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禁じられた遊び

夜空に浮かぶ満月を水銀燈はぼうっと眺めていた。
殺し合いの場には似つかわしくない綺麗な満月。
地上で行われている残虐な催しなど気にも留めずに、こちらを見下ろし淡く光を放っている。

(そういえばもうすぐお月見パーティーするんだったわねぇ…)

姉妹と昔から付き合いの少年、それにその親友。
本当なら今頃は、自宅で行う彼らとのちょっとしたイベントを楽しみにしつつ、変わらぬ日常を過ごしていたはず。
それがどうしてこんな事になってしまったのだろう。
脳裏に浮かぶのはさっきの首を吹き飛ばされた死体、ではなくその後の出来事。




61人の参加者が会場へ転送される中、水銀燈だけは飛ばされずあの場に残っていた。
余りの非現実に混乱している時あの男、GOと名乗ったロン毛の青年は言った。

『ごめんごめん。水銀燈さん、だっけ?君にはちょっと話があるから残ってもらったよ』
『ま、詳しい説明は彼がしてくれるから』

言い終わると同時にGOの背後から男が姿を現した。
茶色の背広にメガネを掛けており、某天空の城のアニメに出てくる某大佐にどこか似ていた。

『やぁ、始めまして。ここからはGO様に代わり私が説明させていただきます』

男は無表情で淡々と話す。

『まずはこれを見て欲しいんDA☆』

男は懐から何枚かの写真を取り出し水銀燈に渡す。
困惑しつつそれを受け取り見た水銀燈は、驚愕し目を見開く。
何故ならそこには妹たちの学校や自宅での様子が写っていたからだ。

『専門的なことはともかく、君達の事は全て調べ尽くしてあるんDA☆』
『その気になれば何時でも妹たちを殺せる事が、分かるだろう?』
『っ!あんた…っ!』

水銀燈は怒りを露に掴みかかろうとするが、

『まま、そう焦んないでよ』

GOが手を翳した瞬間、その場で硬直してしまう。
必死に体を動かそうとするも、まるで見えないなにかに拘束されてしまったようにびくともしない。

『付け加えるとこのゲームには二人、君の妹が参加しているんDA☆』

告げられた一言にに青ざめる水銀燈。

『生き残れるのは一人だけ。どう足掻いても両方を生き残らせる事は不可能なんDA☆』
『けれど慈悲深いGO様が君の為に特別ルールを用意してくれました。かわいそうなお友達の数が君を入れて三人になったら、その時点で脱出させてあげるんDA☆』
『これなら姉妹揃って家に帰れることが、分かるだろう?』

男が言い終わったのを見計らい、次いでGOが口を開く。

『ただし願いを叶えるのは無しだからね。あれは最後の一人になった参加者へのご褒美だからさ』
『もし妹ちゃん達が途中で死んじゃって、生き返らせたいってなったら、その時は最初に言った通り殺し合いに優勝する道を選ぶんだね』
『あ、疑ってる?大丈夫だって安心しろよ~。俺の力でパパッと蘇らせてやっからさ』

『じゃそろそろいいよな?いこうぜもう、チャチャっと。大丈夫だろもう?よしキマリッ!』

一方的に話を打ち切ると、水銀燈が何か言う前に転送を開始。
しかし、会場へ送られる直前に思いもよらぬ事を言った。

『あっそうだ(唐突)。妹ちゃん達だけじゃなく、やる夫君とやらない夫君も参加してるから』




あれからずっと考えた。
自分はどうすべきなのかを。
誰を守り、誰を切り捨てるのかを。
考えて考えて考え続けて、決断した。

(支給品は説明書通りならどれも強力なもの。これもあいつの慈悲ってわけかしらぁ)

きっとあの二人は自分の選択を認めないだろう。
酷く罵倒され恨まれるかもしれない。

(伊藤誠、あいつまでここに居るのね。もし見つけたら…)

けれど構わない。
それで二人を、妹達を守れるなら自分はどれだけ傷ついてもいい。
手を汚すのは自分一人でいい。

(待ってなさい。お姉ちゃんが絶対助けてあげるから)


【水銀燈@やる夫スレ】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:共通支給品一式、不明支給品1~3
[思考]
基本:翠星石と雪華綺晶を生き残らせる
1:妹以外の参加者を殺す
2:やる夫、やらない夫にはできれば会いたくない
3:もし翠星石達が死んだら…?
[備考]
※GOから特別ルールを設けられました
1:残り人数が水銀燈を入れ三人になったら会場から脱出できる。
2:但し願いを叶える権利は得られない。


「説明お疲れ様。悪いね、突然押し付けちゃって」
「いえ、GO様のお役に立てて光栄です」

労わりの言葉を掛けるGOへ恭しく頭を下げる某大佐似の男。
現在彼らが居るのはあの薄暗い会議室のような部屋ではない。
窓の一切ない空間。そこに無数のモニターが存在している。
モニターの画面に映る殺し合いの様子を、GOは楽しげに眺めていた。

「おう、何勝手なことしてんだよ」

と、背後からの声に神は振り向く。
そこに居たのは黒いスーツを着たヤクザ風の男だった。

「あんなルール用意するなんて聞いてねぇぞ。どういうつもりだ?あく説明しろよ(せっかち)」
「ごめんごめん。でも別にいーじゃん。彼女、ゲームに乗ってくれたみたいだしさ」

気楽に言うGOを睨み付けるヤクザ風の男。
だがこの神が勝手な行動をするのは今に始まったことではない。
ため息を吐くと背を向け、そのまま話す。

「…次からは俺に一言声かけてからにしろよ」

それだけを言い男は部屋を後にする。
その姿を見送ったGOは再びモニターを眺め楽しげに笑う。

「TNOK君ももっと気楽に楽しめば良いのに。ねぇ、馴レーション君?」
「GO様の仰る通りDEATH!」

そう、殺し合いはまだまだ序盤に過ぎない。
62人の参加者がどんな結末を迎えるか。
それは神にも分からない。


※主催者側に馴レーション@チャージマン研!とTNOK@真夏の夜の淫夢が居ます。

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最終更新:2016年02月09日 05:21
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