面倒な事に巻き込まれたと、事務所のような部屋で枢木スザクは思った。
ルルーシュと共にゼロレクイエム達成の準備を進めている最中、こんな所に拉致されるなど頭を抱えたくなる。
ヴァルトシュタイン卿他ラウンズは撃破したものの、シュナイゼルと黒の騎士団は健在。
そんな状況で自分という貴重な戦力を失えばどうなるか。
ルルーシュやジェレミアを信じていない訳では無いが、間違いなく苦戦は免れないだろう。
一刻も早く脱出し、ルルーシュの元に戻らねばならない。
主催者は優勝すればどんな願いでも叶えると言っていたが、そんな与太話信じられる訳がない。
大方
殺し合いを円滑に進める為の甘言だろう。
主催者の戯言を無視し、スザクはデイバッグの中身を確認する。
中身を全て取り出し、その一つである名簿を開く
「味方になりそうな人は来ていない、か」
名簿にあった気になる名は4つ。
まず扇要。シュナイゼルと同盟を結んだ黒の騎士団の幹部で、スザクとは敵対している。
とはいえ彼は同じ騎士団の紅月カレンや藤堂鏡志朗、黎星刻と比べ高い戦闘能力や指揮能力は持っていない、
良くも悪くも平凡な男だ。
警戒はするが対処はそう難しくないだろう。
続いてアーニャ・アールストレイム。ラウンズのNo.6でかつての仲間。
その彼女も今ではジノと共にシュナイゼル側へ付いた。
この場での一時的な共闘に持ち込める可能性もあるが、万一の時には彼女を殺す事も視野に入れておく。
3人目の人物はゼロ。かつてルルーシュが名乗っていた革命家としての名であり、近い未来自分が新たに名乗る記号。
だがルルーシュは既にゼロを捨て、ブリタニアの新皇帝として堂々と名乗りを上げている。
それにゼロというコードネームはそう珍しいものではないし、偶然同じ名の別人の可能性が高い。
が、ルルーシュ本人だという可能性も僅かだが考えられる。もしそうならば急ぎ合流し、彼の安全確保が最優先となるだろう。
ゼロレクイエムにはルルーシュの存在が必要不可欠なのだから。
そして4人目は――
(ロロ・ヴィ・ブリタニア。ブリタニア姓だがそんな皇族は知らない。何者なんだ?)
おそらくはブリタニア皇族なのだろうが、聞いた事がない。
偶然にもロロ・ランペルージと同じ名だが、彼は既に死亡している。何か関係があるのだろうか。
正体は分からないが、今のスザクの立場を知れば良い顔はしないだろう。
やはり警戒しておく必要がある。
名簿を閉じルールブックを軽く読むと、それらをバッグに仕舞い、己に支給された武器を見る。
種類の違うオートマチックの拳銃が二挺。
それに予備のマガジンがそれぞれ5つ。
それぞれ動作チェックをしてみるが、問題なく動く。特に細工などはされていないようだ。
片方を装備し、もう片方はデイバッグに入れる。
最後の一つはナイフ。
何の変哲も無いそれをマントの裏に仕舞う。。
これで準備は整った。
まず殺し合いに反対する者を探そうかと考え、今居る建物を後にした。
◇
暫く歩いていると、ふいに嗅ぎ慣れた血のにおいが鼻をついた。
何時でも銃を取り出せるようにしながら、警戒し臭いの元へ近付く。
辿り着いた先は裏路地で、そこに制服を着た少女がへたり込んでいた。
少女の目の前には頭部の無い死体が横たわっており、血溜まりを作っている。
「……ねぇ」
慎重に近付くスザクに気付いたのか、少女が背を向けたまま話しかけた。
「あんたが殺したの?」
「…違う。僕がこの場で会ったのは君が最初だ」
「そう…」
一言呟いたきり少女は黙り込む。
スザクが問いかけようとするがそれを少女が遮る。
「死ぬはず無いって思ってた」
「……」
「いっつも無茶ばっかりして、死にそうな目に何度も遭って、でもまた生きて会えて。
だからこんな意味分かんないとこでも、無事に会えるって思ってた」
「……」
「でも死んだ。魔法少女も関係ないようなのに巻き込まれて、呆気なくさ」
少女がそこまで言った時、爆音のようなものが聞こえた。
思わずそちらをスザクは警戒するが、少女は何も反応しない。
「僕はあの音の方へ行こうと思う。君は…」
「ごめん、今は一人にして」
相変わらず背を向けて言ったその言葉には、どこか拒絶が混じっているように感じられた。
スザクが武器を持っているかと聞くと、片手を億劫に上げる。
そこには銃が握られていた。
「僕は行くよ。君もなるべく急いで離れた方がいい」
「忠告どうも」
素っ気無い言葉を最後に二人は分かれた。
お互いの名前も知らずに。
スザクが離れていく足音を聞きながら、改めて少女は思う。
どうしてこんな事になってしまったのだろうと。
最初に見つけた時から嫌な予感はしていた。
アイツによく似た体格で、同じ学校の制服で。
それでも違うと思いたかった。この死体はただの別人で、アイツはちゃんと生きてるんだと。
その儚い期待も、血で染まった首輪を見てあっさり砕け散った。
首輪の裏面にはハッキリと『児上貴衣』の名が刻まれていた。
あの魔法少女達による虐殺を生き延びた先で待っていたのは、理不尽な殺し合いでの呆気ない死。
必死に戦って、その末路がこれか。
「ねぇ、なんでよ、児上ぃ……」
何も考えられない程の絶望の中で、少女はただ涙を流していた。
【鞘野楓@魔法少女・オブ・ジ・エンド】
[状態]:精神疲労(大)、深い悲しみ
[装備]:スチェッキン・フル・オートマチック・ピストル(20/20)@BLACK LAGOON
[道具]:共通支給品一式、予備弾倉×5、不明支給品0~2
[思考]
基本:どうすればいいか分からない
0:児上……
[備考]
※参戦時期は原作7巻で殿ヶ谷と接触した後。
※死体の直ぐ近くに首輪(児上)が落ちています。
※首輪の裏面には装着している参加者の名前が記されています。
支給品紹介
【スチェッキン・フル・オートマチック・ピストル@BLACK LAGOON】
鞘野楓に支給。
ホテル・モスクワの大幹部、バラライカが愛用。
セミ、フルオート両方の射撃が可能な大型軍用ピストル。
少女を裏路地に残したスザクは、爆発があったであろう場所へ歩く。
彼女の事が気にならない訳ではなかったが、今は急ぎ脱出する事が最優先だ。
だから彼女は置いていった。
ふと、もしも昔の自分ならどうしただろうかと思った。
間違ったやり方で得た結果に意味は無いと考えていた、愚直な正義感に燃えていた頃の自分ならば。
あの少女を置いて行きはしなかっただろう。無理やり引き摺ってでも連れて行っただろう。
けれど今ここに居るのはもう昔のスザクではない。
ルルーシュの敵を排除する為の剣、ナイトオブゼロだ。
余計な考えを振り払うように、スザクは足を速めた。
【枢木スザク@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[状態]:健康
[装備]:ゼロのハンドガン(予備マガジン×5)@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー、不良少年のナイフ@チャージマン研!
[道具]共通支給品一式、ベレッタM1934(7/7、予備マガジン×5)@名探偵コナン
[思考]
基本:ゼロレクイエムのために急ぎルルーシュの元へ戻る
1:爆発音のした方へ向かう
2:扇、アーニャを警戒
3:名簿のゼロがルルーシュなのかどうか確かめる
4:ロロ・ヴィ・ブリタニアとは誰だ…?
5:少女(鞘野)が少し気がかり
[備考]
※R2第22話にてラウンズ撃破後からの参戦。
支給品紹介
【ゼロのハンドガン@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー】
枢木スザクに支給。
6話にてゼロが草壁中佐を殺害するのに使った銃。
正式な種類は不明。
【ベレッタM1934@名探偵コナン】
枢木スザクに支給。
黒の組織の構成員、ジンが愛用している拳銃。
【不良少年のナイフ@チャージマン研!】
枢木スザクに支給。
第49話『不良少年の正体は!』に登場した不良(正体はジュラル星人)が所持していたナイフ。
最終更新:2016年03月16日 03:57