分も見知らぬ少女に殺害されてしまったのだが。

「……仲間を裏切る真似は良くないか、その報いは何れ自分に来る……肝に銘じよう」

レイは今回も首輪を解析するつもりでいた。
だが、以前のように仲間を殺してまで首輪を得ると言った行動はしないと決める。
支給されたウェブリー・フォスベリーオートマチックリボルバーを右手に持ちレイは取り敢えず、
森の中を歩いていた。

「ああああぁあ!!」
「?」

少女の悲鳴が聞こえた。
レイは悲鳴の方へ走る。

◆◆◆

「やめ……やめて! 嫌っ」

狐耳の少女が涙を流しながら懇願していた。

グジュッ

その少女の胸を触手が刺し貫く。
触手が引き抜かれると少女は口から血を吐きながらその場に崩れ落ちた。

「……アアァアアアァア……」

右手の平から触手を飛びださせているリカオンの少年は虚ろな目付きで、
その場から歩き去る。
しばらくして、青髪の少女、レイ・ブランチャードが現場に到着した。

「! おい、生きてるか?」

地面に倒れている狐耳少女に気付き近付いて声を掛けるレイ。
辛うじてまだ息はあったが、胸元の傷は背中まで貫通し、血が止め処なく流れ、
もはや手の施しようが無いのは一目見て分かってしまった。

「ゲホッ……げぇっ……」
「……誰にやられたんだ?」
「ばけもの……触手の……化物……」
「触手?」
「リカオンの……少年に見えた……けど……違う……あれ、は……がはぁ! あッ……」

一際大量の吐血の直後、少女は動かなくなった。
開いたままの目をレイは無言で瞑らせる。

「触手の化け物だと……そんな奴がいるのか」

この狐耳少女を襲った、正体不明の怪物がこの殺し合いに呼ばれているらしい。
リカオン獣人の少年の外見との事だが。
レイは少女の荷物を漁る。
しかし見付かったのは、火掻き棒のみ。必要無いと判断しレイは放棄した。

「首輪……ああ、刃物が無い、無理だな……」

早速死体があるので首輪を手に入れておきたかったが刃物が無いので断念せざるを得なかった。
レイは死体を放って歩き始めた。


【吉良一葉@美女と野獣のオリキャラでバトルロワイアル  死亡】
【残り84人】


【早朝/E-4森】
【レイ・ブランチャード@新訳俺のオリキャラでバトルロワイアル
[状態]健康
[持物]基本支給品一式、回転式拳銃:ウェブリー・フォスベリー オートマチックリボルバー(残弾6/6 予備.455ウェブリー弾12発)
[行動]首輪を外し脱出。綾瀬は……会いたくないな。
[備考]原作死亡後からの参戦。「触手の化け物」についての情報を得る。


◆◆◆


小崎史哉は哀れ過ぎる少年だった。
突然殺し合いに参加させられ、軍が秘密裏に開発した寄生虫にひょんな事から身体を乗っ取られ、
意識を失い大勢を殺害した挙句、主催側の手によりヘリのガトリングの掃射を受け「処分」された。

そして今、彼はまた殺し合いに参加させられる。
その体内に寄生虫を内包し意識を殆ど失ったまま。

「うおおぉおおおぉお!」

彼が非常に危険な存在と化している事など露知らず。
飛竜、大宮正悳は青龍刀を持って史哉に斬りかかった。
そして背中に袈裟斬りを与える。
血が噴き出す。

「……」
「ひっ……」

だが、史哉は虚ろな目を正悳に向け、倒れる様子も効いている様子も無い。
目の前のリカオン少年の異様な様子に、正悳はたじろいだ。

「あぁ、アアア、ああああ!!」
「!!」

史哉は咆哮をあげ、触手を振り被り正悳に襲い掛かる。
振り下ろされた触手を正悳は寸での所で避けた。
代わりに樹木が一本幹を粉砕され、倒れた。

「はああああああ!?」

触手による一撃の威力を目の当たりにし驚愕する正悳。
まともに受ければ間違い無く骨は持っていかれる威力。

「無理無理無理、こんなの無理」

戦意を喪失した正悳は翼をはばたかせ上空に逃げようとした。
しかし、史哉はそれを逃さなかった。
空に飛び上がった飛竜の足に向け触手を伸ばし、絡み取った。

「ひぎい!!」

悲鳴をあげて正悳は適当な木の枝にしがみ付く。
史哉は正悳の左足に絡ませた触手を引っ張り続けた。
ミシミシと、正悳の左足と骨盤の関節付近から嫌な音が響き、正悳に耐え難い激痛を与えた。

「うがあぁあああぁあッ……!」

余りの痛みに涙が出る。
だが、今しがみ付いている枝から腕を離せば、自分に待ちうけるのは、死。
粉う事無き、死……ッ!

「嫌、だ、もう死ぬのは、嫌、だあああぁああ!!」

前回の殺し合い。
大好きな主人の元へ帰るために殺し合いに乗り、とあるグループを襲った。
結果、そのグループの一人、髭の生えた海賊風の男に、掘られた。
そしてその男を殺したが自分も死んだ。
意識を取り戻した時にはまた殺し合い。
そして今、自分はまた殺されようとしている。今度は正体不明の触手の化け物に。

ミシッ

そして、正悳のしがみ付く枝が、限界を迎えようとしていた。

「え?」

バキッ

枝は折れた。
正悳は落ちる、死の運命へと。

「わああぁあああぁぁあああぁああああぁああぁあぁああああぁあああぁあ!!!!!!」

大宮正悳は今度もまた、生きて帰る事無く、その命を殺し合いで散らした。
今度は触手によって身体を八つ裂きにされると言う、苦痛に塗れた悲惨な死に方だった。
獲物を狩り終えた史哉は、再び彷徨い始めた。


【大宮正悳@俺得バトルロワイアル  死亡】
【残り83人】


【早朝/E-4森】
【小崎史哉@エクストリーム俺オリロワ2nd
[状態]自我喪失、触手発露
[持物]基本支給品一式、???
[行動]……ミナゴロシ……。
[備考]原作死亡後からの参戦。寄生虫(触手)により身体を完全に支配された状態。

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最終更新:2012年09月15日 19:50
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