2:完成度たけーなオイこの石碑
「ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲じゃない、完成度たけーなオイ」
人狐の雌、費覧は海辺に建てられた石碑を見てそう言った。
その石碑は根元に二つの丸型の御影石、そしてその二つに挟まれる形で一本の先端が膨らんだ御影石が建てられている。
それはさながら―――――
「ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲じゃないか、完成度たけーなオイ」
費覧の背後から似たフレーズを言う者が現れる。
翼を持った人狼のような魔獣の青年。
「そのネタを知ってるなんて、あなたも銀魂読んでるの?」
「結構ね。面白いよねあれ」
「ははは…私は費覧」
「俺はマティアス……全く大変だねぇ、
殺し合いなんて……」
「そうね、でも……初めてじゃないよ」
「まあ、俺もね……」
そこまで会話した所で互いに無言になり見詰め合う。
互いに殺気が倍々ゲームで増して行く。
先に動いたのは費覧だった。
右手を振り被り鋭利な爪でマティアスに襲い掛かった。
その斬撃を軽く後ろにステップして避けるマティアス。
「やる気になってるねぇ?」
「今更、殺し合い拒否する理由も、無いからね!」
「そうか……クククッ、じゃあ、死合おうか!」
マティアスもまた、牙を剥き出して費覧に襲い掛かる。
爪のよる斬撃、殴り、蹴り、噛み付き。
まさしく獣の如き戦い。
瞬く間に双方傷だらけ、血塗れになる。
そして、マティアスの牙が費覧の喉笛を捉えた。
地面に押し倒し、そのまま費覧の喉笛を食い千切ろうとするマティアス。
血液が噴き出し費覧の毛皮や地面を赤く染めて行く。
流石に不味いと費覧は思う。
何とかして状況を打開出来ないかと、痛みに耐えながら考える。
そして、マティアスの股間の方に手をやる。
「グッ!?」
マティアスがくぐもった声を出す。
費覧の右手は、マティアスの股間にぶら下がっていた袋を握っていた。
そして費覧は、その袋を思い切り握り締める。
「!! アッ、ガッ、ガッ、アッ、アッ」
雄として最大級の痛みがマティアスを襲う。
思わず費覧の喉笛から口を離し、間抜けな声をあげて苦しみ出した。
「やっぱりオスはここ、弱いのねぇ。ここだけは鍛えようが無いもんね」
「いぎっ、ぎ……油断、した……」
「油断大敵とは、良く言ったものよね!」
今度は費覧がマティアスの喉笛に食らい付く。
雄の急所を攻められたままのマティアスは上手く抵抗する事も出来ず、
あっさり喉笛を食い千切られる。
鮮血が勢い良く噴き出す。
マティアスは喉元を押さえ卒倒した。
(早いな、俺はもう終わるか……自分でも、これは間抜けていると……思う、けど……)
股間を握り潰されて、それが遠因となり死亡。
「以前の殺し合い」と比べてもかなり恥ずかしい死に方だと、薄れ行く意識の中でマティアスは思った。
「ふぅ……痛……結構傷負ったなぁ」
身体中の傷を気にしつつ、費覧はマティアスのデイパックを漁り始める。
すると銃身と銃床が切り詰められた水平二連式の散弾銃と予備のショットシェルが出てきた。
所謂「ソードオフショットガン」と言う物だ。
「これ使われてたら流石にやばかった……私の支給品、催涙スプレーだったし、貰っておこう」
費覧はソードオフショットガンと予備弾を喜んで入手した。
「さてと……傷は放っておけばある程度は治るし……章高でも捜しに行こうか」
この殺し合いにも呼ばれており、「以前の殺し合い」で殺害し、殺害された知人を捜すべく、
費覧は歩き始める。
【マティアス@俺得バトルロワイアル3rd 死亡】
【残り89人】
【早朝/G-4東の石碑付近】
【費覧@
個人趣味バトルロワイアル】
[状態]全身に傷、血塗れ(治癒中)
[持物]基本支給品一式、散弾銃:ソードオフショットガン(残弾2/2 予備12ゲージショットシェル10発)、催涙スプレー
[行動]章高を捜す。他参加者は遭遇次第始末するつもり。
[備考]原作死亡後からの参戦。マティアスの名前と容姿を記憶。
最終更新:2012年09月02日 20:59