24話 The unexpectedness and it are fatal.
エリアG-2に存在するガソリンスタンドの事務室を漁る一人の参加者がいた。
一角が付いたカチューシャのような飾りを白髪の頭に付け、
最低限の部分しか隠れていない露出の高い装具を身に着けた若い女性。
深い青を湛えた瞳のその顔立ちにはまだあどけなさが残っていたが、
美しい肢体の下には強靭な筋肉が付いていた。
「これ何だろ、車のカタログか何か? …見た事ない車ばっかりだなぁ」
適当に手に取った中古車カタログを読む女性――エルザ・ウェイバー。
彼女は魔物討伐で生計を稼ぐ、いわゆるハンターのような職に就いていた。
昨日は一回り巨大な獲物を仕留め、いい気分で自宅で寝酒をあおり床についた、はずだった。
だが目覚めた時にはそこは自宅ではなく、
大勢の人々が集められた真っ暗闇の空間。
そして開幕した、リリア・ミスティーズと名乗る女によるこの
殺し合い。
首輪の爆破実演を見せられた時には、その威力にエルザはたじろいだ。
青いタヌキのような機械の喉元を易々と破壊した危険物は、
自分の首にもしっかりとはめられていた。
「駄目だここ。何もないや……」
一通り探索を終え、何も収穫がなかった事に落胆するエルザ。
「何かもっと武器になる物があれば良かったんだけど。
まぁ…支給品そこそこ良い物だったから、良しとしよう」
テーブルの上に置いてある自分の支給品、九五式軍刀と、
首輪探知機なる小型の端末機を見る。
首輪探知機はその名の通り、探知機を中心に半径50メートル以内にある、
参加者にはめられる首輪を探知し、小さなディスプレイに黄色い光点として表示する機械。
但し名前などは表示されず、死者の首輪にも反応するので過信は禁物だ。
現在中心点の一番近くに表示されている光点は所有者であるエルザのものである。
九五式軍刀を腰のベルトに差し込み、鞘から抜き刀身を確かめる。
外から漏れる月明かりに照らされ刃がぎらりと光った。
鞘や柄、鍔は余り豪華な造りではないが刀身はそれなりに良質のようだ。
元々剣を中心に扱う剣士であるエルザにとっては適性のある武器である。
エルザ自身は進んで殺し合いを行うつもりはなかったが、自衛の手段は必要だった。
殺し合いに乗った者に襲われた時に丸腰で切り抜けられると思える程、
エルザは自信家でもなければ馬鹿でもない。
「ん?」
ふと、テーブルの上に置かれた首輪探知機にエルザが目をやると、
自分の位置から南方向、ガソリンスタンドの正面付近に、もう一つの光点が現れていた。
まだ痛みの残る腹部をさすりながら青い髪を潮風にたなびかせ歩く少女、フォナ・アンシュッツ。
彼女の目指す先、非常灯のみが点いているガソリンスタンドはもうすぐそこである。
今、フォナの右手には非常に小型の護身用拳銃・レミントン デリンジャーが握られている。
先刻、崖付近で狐獣人の女を襲った(返り討ちにされたが)時は使わなかったものだ。
デイパックにはデリンジャーの予備弾、そしてもう一つの支給品である、
大量の写真が入った小さな箱が入っていた。
何の写真かと言うと、フォナにとってはやや刺激的な写真。
雄の獣人の、■■を■■ている写真、■■から■く■った■■がほとばしった瞬間の写真、
■■■に極太の■■■■■■を■■してよがり狂っている写真――。
とにかく、そんな感じの写真がおよそ、100枚近く入った箱だった。
それを最初に見た時のフォナ少女の衝撃は想像するに難くない。
ともあれ、小型ながらも銃器を携えたフォナは、
警戒しつつ、ガソリンスタンド内部、待合所と思しき場所へ向かった。
ガラス扉を開け中に入る。内部は非常灯しか点いておらず薄暗い。
やむを得ずデイパックから懐中電灯を取り出し、スイッチを入れ室内を照らした。
カウンターや、自動車に使うオイルや車内用の芳香剤が陳列された棚がフォナの目に移ったが、
特に目を引くような物は見当たらなかった。
(奥に、誰かいたりとかする…?)
奥に事務所へ続く扉を見つけ、フォナが心の中で呟いた。
(今度出くわしたら、今度こそ…!)
今度こそ仕留めてみせる、と、手にしたデリンジャーのグリップを握り締めながら、
フォナは事務所の扉へと近付いていった。
ガチャ、ギイイイ…。
扉を開け、フォナが事務所内へ足を踏み入れる。
懐中電灯で室内を照らしながら前へと進むフォナ。
事務所には幾つかの机、棚、応接用と思われるテーブルやソファーが置かれていた。
一通り見た感じでは、人の気配はないが、まだ分からない。
フォナは右手のデリンジャーの引き金に指を掛けたまま、部屋の奥へと歩く。
「ねぇ、ちょっといい?」
「!!」
突然背後から聞こえた女の声に、フォナは驚き物凄い勢いで声の方向に振り向く。
直後、フォナの喉元に冷たい刀の切っ先が突き付けられた。
少しでもこちらが妙な動きをすればすぐにでも首を刺し貫くつもりだとフォナは確信する。
刀の持ち主、エルザ・ウェイバーはフォナに刀、九五式軍刀の切っ先を突き付けたまま口を開く。
「あんた、殺し合いに乗ってるね」
「!? な、何で…」
「分かるのよ。私も一応色々戦ってきた戦士だから」
自分に向けられたエルザの鋭い目付き、そして落ち着いた物腰を見て、
フォナは今自分と相対しているこの白髪頭の女性が、
かなりの死線を掻い潜ってきた歴戦の戦士だという事を察知した。
「の、乗っていたら何? わ、私を殺すの?」
「もし、殺し合いをやめて私と一緒に来てくれるって言うなら助けてあげるけど。
私はこんな殺し合いする気なんてないよ。あんなリリアとかいう女の言いなりになるなんて、
馬鹿げてると思わない?」
「……そうだね。馬鹿げてるね」
自分の説得が通じたと思ったのか、エルザの表情が少し明るくなった。
だがフォナの本当の狙いは別の所にあった。
次の瞬間、エルザの目の前からフォナの姿が消えた。
突然の事にエルザが一瞬戸惑っていた、それが隙を生んだ。
ぱん、ぱん、と乾いた音が室内に二回響き、エルザの剥き出しの腹部に激痛が走る。
「ぎっ…!?」
エルザが腹部を左手で押さえ、その手を見ると、赤い血液がべったりと付着していた。
見れば先程消えたフォナが床にしゃがみ込んで手にした小型拳銃の銃口を自身に向けていた。
撃たれたのだと、エルザは確信する。
これこそがフォナの狙いだった。だが、ここでフォナにとって想定外の事態が起こる。
腹に拳銃弾を二発も撃ち込めば倒れるだろうとフォナは踏んでいたが、
デリンジャーの.41リムファイアー弾程度の威力では、手傷は負わせれど、
さほどダメージを与えられていなかった。
更に、今まで数々、獲物である魔物と激戦を繰り広げてきたエルザの肉体は、
外見とは裏腹に強靭な耐久力と生命力を備えていたのである。
「あ、あれ、おかしいな…嘘、何で死なないの?」
予想外の事に今度はフォナが戸惑う。
グサッ。
戸惑うフォナの身体を、九五式軍刀の刃が刺し貫いた。
心臓と背骨を刺し貫かれ、フォナの身体は一瞬で全ての力が抜け、
だらんと、まるで糸の切れた操り人形の如く脱力した。
エルザが刃を引き抜くと、そのままフォナの死体は床に崩れ落ち、床に血溜まりを作った。
「はぁ、はぁ…あのねぇ、こんなちっぽけな豆鉄砲で、私は死なないわよ」
痛みに耐えながら、エルザがフォナの死体を見下ろし言った。
【フォナ・アンシュッツ@オリキャラ 死亡確認】
【残り39人】
【一日目深夜/G-2ガソリンスタンド】
【エルザ・ウェイバー@オリキャラ】
[状態]:腹部に二発被弾(命に別条なし)
[装備]:九五式軍刀
[持物]:基本支給品一式、首輪探知機
[思考]:
0:殺し合いを潰す。脱出手段の模索。
1:仲間を集めたい。
2:傷の手当てをできる場所を探す。
※G-2ガソリンスタンド周辺に銃声が響きました。
※G-2ガソリンスタンド内部にフォナ・アンシュッツの死体と所持品があります。
≪支給品紹介≫
【九五式軍刀】
昭和10年(皇紀2595年)に開発された軍刀。
刀身は機械打ちだが、研究改良の末に頑丈かつ実戦向きの物となっている。
本ロワに登場するものは鞘が深刻な物資不足により木製になった最末期型。
【首輪探知機】
探知機を中心に半径50M以内の首輪を探知し、
画面に光点として表示する小型端末機。
死者の首輪にも反応する。
【レミントン デリンジャー】
1864年にレミントン社のウィリアム・エリオットが設計した、中折れ上下2連式の小型拳銃。
12㎝という小ささから、携帯性や隠匿性に優れ、女性の護身用やガンマンの
バックアップピストルとして使われたとされている。
使用弾薬:.41リムファイアー弾 装弾数:2発
【雄獣人エロ写真詰め合わせ】
狼、虎、獅子、犬、猫、竜、多種多様の雄の獣人の、アレな写真が100枚ほど入った箱。
当然全て無修正で丸見え。その手の人にはたまらない一品。
≪オリキャラ紹介≫
【名前】エルザ・ウェイバー
【年齢】22
【性別】女
【職業】ハンター
【性格】明るく快活だが、冷酷な一面もある
【身体的特徴】少しボサボサの白髪、やや褐色の肌。スタイルは中の上
【服装】モンハンのキリン装備に非常に酷似した装具
【趣味】食べ歩き、獲物探し、金勘定、読書
【特技】剣の腕前は一流。ある程度銃も扱え、機械知識も多少ではあるがある
【経歴】両親も同じくハンターで、幼少期から影響を受けていた。
18歳の時に独立して今は一人暮らしをしている
【備考】結構強い。RPGファンタジー風異世界出身
最終更新:2010年05月04日 15:20