《ルルーシュ・ランペルージ》
放送が流れ、また数人の死傷者の名前が流れていく。
既にゲームに乗っているものも多数いるようだ。俺は禁止エリアを確認し、時計を見つめる。
なぜ、戦いを始める。
それがあいつらを喜ばせる結果となるというのに…なんでわからない。
C.C.「仕方ないだろう?そのために、この世界はつくられたんだからな」
人間の醜い争いを俺に見せて、皇帝は何をさせたいというんだ?
C.C.「それは、お前がいってみればわかることだ」
俺の記憶を蘇らせてくれたことには感謝するが、肝心なことに関しては黙ったままか、魔女め。
姿も見せず、俺の頭で勝手なことを言う。
C.C.「私はシーツーだからな」
朝倉涼子に襲われそうになった俺は、頭の中、突如聞こえた声により意識を覚醒させ、ギアスにより朝倉涼子を葬った。
それがC.C.であることは記憶が蘇ってからだ。
最初、教室の机の上で目を覚ましたときは覚えていたことが、時間がたつにつれて、この世界の記憶に飲み込まれそうになったのだ。
これもまた…皇帝の力なのか?
C.C.によれば、この世界は、俺のいた世界ではない…つくられた世界ということだ。
俺以外の人間もまた別の世界から呼び集められた、いわば被害者。
そしてその世界により歴史は歪曲、改変させられ偽の記憶として皆、植え付けられているのだ。
しかし、今はこの世界が現実であることも事実。
俺の世界では既に死んでいるシャーリーやロロもここではまだ生きている。
それは…俺にこの世界への誘いなのかもしれない。
ルル「答えを知るためには、ここにある神根島の遺跡に行くしかないということか」
そう…俺が元いた世界にあった島とここが同一であるならば、入り口は分かっている。
そのためにはまだかなり歩かなければいけないのだが。
ただでさえ俺は体力がないというのに。
朝倉涼子のように近接戦闘であれば問題はないが、遠距離からではギアスでも対処しきれない。
C.C.「シャーリーやロロは放っておくのか?」
ルル「今は、そんなことを言っている暇ではない」
C.C,「襲われているかもしれないのにか?」
ルル「…俺は一度シャーリーやロロを失った。何度も同じ苦しみを俺にあじあわせるのか?」
C.C.「…この世界のシャーリーやロロは関係ないと?」
ルル「そういうことだ。俺にはこの作られた欺瞞と嘘の世界ことはどうだっていいからな」
一見、独り言の怪しい人間に思われかねない行動をとっているということは、このときの俺にはわかっていない。
???「ブリタニア人、かくごぉぉぉおお!!」
突然の声に俺は、目の前に切りかかる男に対して驚き、その場に腰を落して転んだ。
それが結果的に俺に切りかかってきた男の刃から避けることとなる。
男の刃は俺の髪を霞めた。
ルル「お、おい!待て!俺もブリタニア人に巻き込まれてこのゲームに参加させられている身だぞ!」
将士「知ったこと!この風華学園3年武田将士、ブリタニアの野望を打ち砕く!」
ルル「ちっ、言ってもわからない馬鹿ばかりめ」
俺はギアスをかけようとした、そのときだ。
俺を後にして、俺たちの中を割って入ってくる影…。
???「やめるんだ!こんなことをしても、何にもならない!」
その後姿には、見覚えがある。
ルル「…ス、スザク?」
スザク「…大丈夫かい。ルルーシュ」
俺のほうを見ずにスザクはそう告げた。
このスザクはこっちの世界に飲み込まれているのか、
それとも…俺の世界のスザクなのかで話は変わってくる。
ナナリーを攫い、俺をブリタニアに売ったものであるならば、もはや遠慮する必要はない。
俺は腰にある銃を握る。
将士「貴様ぁ!俺たちの敵であるブリタニア人をかばう気か!」
スザク「ブリタニア人も日本人も関係ない。僕は、みんなを助けたい」
将士「そんなことができるはずがない!!」
スザク「できる!僕が、約束する」
将士「…」
スザク「だから、僕に任せてはくれないかい?」
男は握っていた日本刀らしきものをおろす。
将士「同じ日本人であるお前が言うのであるなら、託そう」
スザク「ありがとう。必ず約束は守る」
男の戦意をなくさせるよう、言いくるめたか。
敵であれば厄介だが、味方であれば、これ以上なく頼りになる奴だ…スザクは。
C.C.「いいのか?今、あいつは無防備だぞ。撃つのなら…」
黙っていろ魔女。
将士「俺の名前は、武田将士だ」
スザク「僕の名前はスザク…。よろし」
突然だった銃声とともに、武田の体が崩れ落ちる。
その男の頭はまるで西瓜が割れたように、バラバラになっていた。
【武田将士死亡】
俺はその方角からして、木陰からの狙撃であるとは判断した。
俺は体を地面に這わすようにして、草木の中に隠れるようとする。
再び銃声、連続して音が鳴り響き土煙をあげながら、俺に襲い掛かる。
それは、俺の脚に命中する。
ルル「ぐわぁぁぁっ!!」
痛みが走り、声にならない悲鳴をあげる。
スザク「ルルーシュ!」
俺は、草木に身を隠したまま、脂汗をかき、重苦しい息をあげていた。
スザクもまた、草木にかくれ、俺の怪我した部分を見る。
靴を脱がしてみると、白い靴下は血があふれ、真っ赤に染まっている。
スザク「ここで声をあげないで、もし痛いときは服を噛んでじっとしていて」
スザクはそう告げると、草木から出て行く。
バカな、立ち向かうつもりか!?殺されるぞ…。
相手は銃を持っている。お前は素手じゃないか。
スザク「…でてきたらどうだい?僕は丸腰だよ」
俺たちが今まで歩いていた獣道のような場所に姿を現す二つの影。
俺はそれを見て目を見開いた。そう、それは子供!?白髪の子供である。
その子供が似合わない巨大な銃を持ち、さらにもう1人は黒い斧を持っている。
スザク「子供!?」
スザクもまた、その正体に驚いている。
その反応を楽しむかのように白い歯を見せて笑う子供。
ヘンゼル「姉様、上手く命中したみたいだね」
グレーテル「えぇ。お兄様。弾も無限ではないもの。1人一発で殺したいわ」
こいつら…本当に子供か!?銃も何も言わなければ見た目では完全に子供で間違いはない。
だが…言っていること、それにその武装、殺人におけるまったくの動揺のなさ、こいつらはイレギュラーだ。
このゲームにおいては、人間の異常性、一般の生活からの大いなる逸脱において、
人間がいかに狂うかを見せるものであると俺は理解をしている。
しかし、こいつらは…人を殺すことが常識、普通となっている。そんなものにとっては、ここにいる人間は赤子も同然。
スザク「…君達もこのゲームを終わらしたいだろう?だから」
これらのことを考えると…スザク!奴らには説得など無理だ。
グレーテル「あはは。ゲームを終わらそうですって兄様」
ヘンゼル「僕たちはゲームを楽しんでいるのに、なぜやめなきゃいけないんだい?」
子供の姿をした悪魔は、面白そうに笑っている。
スザク「…殺し合うことが、遊びだというのかい?君達は?」
ヘンゼル&グレーテル『そうよ(だよ)』
グレーテル「互いが己の存在をかけて、相手の存在を否定する遊戯」
ヘンゼル「負ければその負けた命を、自分の命に加算することができる遊戯」
グレーテル「だから、私たちは負けないわ」
ヘンゼル「僕たちは、たくさん人を殺してきたからね」
日本に来て暫く、俺とナナリーは日本での習慣になれることが大変だった。
靴を脱いでの生活。食における箸の使い方。
日本では当たり前の習慣であっても、異国から着た俺、ナナリーにはそれらすべてが初めてであり、そして異なる習慣的なものであった。
そう…今、俺とスザクが遭遇しているのも同じ。
あの2人には俺たちの常識は通用しない。
奴らには…奴らの中の常識が存在している。
スザク「どうやら、君達とは話してもわかりあえないようだ」
ヘンゼル「今さら遅いよ?」
グレーテル「あなたはここで死ぬの」
ヘンゼル「そして僕たちの命の糧になるのさ」
グレーテル「さようなら」
スザク「そうはいかない!」
スザクはそういうと、握りしめた手を開いて2人に向かって投げつける。
それは砂!?2人の視界を奪ったスザクは、俺のいる草むらに滑り込み、俺を担いで走り出す。
後からは銃声が聞こえてくるが、スザクの走りの速度は超人的だ。
ルル「すまない…スザク」
くそ、意識がなくなってきた。血を失いすぎたか。
スザク「まだ…君には……」
スザク、何を言っている?俺は……。
《ヘンゼル&グレーテル》
ヘンゼル「逃げられてしまったね姉様」
グレーテル「しょうがないわ兄様。今度見つけたときにしっかりと殺しましょう?」
ヘンゼル「そうだね姉様。まだまだいっぱい獲物はいるんだから」
グレーテル「いっぱい楽しみましょう」
ヘンゼル「いっぱい楽しもう」
グレーテル「フフフ…」
ヘンゼル「アハハ…」
ルルーシュ・ランペルージ
【健康状態】足を撃たれて重傷
【精神状態】意識を失う
【装備】コードギアス一般兵士用ハンドガン、手榴弾×3、地図、水、パン、防弾チョッキ コンパス 時計
【特殊能力】ギアス(絶対服従の力)
枢木スザク
【健康状態】良好
【精神状態】ルルーシュ負傷のため焦る
【装備】地図 水 パン コンパス 時計
【特殊能力】特になし
ヘンゼル
【健康状態】良
【精神状態】良好
【装備】斧、地図、水、パン コンパス 時計 双眼鏡(菊川雪之からの戦利品)
【特殊能力】グレーテルとの精神疎通
グレーテル
【健康状態】良
【精神状態】良好
【装備】ブローニング自動小銃 弾 地図、水、パン コンパス 時計
【特殊能力】ヘンゼルとの精神疎通
最終更新:2009年04月18日 23:10