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Forest of the nightmare~二人の不幸と迫る危機と第五天魔王~

走る走る走るとにかくひたすら走る。
翠星石はやる夫から逃げるため、森の中を一心不乱に駆けていた。
やがて一際大きな木の前まで来ると、体力も限界なのか、根元に座り込んだ。

(もう追ってこねぇですか…?)

木の後ろに隠れつつ、顔を覗かせ様子を窺う。
暫く経ってもやる夫は現れなかったので、どうやら振り切ったと判断し、大きく息を吐いた。
疲れと恐怖で心臓が未だに、激しくドクドクと鳴っている。

「うぅ…」

膝を抱え涙を流す翠星石。
やる夫は絶対に殺し合いなんかには乗らないと信じていたのに。
結局彼もこの状況では、我が身が一番だったのだろうか。
まさかやらない夫や、姉と妹まで自分だけが助かる為に、殺し合いに乗ってしまっているのではないか。
ショックと恐怖と疑心暗鬼が頭の中でごちゃ混ぜになり、翠星石はおかしくなりそうだった。

「どうしたの?」

突然声を掛けられ、翠星石はきゃっと悲鳴を上げる。
何時の間にか自分の直ぐ傍に黒髪の女が居た。
女は長髪の間から覗く陰鬱な顔で翠星石を見つめ話す。

「ひとりぼっちで、泣いていたの?」
「こ、こっちに来るんじゃねーです!」

翠星石は尻餅を付きながら後ずさる。
突如現れた女は、森の不気味な雰囲気と相まって幽霊のように見えた。
必死で逃れようとするも、女はゆらゆらと揺れながら距離を詰めてくる。

「あなたも一緒ね。市といっしょ。暗闇の底にひとりぼっち」
「お、お前の事なんか翠星石は知らないですよ!」
「みんな市を置いていなくなる。ひとりはいや、ひとりはいやなの」
「な■■■さまも■■■さまも■ん■■君も」
「やっと会えた■■さまも」

会話が通じていないと翠星石は思った。
女はこちらに近付きながらも、翠星石ではないどこかを見て話している。
翠星石の心には、銃を撃ってきたやる夫とは別種の恐怖が湧いてきた。

「でも大丈夫。またみんなといっしょにいられる」
「だから」
「だから、ね」

女と翠星石の目が合い、

「あなたも市の傍にいてね」

女の後ろで闇が蠢いた。

闇はまるで生き物のようにグネグネと動き形を変える。
目を見開く翠星石の前でソレは巨大な手へとなり、女を守護するように纏わり付いた。
同時に女が不気味で、それでいてどこか蠱惑的な笑みを浮かべる。

「さぁ、市といっしょに……ね?」
「ひっ…」

怯え涙を流す翠星石へ、女と手が近付く。
逃げようにも腰が抜けて立てない。
もういやだ。どうして自分ばっかりこんな怖い目に遭うのだろうか。
誰でもいいから助けに来て。

「すす、翠星石からは、離れるお…!!」

ダァンと銃声がし、女が痛みに呻く。

「うあっ……」
「ひっ!な、なに…?」

突然の銃声と聞き覚えのある声。
翠星石がそちらを向くとそこには、銃を構えた小太りの少年、やる夫が立っていた。
両手で構えた銃からは硝煙が昇っている。
やる夫は女へ銃を向けながら、翠星石に話しかける。

「だ、大丈夫かお翠星石。今の内にこっちに来るんだお!」

その言葉に安堵しかける翠星石だが、直ぐに思い直しやる夫を涙目で睨む。

「そんな言葉には騙されねーですよ!このお化け女の後で、翠星石も殺す気でしょう!?」
「なっ、そんな事しないお!やる夫は翠星石を助けに…」
「嘘です!やる夫は自分だけが生き残るために、翠星石を殺そうと思ってやがるです!」

半狂乱になりながらやる夫を拒絶する翠星石。
全ては偶然が引き起こした不幸な事故なのだが、翠星石にはそんな事分からない。
殺し合いという異常環境に加え、幼馴染に殺されかけるという悲劇。更に気が触れたとしか思えない女に襲われた。
これらの出来事は臆病な翠星石の心を蝕むには十分だった。

「だからちげーお!翠星石、頼むからやる夫の話を「いたい…」」

やる夫の言葉を低い声が遮る。
二人の言い争いに比べるとずっと小さい声なのに、不気味な程ハッキリと聞こえた。

「いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい」

女は壊れたラジオのように、延々と呟きながらやる夫を睨む。
その途端、全身に冷水を掛けられたような震えが走った。

「いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい」

その声が耳に入り、女の顔が視界に映り、やる夫は我を忘れて叫びたくなるほどの恐怖に襲われた。
それでも、視界の隅に自分と同じく恐怖に包まれている翠星石が見えたお陰で、何とか正気を保てている。

「いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい」

女が緩慢な動作で腕を上げると、足元から無数の黒い腕が生えた。
腕はやる夫と翠星石の方へゆっくりと伸びてくる。
まずい、早く止めなくては。もう一度銃を撃って止めろ。
頭でそう思っても、恐怖で固まった身体は言う事を聞いてくれない。

「あっ」

そして視界が黒一色に染ま――――



「ちょっと刃ぁ当たんよ~」



―――らなかった。




「あなたも市に酷いことするのね…」
「こっちにも事情があるからさ。早く死んでくれよな~頼むよ~」

銃声やら言い争う声やらを聞きつけた野獣先輩は、ビーストドーパントの身体能力ですぐさまそちらへ向かった。
全ては遠野を生き返らせる為。その願いを胸に見つけた女を爪で切り裂こうとした。
しかし女は咄嗟に黒い腕を交差させ迫る一撃を防御、野獣の奇襲を防いだのである。

(こいつもドーパントなのか?)

足元や背後で蠢く黒い腕。
あれはガイアメモリの力で生み出しているのかと考える野獣。
だが完全な異形と化した己と違い、向こうは人間としての姿を保っている。

(まぁ、どうでもいいっすけどね~)

相手が人間だろうが化け物だろうがどうでもいい。
どうせ自分以外は全員殺すのだから。
女の近くには高校生くらいの少年と少女が気絶し、倒れていた。
見た所、ガイアメモリのような道具は持っていないようだ。
ならばまずはこの気味の悪い女を始末し、それから少年少女を殺す。
野獣はそう決めると脚に力を込め、対峙している女へ襲い掛かった。


【野獣先輩@真夏の夜の淫夢】
[状態]:健康、ビーストドーパントに変身中
[装備]:ビーストメモリ@仮面ライダーW
[道具]:共通支給品一式×2、不明支給品1~3(KMR)
[思考]
基本:優勝して遠野を生き返らせる
1:女(お市)を殺し、気絶した二人(やる夫、翠星石)を殺す
2:皆殺し。MUR達に会っても容赦はしない
[備考]
※参戦時期は遠野と幸せなキスをした直後


【お市@戦国BASARA】
[状態]:疲労(小)、右肩に銃創
[装備]:
[道具]共通支給品一式、不明支給品1~3
[思考]
基本:?????
0:?????
[備考]
※戦国BASARA3、お市紫ルート『本能寺の変』開始直後からの参戦

【入速出やる夫@やる夫スレ】
[状態]:疲労(大)、精神疲労(中)、気絶
[装備]:TNOKの拳銃(4/6)@真夏の夜の淫夢
[道具]:共通支給品一式、不明支給品0~2
[思考]
基本:殺し合いはしない
0気絶中
1:翠星石の誤解をどうにかして解く
2:やらない夫たちを探す
3:伊藤誠には会いたくない
[備考]


【翠星石@やる夫スレ】
[状態]:疲労(大)、精神疲労(大)、錯乱中、気絶
[装備]:
[道具]:共通支給品一式、不明支給品1~3
[思考]
基本:死にたくない
0:気絶中
1:やる夫もお化け女(お市)も怖い。誰を信じたらいいか分からない
[備考]

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最終更新:2016年02月25日 05:02
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