17:陸上のマーメイド
「どうしたら、良いの……」
コンクリートの建物の変電所。
計器が並ぶ部屋で少女、三浦真凛は蹲り怯えていた。
いきなり
殺し合いに放り込まれ途方に暮れ、いつ襲われるか分からない恐怖に怯える事しか出来ない。
支給された短機関銃を持って殺し合いに乗る事も、
誰か殺し合いに乗っていない人を捜してこの殺し合いに抗う行動を取る事も、彼女には考えられなかった。
かと言って、自分で自分の命を絶つ事も出来ない。前述二つの勇気も無いのにそんな事出来る勇気など、
有る筈が無い。
「帰りたい、家に帰りたい…お父さんお母さん…死にたくない、誰か助けて…」
震えて助けを求め続けても誰も助けに来てくれる筈も無く。
ひとしきり不安を吐露した所で、真凛は深く溜息を吐いた。
分かってはいる、どんなに弱気になって不平や愚痴、泣事を吐いた所で状況は何も改善されない事位。
「……海、あるんだよね」
地図を見て真凛は呟く。
現在いる変電所から東方向へずっと行けば海に出られる。
「泳ぎたいな」
海に出て泳ぎたいと真凛は思う。
彼女は人魚の一族の出身であり普段は人間体型だが人魚に変身する事が出来た。
海で泳ぐ事が何より好きな真凛は、少し泳いで不安な気持ちを和らげたいと考える。
無論逃げられるとは思っていない、ルール冊子には地図の外に出れば首輪が作動すると書いてあった。
首にはめられた首輪に触れる真凛。
これさえ無ければ泳いで逃げる事も出来たかもしれないと言うのに。
「行こう」
支給された一〇〇式機関短銃を装備し、真凛は変電所の出口を探し始める。
【早朝/E-3変電所】
【三浦真凛】
[状態]:恐怖
[所持品]:基本支給品一式、一〇〇式機関短銃(30/30、予備弾倉3)
[思考]:海で泳ごう。
【三浦真凛】 みうら・まりん
人魚の少女。17歳。普段は人間体型で暮らし海に入る時に人魚体型に変身する。
心優しい性格だが自分の手に負えない事態から逃避したがる癖がある。
最終更新:2012年07月07日 23:19