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遠い想い

13:遠い想い

加藤淳五郎は療養所の廊下を歩いていた。

ダァン! ダァン!

「!」

突然銃声が建物の中に響く。
淳五郎は銃声のした方に向かった。
そして廊下の角から少し顔を出して様子を見る。
病室から突撃銃らしき物を持った裸ニーソの少女が出て来た。
少女は周囲を警戒していたが、淳五郎には気付かなかったようで、奥へと消えて行った。
淳五郎は少女が出てきた病室の中に恐る恐る入る。

「……」

病室の中には射殺された別の少女の死体が転がっていた。
涙を流した目は開かれたままで無惨さを強調している。
脇のデイパックは漁られた形跡があった。

「……」

生まれて初めて人が殺されているのを見た淳五郎だったが思っていたより平然としていられる事に、
自分で自分に違和感を覚える。

「有紀」

この殺し合いに呼ばれている自分の彼女、武田有紀。
殺し合いに乗っている者は確実に存在している、先程の裸ニーソの少女のように。
一刻も早く有紀を見付けなければならないと、淳五郎は思う。
自分に支給されたクロスボウのグリップを握り締め淳五郎は先程の少女と鉢合わせにならないよう気を付けながら、
出口があるはずの一階を目指した。

◇◇◇

鈴木冴羅は人間では無い。
外見こそ普通の人間の少女だが、正体は人造人間。
ペット用人造人間「悦美シリーズ」製造番号10992号としてこの世に生を受けた。
男を悦ばせるためだけの便利な玩具として。
しかし彼女にもしっかり意思はあり自立行動も出来る。

「ご主人様の所に何としても帰らなきゃ……」

慕っている主人の元へ生きて帰るため、冴羅は殺し合いに則り他人を抹殺する事に決めた。
支給されたVz58突撃銃で、一人の少女を殺害した。

――やめて! やめて! 撃たな――

少女はそう言って命乞いしたが冴羅は特に躊躇う事も無く少女を射殺した。
心など痛まない、冴羅にとって主人こそが全てだったから。
そして少女のデイパックからフレイルを入手し射殺した部屋から出た。
その時微かに他人の気配を感じたような気がしたが、気のせいだと思いそのまま立ち去った。

「冴羅は絶対帰りますから……」

ここにはいない主人にそう宣言すると、冴羅は療養所の出口を目指した。


【林恵留  死亡】


【早朝/B-2療養所】
【加藤淳五郎】
[状態]:健康
[所持品]:基本支給品一式、クロスボウ(1/1、予備矢10)
[思考]:有紀を捜す。

【鈴木冴羅】
[状態]:健康、加藤淳五郎には気付いていない
[所持品]:基本支給品一式、Vz58(28/30、予備弾倉3)、フレイル
[思考]:優勝を目指す。


【加藤淳五郎】 かとう・じゅんごろう
18歳の竜人の少年。高校生。武田有紀と言う彼女がいる。
無口で大人しいが絶倫。

【鈴木冴羅】 すずき・さえら
肉体年齢17歳の大人の玩具用人造人間「悦美シリーズ」の一人。
桃髪裸ニーソ巨乳。主人に忠実。製造番号10992。

【林恵留】 はやし・える
15歳の中学生。スクール水着が好き。
ネットにスクール水着ものの小説を投稿したりしている。

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最終更新:2012年06月27日 13:33
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