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少女たちの夜

「どういうことなのかしら、これ」

シメオン少女部隊のニードレス、セツナは現状にため息を漏らした。
聖ローズ学園で起きた連続殺人事件を山田ことクルス、そして梔と共に解決した矢先にこの殺し合いに巻き込まれた。
ここに来る直前誰かに襲われたとかそういうものはなく、本当に気が付いたらこのゲームに呼ばれていた。
おまけに一緒に居たクルスはともかく、別行動中の未央まで呼ばれている。

「しかもあのブレイドまで居るなんてホント最悪ね」

アダム・ブレイド。敬愛する主、アダム・アークライトに楯突く忌々しい宿敵。
シメオンビルでの大爆発の後は行方知れずだと聞いたが、案の定生きていたか。
あのロリコン神父のデタラメな戦闘力は身を以って味わっている。マトモにやり合っても勝機は薄い。
殺さねばならない敵だが、できれば会いたくないのが本心だ。

「まずは未央を探さないとね。そう簡単に死にはしないだろうけどオツムが残念だし」

とにかくまずは仲間の捜索から始めよう。
近い施設を順に回っていくかと考え歩き出す。


…………


「悪いけど止まってくれるかしら」

歩き始めて数分が経過した頃、そんな言葉と共に銃を向けられた。
相手は自分よりも年下であろう桃色の髪の少女。やけに露出度の高い格好をしている。
梔が居たら興奮していただろうなと、どうでもいいことを思いながらも言葉を返す。

「初対面の相手に随分と物騒なモノを向けるのね。」
「あら、こんな状況で見ず知らずの相手を信じろって方が無理ではなくて?」
「まぁ確かにそうね」

会話をしつつも相手に対する警戒は解かない。
いつでも能力を発動できるように構える。『速(スピード)』なら相手が引き金を引くよりも速く仕留められる。

「単刀直入に聞くけど、あなたこのゲームでどう動くつもりなの?」
「…とりあえず仲間との合流が最優先ってところね。今はゲームに乗る気はないわ」
「ふーん……」

まじまじと此方を見つめる少女。値踏みされているようで、あまり良い気分ではない。

「ならお互い協力できるってわけね」
「はぁ?」
「私もあなたと同じよ。殺し合いに乗る気は無く、探したい相手も居る。だったら手を組んで損は無いと思わない?」

少女の言葉にセツナは考える。未央の捜索、ブレイド達の抹殺、それに首輪の解除とすべきことは山積みだ。
自分と未央だけでは解決しきれない。ならば協力者は一人でも多いほうが良い。
それに脅しに銃を使ったということはニードレスではない一般人、若しくは戦闘には向かない能力の持ち主なのだろう。
仮に自分を切り捨てようとしても返り討ちにできる自身はある。故に答えは決まった。

「分かったわ。少しの間だけどよろしくね」
「納得してもらえてうれしいわ」

微笑みながら銃を下ろす少女。同時に緊張感から解放される。
取り合えず名前を聞こうとするがそれより早く少女が、それじゃあと後ろの建物に目を向ける

「中でお話でもしましょうか」




『面影堂』という看板の出ている店に入り、来客用の椅子に腰を落ち着ける。
まずはお互いの自己紹介から始める。桃髪の少女はアーニャと名乗った。
話し合うこと数分。手短に済むと思っていた情報交換は予想に反して複雑になった。

「冗談で言ってるの?あんまり面白くないわよ」
「こっちの台詞よそれ」

アーニャの言うブリタニア帝国。セツナの言うニードレスとBS(ブラックスポット)。
知っていて当然の事をお互い全く知らないという奇妙な状況。
単なる妄想か、あのロン毛に記憶を弄られたか、と考え続けるアーニャ。
そんな彼女を見ながらため息を吐きつつ話しかけるセツナ。

「とりあえずお互いがイカれてるかもとかそういうのは置いておきましょう」
「え?」
「私たちは仲間を探してる、そして互いに争う気はない。今はそれだけで十分じゃないかしら」
「…そう、ね。確かめるのは彼らと合流した後でもいいわね」

完全には納得していないようだが同意は得られたようだ。この話題は一旦打ち切り情報交換を続ける。
続いてお互いの仲間の情報。アーニャはゼロと枢木スザクの2人を探しているという。
セツナは未央が仲間、アダム・ブレイド、クルス・シルト、六道銀は敵であると告げる。

続いてお互いの支給品の確認となった。
アーニャは銃が一丁とバッジが二つ。バッジは探偵バッジと言って小型の通信機の役割を果たすのだという。
もしも別行動を取った時の為にと一つ渡される。断る理由も無いので礼を言い受け取る。

セツナの支給品は包丁が一本、赤青緑黄の4色盤に回るタイマー、袋詰めされたきびだんごの三つ。
どう考えても外れだ。これにはアーニャも苦笑いしている。
まぁ能力(フラグメント)があれば武器は特に必要ない。それに他の参加者よりも多少食料に有利になったのだ。前向きに捉えよう。

話が終わるとアーニャがそれじゃあと立ち上がり、セツナもそれに続く。
面影堂を後にし、当初の予定通り近くの施設から順に当たっていく。
歩いている途中でふとクルスのことが頭に浮かんだ。
止むを得ない状況とはいえ敵である自分達に協力し、自分が怪我をした時には本気で心配してくれた少年。

(悪く思わないでね。どの道次に会えば殺しあうしかないんだから)

思うところが全く無いわけではない。
それでも止まれないのだ。自分はとっくにアークライトに尽くす事を決めたのだから。




(面倒なことになったわね)

心中でそう呟くアーニャ。
否。正確には彼女はアーニャではない。
ナイトオブラウンズのNo.6アーニャ・アールストレイムであるのはその肉体のみ。
中に住まう者は全くの別人だ。

(C.C.とも連絡が取れないなんて……。あの男何者?)

その者の名はマリアンヌ・ヴィ・ブリタニア。
ルルーシュとナナリー兄妹の実母にして神聖ブリタニア帝国の皇妃の一人である。
数年前の襲撃により死に瀕した際に覚醒したギアスにより、魂を別の人間の中へと移動しながら生きてきたのだ。
そして彼女には元の世界で『C計画』を果たすという重大な目的がある。こんな訳の分からないゲームで足止めをくらっている場合ではない。
一番手っ取り早く帰還できる方法は殺し合いに優勝することだろう。
しかし、優勝者を必ず生還させるという保障はどこにもない。故に今は様子見に徹しつつ情報を集める。
脱出できる明確なプランが見えたらそちらへ、無理なら優勝を目指す。これが彼女の方針だ。

そしてその為に必要な人材。それがゼロことルルーシュとナイトオブセブンこと枢木スザクの二名である。
あの2人の有能さと未熟な面は全て把握済みだ。御するのは難しくない。
特に2人ともユーフェミアの死には相当な負い目がある。そこを突けば容易く心を揺り動かせるだろう。
更にルルーシュの持つ絶対遵守のギアスはこの場で何よりも重宝する。早めに合流しておきたい。

(それにしてもさっきの話、あれはどういうことなのかしら)

先程のセツナの話、全くもって不可解だ。ブリタニアの名は子供でも知っているというのにそれを知らない。
加えて第三次世界大戦とその影響で生まれたBSという汚染地域。そしてニードレスという超能力者。
単なる妄想だと片付けるのは簡単だ。だが彼女は至って健全に見えるし、ただの妄想にしては妙にリアリティが感じられた。
更に不可解なのは名簿にある「ロロ・ヴィ・ブリタニア」の名前。
ブリタニア姓を名乗っているがそんな者には会ったことがないし、名を聞いたことも無い。
ロロ・ランペルージと何か関係があるのだろうかと考えを巡らせるが答えは出てこない。

(…今はルルーシュ達を探す方に集中しましょう。だから精々役に立ってね、セツナちゃん)

全てはアーカーシャの剣の発動の為。そのためなら何を犠牲にしても構いはしない。
セツナからは見えない位置で口元を歪めながら魔女は歩み続ける。




彼女は知らない

この場に居る息子が自分の居た世界とは別の世界の住人であることに

御せると踏んだ相手は、最愛の妹すら切り捨てる道を選んだ強大な魔王であるということを

マリアンヌは、知らない


【セツナ@NEEDLESS】
[状態]:健康
[装備]:探偵バッジ@名探偵コナン
[道具]:共通支給品一式、ダディクールが持ってる包丁@やる夫スレ、ドラゴタイマー@仮面ライダーウィザード、きびだんご@御伽噺
[思考]
基本:ゲームからの脱出
1:アーニャと行動し互いの仲間を探す
2:ブレイド一派の抹殺(但しブレイドは確実に殺せる機が来るまで無理はしない)
3:ブリタニア…?
[備考]
※参戦自時期は学園編終了後

【アーニャ・アールストレイム@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[状態]:健康、マリアンヌ状態
[装備]:グロッグ17L(17/17)@BLACK LAGOON、探偵バッジ@名探偵コナン
[道具]:共通支給品一式、予備マガジン×4
[思考]
基本:自身の生存を最優先
1:セツナと行動し互いの仲間を探す
2:脱出の方法を探す。無理ならば優勝に切り替える
3:セツナの話とロロ・ヴィ・ブリタニアの名に疑問
[備考]
※ルルーシュに正体を明かすよりも前からの参戦
※現時点での意識はマリアンヌのものです。この先アーニャの意識が表面化するかは不明です
※ゼロ(ルルーシュ)を「反逆」世界のゼロと思っています

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最終更新:2015年07月26日 01:52
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