巴マミの縄張りを狙い、別の町からやってきたベテランの魔法少女。年齢は不明。いつも何かを食べている。周囲の被害を鑑みない利己主義者。(公式サイトより)
CV:野中藍
(私服/魔法少女姿)
概要
好戦的な性格で、魔法少女の力を自らの欲望を満たすためにのみ使うと誓う。
他者が犠牲になっても構わないという、曰く「人として当然の価値観」を持って行動している。
ほむら曰く「魔法少女にふさわしい」人格の持ち主。
魔女の使い魔はグリーフシードを落とさないため、人を殺して魔女に成長するまで放置したり、更にはそれに反目するさやかと魔法少女同士で戦闘する、という(今までの)魔法少女にはありえない行為が目立つ。
また、リンゴを投げ捨てた(食べ物を大事にしない)さやかに激怒し「殺すぞ」と脅すなど、独自の倫理観を持っている。男勝りな口調や挑発的な態度から、粗暴で利己的なだけの性格のように見えるが、実は奇跡の存在を信じていたり、他人を気にかけ助けようとしたりと不器用ながらも純粋で優しい性格も持っている。
ちなみにかつては妹がおり、そのためか面倒見が良いところもある。外伝作品『魔法少女おりこ☆マギカ』では、偶然助けた千歳ゆまに妹の面影を見出し、実の姉のように世話を焼いている。
甘いもの(特にお菓子)が好きなのか、クレープ、ワッフル、たい焼き、ポッキー(作中での表記は「ROCKY」)、リンゴ、アイスバーなど、登場する度に色々口にしている。甘いもの以外ではカップ麺、ポテトチップス、串団なども。その他ではまどかにうまい棒を差し出したりもしている。また、第5話で用いた双眼鏡にはマーブルチョコの意匠があった。
なお、いつも口にする食べ物は窃盗、もしくは不正な金銭によって入手している。(『おりこ☆マギカ』にて、実際に窃盗を働く姿が描写された)
素足にブーツを履いている。
作中では年齢は明かされていないが、フェアウェル・ストーリーがまどかが中学一年生の頃、つまり約一年前の出来事である事、それを元にした魔法少女まどか☆マギカポータブル杏子ルートの杏子の過去で警官に中学生と認識された事、そして過去の杏子はマミをさん付けで呼んでいた為にマミよりも年下の可能性が含まれる事、それらの要因を含めるとまどかと同い年である可能性が高い。
他キャラとの関係
利己的、好戦的な仮面に隠された優しさ、強さからまどかとは短いながらも良好な関係を作り上げ、「もう誰にも頼らない」と心を閉ざしたほむらもまた、彼女にだけは一定の信頼を置いている。
また、魔法少女になりたてのころは見滝原で巴マミとコンビを組んで戦っていたことがある。
マミには効率的な魔女の探し方など色々な事をを教わり、「この短期間でここまで魔法の使い方が上手くなるなんて、これは才能ね」と言われるまでに急成長した。
しかしその後、自分の祈りが引き起こした一家心中をきっかけに、杏子はこれまでの考え方を変える。
「二度と他人のために魔法を使ったりしない。この力は全て自分のためだけに使い切る」と決意した杏子は引き止めようとするマミに勝利し自ら見滝原を出て行くことになる。
(BD5巻付録ドラマCD「フェアウェル・ストーリー」及び魔法少女まどか☆マギカポータブル杏子ルートより)
本編及び魔法少女まどか☆マギカポータブルでは特にさやかとの関わりがクローズアップされておることがあり、さやかに対しては当初敵対するものちに彼女を助けようと決意するまで発展することがある。
さやかに対しては過去の自身の鏡像として捉えており、過去の自分を嫌う為にさやかを打ち倒そうとした行動原理も過去の自分との決別を目的であることがポータブル版ほむらルートで明かされる。
彼女の"願い事"
杏子の願い事は「皆が父親の話を聴くようになること」。
教会の聖職者であった彼女の父は「新しい時代には新しい教えが必要である」と考え、元からある教えとは別に「ごく当たり前の事」を説きだすが、世間からはただの怪しい新興宗教としか認識されず、信者を失ったうえ教会を破門されてしまう。
そこからは今日の食事にも窮するような生活になり、このことから食べることに執着し、食べ物を粗末に扱う事を許さないようになったと見られる。
杏子は愛する父が誰からも話を聞いてもらえないことに心を痛め、そんな時現れた
キュゥべえと契約を交わし、父親は過去以上の信者と信仰を取り戻した。が、幸せは長くは続かなかった。
自分の教えではなく魔法の力で信者を獲得した事を知ってしまった父親に「魔女」と罵られた上、父親はそのショックから杏子一人残し家族(父・母・妹)を巻き込んで無理心中してしまう。
結果奇跡によってそれ以上の絶望を味わう事になってしまい、杏子はこれ以降「他人のために魔法は使わない」と心に決めた。その後は自分の利益だけを考えて悪事を働くようになるが、皮肉にもそうやって勝手気ままに生きることが魔女化抑止の一因となっていた。
一方でそんな自分の生き方を本心では嫌っており(物をよく食べるのはストレス発散のためと言及されている)、過去の自分と同じように他人のために願い、正義の為に戦う美樹さやかと接することでその思いは強まっていった。
脚本を担当した虚淵によれば、杏子は悪人として振る舞うことで絶望を発散させ心の平静を保っていたが、実のところはそうした自分が好きではなく、この時仮にさやかを救うことができれば自分自身の心を救うこともできた。しかし見捨てていればそのまま真の絶望を迎えたであろうとされると言っており、事実上ポータブル版ではその要因が絡んだことで自身が魔女化する展開が存在する。
ソウルジェムの色は赤、シンボルマークは楕円、変身後の位置は胸元。
キャラクター
ネタバレ注意
アニメ本編では第4話「奇跡も、魔法も、あるんだよ」のラストにて初登場。
マミの死により空きのできた縄張りの代わりの魔法少女として、キュゥべえが連れてきた。新たに契約したさやかを邪魔に感じ、魔法少女同士の殺し合いを仕掛ける事となる。
1度目は仲裁に入ってきたほむらにより止められ、後にゲームセンターでほむらと手を組む。2度の殺し合いの末、魔法少女の真実を知って落ち込んでいたさやかを過去に住んでいた教会に連れてき自身の過去を語り「開き直る」事を勧める。さやかと同じく他人のために願った自分の過去を語り、「正しい」魔法少女のあり方を説いたが、この会話が一因となり、さやかを違う意味で開き直らせる事となってしまう。
その後さやかが魔女Elsamariaに苦戦する光景を見物し、やがて援護に入るもさやかからは拒絶され、「借りは作らない」とグリーフシードを手渡されてしまう。
後にほむらの部屋にて彼女とワルプルギスの夜の戦いを打ち合わせていたところ、キュゥべえからさやかの事を告げられ探すことに。
その後にさやかを手に掛けようとするほむらを見付け彼女の足止めをしさやかを逃がすも、ほむらの閃光音響弾を受けほむらを見失い、最終的に駅でさやかを見つけ出すも、彼女は魔女Oktavia_Von_Seckendorffに変貌してしまう。
幸い、駆け付けてくれたほむらのお陰でさやかの遺体を担ぎながら結界から脱出し、ほむらから全ての事実を告げられるも、さやかを救うという希望を捨てず、ホテルにて遺体の鮮度をを魔力で確保した。
翌日、まどかに協力を頼み結界に向かう事に。その最中、まどかに魔法少女にならないよう忠告し共に結界の中に赴き、懸命に説得するまどかを守りながら防戦するも、「話を聴かせる」という自らの願いとは逆に全く声は届かず、最後は相打ちで退場する事となる。
10話での別の時間軸でも登場。魔女化したさやかをマミ・ほむら・まどかとの共同で葬った直後、絶望したマミに不意打ちでソウルジェムを狙撃され死亡している。
最終話ではまどかの精神世界に登場。覚悟を決めたまどかに「とことんまでやれ」と背中を押す。
宇宙再編後はほむら、マミ、さやかと共に戦う魔法少女となる。円環の理に導かれたさやかに対し「せっかく友達になれたのに」と呟いていた。
また、消滅したさやかをまどかと重ね合わせ彼女の名を口にしたほむらに対し「誰だ?」と不思議そうに思っていた。
全12話の中でも4話から途中参入し9話で一旦退場という出番の短さにも関わらず、最初は悪役のように登場するが、退場間際には陰鬱な展開の救いとなる良心的存在となっていく役回りの人物で、また任侠ものの登場人物を美少女に換骨奪胎したかのような人物造形がされている。
攻撃的な性格でさやかやまどか達と衝突しつつも最期に命を投げうつ杏子の性善さに説得力をもたせることが出来たのは、CVに普段はクールな役や悪役が少ない野中藍を配したキャスティングの巧さも大きい、との評判。
脚本段階では悪役らしい声が想定されていたが、オーディション段階の判断により、良い子が無理をして悪党らしく振舞っているような声質が当てられ、憎らしげのない人物として演出された。
戦闘スタイル
スピード&パワーの接近戦タイプ。
身体能力は作中の魔法少女でも屈指で、アクロバットで軽快な動きを見せ、高性能な仕込み槍と高い技術で戦場を駆け抜ける。
速さだけでなくパワーも凄まじく、未変身状態でさやかを吊るし上げ、漫画版では既に変身状態のほむらを羽交い絞めにし、変身時は趣の魔女を上空高く放り投げる荒業をやってのけた。
武器は変形し、伸縮自在な槍、仕込み多節棍、分銅鎖、鞭と様々な形態を取る。
槍のリーチの長さに加え、多節棍の伸縮性と縦横無尽さ、更には体術を組み合わせた変幻自在な攻撃を得意とし、近距離は勿論、中距離まで対応可能。彼女のセンスを存分に引き出し表現する。
多節棍は360度振り回すことで範囲攻撃になり、使い魔を纏めて薙ぎ払ったり、拘束したり、足場にしたりと使い道は多い。力を込めての投げ槍も奥の手と隠し持っており、凶悪な趣の魔女を一撃で粉砕した。
戦闘における思考力、判断力は魔法少女の中でもトップクラスで、未知数なほむらの能力から即座に撤退を選んだり、『おりこ☆マギカ』では四肢切断され自らの死を受け入れた直後にゆまの魔法で回復、という突如の事態にも一瞬で迷う事なく、趣の魔女のトドメの噛み付きを回避→多節棍で魔女をバインド→上空に放り投げる→投げ槍で魔女を粉砕、をこなした。流石ベテラン。
その他に、彼女の強さとしてあげられるのは、精神力である。杏子にとっての希望から絶望への相転移が家族の死であったにも関わらず、杏子は例外的に魔女化の運命をたどることなく生き残っている。魔法少女達のなかでもとりわけ強いメンタルを武器に、槍一本で孤独に闘ってきたことが窺える。
しかしベテランとして高い実力を持つ彼女だが、実は「防御に回ると脆い」という設定があり、それを示すかのように9話において魔女と化したさやかを説得するため攻撃を仕掛けず、ひたすらまどかを守るために回避行動すら制限され、防戦し続けた結果、遂に致命傷を負ってしまう。
ドラマCDフェアウェル・ストーリーにおいては分身を作り出す魔法を習得しており、マミと一緒に戦う内に成長を遂げ、13体の分身で連携して襲い掛かる(マミ命名「ロッソ・ファンタズマ(赤い幽霊)」)までになった。その後の独白で、更にレベルアップしている可能性がある。
「(父親の)話を人に聞いて欲しい」と言う願いによる副次効果として、眩惑や幻覚の能力を持っていた。
しかし家族を失った時のショックで、無意識下でそれらの能力を封印してしまっていて本来の魔力を失ってしまった。つまり彼女は後から自分で習得した魔法や技術のみで戦っていた、という裏設定がインタビューで明かされた。(メガミマガジン7月号付録より)
また別のインタビューで新世界での杏子は、最初から諦めたり卑下したりせずプライドを持って生きているだろう、と触れられているのでもしかしたら上記の本来の能力や魔力が復活しているかも知れない。
外伝作品
魔法少女おりこ☆マギカ
美国織莉子を主人公とするスピンアウト作品。
本作においてはにおいてはたまたま見滝原に来た様子。
肉親を魔女に殺され一人ぼっちになってしまったゆまの面倒を見ることになり、彼女と共に生活を始める。
ドライな性格ながらも面倒見の良さは健在で、ゆまには亡くした妹の姿を重ね、打ち解けている。
魔法少女の仕事について誇りを持っておらず、ゆまには「魔法少女になるな」と再三警告していたが、その事が却ってゆまのトラウマを刺激し、契約に導いてしまう。
ゆまを唆した織莉子に復讐を誓い、「オトシマエ」をつけさせるべく彼女を探している。
マミとは以前から面識があったようであり、ドラマCDや後のポータブル版と違い情報交換をする程度には悪くない関係の模様。
終盤、織莉子とキリカによる見滝原中襲撃に駆け付けゆまとマミと共に織莉子を打倒そうとするが、キリカが魔女化したことでマミ共々自暴自棄になり戦意喪失してしまう。
しかし虐待経験を元にされたゆまの叱咤で立ち直り、団結し勝利に導いた。
おりこ☆マギカ1巻は彼女の話が大半を占めていたため、あんこ☆マギカと呼ばれていることも。
因みに本編より色々と増量している。
魔法少女かずみ☆マギカ
16話イチゴリゾッドにて、飛鳥ユウリと出会ってる事が判明した。
そこでは、ユウリと何らかの件で一触即発の状態にあり、和紗ミチルの仲裁を受けていた。
ちなみにユウリと対峙している際もパンを頬張る等、相変わらずの模様。
魔法少女まどか☆マギカポータブルでの活躍
ここからネタバレ要素を含みます
殆どはさやかと対立しやがて和解を求め助けようとする展開と言うような、さやかとの関わりをクローズアップしたストーリーが占めている。
また、まどかの弟である鹿目タツヤと会っていることも多い。→タツ杏
まどかルート
本編同様にマミの後釜を狙いさやかと対立し、やがてさやかを助けようとしている。
尚、教会で杏子がさやかに自身の過去を語るシーンにて、渡したリンゴを投げ捨てたさやかに憤怒し首を閉めようとするシーンは描かれていない。
アニメ本編と同じく影の魔女Elsamaria(このルートのラスボス)と戦うさやかを助けに来てくれ、魔女のみだが戦闘に参加。
登場レベルは14とほむらの次に高く技の威力も高いため苦労せずに倒すことが出来る。
マミルート
さやかが最後まで契約しない時間軸で縄張りを強奪しに来たつもりではなく、あくまで高みの見物の事のつもりで来たらしく、見滝原を堪能していた。
後半、通学路にて久しぶりにマミに再会するも、マミ自身はほむらに気に掛けるまどかの事で精神的に不安定となっていたために、「マミの新しい後輩を一目みたい」と言うとマミは突き放す態度を取られてしまう。
その後杏子は見滝原やマミに心残りを抱きながらも去ってしまい、皮肉にもこれがマミとの最後の会話となってしまった。
さやかルート
縄張りを奪いに見滝原を訪れ、使い魔を狩ろうとしたさやかに本編同様に襲い掛かるもまどか・ほむら・マミに止められ一時撤退することに。
数日後、さやかと挑発し離れた場所で彼女に戦いを挑むも、感情に反応してか魔女結界が発生してしまいその魔女を探してやってきたマミも共に3人でお菓子の魔女Charlotteに挑む。
予想以上の強さに撤退を余儀なくされた杏子は、その戦いで犠牲になったマミに動揺するさやかを引き連れて結界内から外に出る。
その後さやかは自らの無力さに痛感し消える魔女結界にソウルジェムを投げ彼女の肉体は抜け殻となり、駆け付けたまどかとほむらと共にキュゥべえからソウルジェムの真実を知る。
さやかのソウルジェムの探索は二人に任せ、自身はソウルジェムの魔力でホテルでさやかの肉体保持を行うことに。
期間内にソウルジェムが見つからなかった場合、杏子がお菓子の魔女Charlotteを単独で倒しソウルジェム奪還に成功するも、さやかが自身の変わり果てた姿に絶望し魔女化。
期間内にソウルジェムを見つけ出し濁り切っている場合、さやかと共に魔女Isabelを倒し魔女結界に捕らわれた恭介と仁美を助け出すも、2人はさやかを「さやかの姿をした化物」扱いしさやかは絶望、本編同様駅のホームにてさやかは魔女化し、それをまどかとほむらと一緒に見届けることに。
さやかが魔女化した場合、さやかを戻すという希望を抱きながらまどかとほむらと共に戦いを挑むも結局魔女化したさやかは元に戻らず、2人に嘗て自分もさやか同様であったことを打ち明けた後、本編同様に自爆攻撃を放つ。
逆に期間内にソウルジェムを見つけ出し濁り切っていない場合、展望台にてさやかに遭遇し自身が人間でない存在になったことにさやかが自分に居場所がないと悟り去ろうとしたときに引き留め、嘗て自分もさやか同様に他人のために契約したことと自身がさやかを必要としていることを打ち明ける。
そしてさやかと共に魔女結界に取り込まれた恭介と仁美を助け出し、その日の夜に見滝原をさやか達に託し自分は元の町へ去っていった。
杏子ルート
マミあんの項目も合わせて参照。
本編同様に使い魔を退治しようとするさやかを引き留めて対立するもほむらに止められ、ワルプルギスの夜を打倒す為のパートナーを求めていたほむらと手を組むことになる。
杏子自身はほむらがマミやさやかとは違う、自分と同じタイプの魔法少女だったので最初は意気投合するが、ほむら自身多く(特に自分の能力)を語らないために若干不安視してしまう。
キュゥべえからさやかが使い魔を倒す際に魔力を多く消費していることとグリーフシードを持ち合わせていないことを告げられ、自身も気付かない内にさやかを心配するようになり、使い魔を探すさやかに気付かれないよう彼女の代わりに使い魔を狩る描写も見られた。
路地裏で遭遇したさやかを見ている内に自身の過去を思い出し、さやかを救う決意を固める杏子だったが、夕方の公園でほむらにさやかを仲間に入れることを反対されたため単身で説得を試みることに。
歩道橋でさやかに他者の為の戦いを止めるよう説得するが反発され、力ずくでも止めようとしたところ、本編同様まどかがさやかのソウルジェムを投げ捨て、彼女のソウルジェムを拾ってきたほむらからソウルジェムに関することを聞かされる。
その後はアニメ7話と同じく、ショックにより学校を休んでいたさやかの元に良き、彼女を自身の教会に連れていき自分の過去を聞かせることになる。
ここで本編以上に長い回想シーンに突入。
数年前、嘗てこの教会で家族と共に過ごしており、何不自由無い幸せな家庭だった。その中でも「『希望』を忘れてはいけない」と教えられていた。そんな中、杏子はキュゥべえの気配を察知する。
ある日、父は経典の内容では人を救えないと感じ自分の新しい教えで説こうと決意し、杏子もそれを応援する。しかし父が自分の言葉による教えを伝えたところ、信者たちは反発し次々と教会から去ってしまい、その状況が一週間も続き、父は申し訳無さそうになるも、杏子は父を励まし、それにより父は1人1人直接聞かせることを決意する。
しかし父は話を聞かせようとするも追い出され、それを見て胸を痛た所にキュゥべえから契約を持ちかけられるが、猛反対する。
やがて飢えが続くようになり、その状況から一個のリンゴを窃盗をしてしまうも、店員に捕まり剥奪されてしまう。無情な世間に嘆いていたところにキュゥべえが現れ、父の話を聞いてもらうために契約。すると父の言葉に耳を傾ける人達が続出するようになった。
契約後は夜の街にを徘徊し魔女を探すようになり、当初はゲームセンター内で警官に補導されそうになり魔力を駆使して逃げ出す描写も見られ、また使い魔に対しても害を及ぼす存在と認識し、「恩を着せたいわけじゃない」と助けた人に気付かれないように去って行ったりと、マミやさやか同様の考えを持ち合わせていた。
この頃にマミに出会ったことが杏子の口から告げられ、魔法少女としての使命を果たせている事に十分満足していた。
ある日の夜、自身の教会に魔女結界が発生し魔女の口づけで操られた父は包丁を手にし一家心中を図ろうとし、杏子は自分を除いた家族を気絶させた後、魔女結界に潜む魔女Giselaを倒し、教会に戻ると意識を取り戻した父に魔法少女の姿を見られてしまい杏子は全ての事情を話す。すると父は「ただ魔力で聞いていただけ」だけだと思い外に出て実際に試すと本当に魔力で聞いているだけだと気付きショックを受け、その要因を作り出した杏子を突き放し魔女と罵る。
以降、父は酒に溺れ母や妹に暴行を加えるようになってしまい教会は元の廃墟になってしまい、最後は母と妹を刺し殺し自らは首を括って自殺してしまう。
その後、考えを変え方向性の違いからマミを打ち倒し決別、見滝原から去っていった。
過去の話は終わりさやかに一緒に戦うよう共闘を持ちかけるも断られ、彼女に人の為に戦いたい事を看破され杏子の分まで背負って戦うことを決意し去っていった。
微かだったが、杏子はこの事で寂しいという感情を抱いていた。
ほむらとワルプルギスの夜の戦いの打ち合わせするも、さやかの事が絡んでいるのか中々集中して聞いていないのをほむらに指摘され、自身はほむらがやはり何か隠していることを看破する。
その際キュゥべえからさやかのソウルジェムの事を聞かされ、ほむらに言われるがままさやかを探し出すことに。
駅でさやかを見つけ出すも、彼女は杏子の分の呪いまで背負って魔女化、ほむらと共に一時脱出しまどかと一緒に魔女結界に行くまでの展開は本編同様で、魔女結界に入り込む前にまどかとさやかと友達になれたらと話していた。
しかし人魚の魔女Oktavia_Von_Seckendorffはほむらの手によって先に葬られ、もしソウルジェムが濁り切っていれば絶望と共に魔女化Ophelia。
そうでなければまどかの必死な呼び掛けでさやかの「杏子の分まで背負う」の言葉を思い返し止まるも、ほむらとは決別してしまう。
そのため、ワルプルギスの夜襲来時は教会から高みの見物をしていた杏子だが、単独でワルプルギスの夜に挑むほむらの魔力を感じ、亡きマミやさやかの言葉を反芻し最終的にほむらに力を貸す。
最後の最後で契約したまどかと共にワルプルギスの夜を倒すことに成功するも、戦いの直後にまどかはワルプルギスをも超える最強の魔女に変貌し、杏子はその攻撃を受け死亡。
その後の描写は描かれておらず、ほむらがループを開始するだけとなっている。
ほむらルート
縄張りを奪いに見滝原に訪れ、ほむらが「熱心なハンターがいる」と称されるくらい次々と魔女を狩っていた様子。
さやかが最後まで契約しなかった場合、ほむらが使い魔を逃したところを目の当たりにし、興味を示したのか協力関係を築いてあげることに。
この展開ではソウルジェムや魔法少女に関することを詳しく把握していないからか、キュゥべえにそそのかされまどかに魔法少女になるよう勧めていた光景も見られた。しかしまどか自身願いが見つからない理由とほむらの「足手まといになる」という理由で反対され、杏子自身もそれ以降特に強要することはなかった。
尚、マミが死亡しさやかが契約しない展開になる場合、条件を満たせばほむらと2人でワルプルを倒すことに成功し、特殊なEDを迎える。→ほむあん
さやかが契約する分岐では、本編同様にさやかと戦うもほむらに止められ、使い魔が現れたので一先ず撤退することに。
夕方、歩道橋で本編と同じようにさやかと2度目の決闘を行おうとする。
ここで、マミ生存時の場合はさやかの代わりにマミと戦うことになり、マミの「無限の魔弾」に少し苦戦するも相手の頭からソウルジェムを奪うことに成功し勝利。奪ったソウルジェムは歩道橋の下に投げ捨てる。
マミ死亡時の場合はほむらと戦うも敵わず、不意を突いてさやかのソウルジェムを歩道橋の下に放り投げる。
そしてソウルジェムの秘密をキュゥベエから聞かされることとなり、ショックを受けて先に帰っていったさやかを心配するようになるが、彼女の思いとは裏腹に杏子が助けようとしても、さやかから信用されず突き放されてしまう。
その後、ほむらが誰を連れてさやかを説得しに行くかで分岐が発生
杏子と共にさやかを探しに行った場合は説得に成功。
さやかとともにワルプルギスに挑むことになる。
この際、マミが生存していた場合は4人でワルプルギスを倒した後、5人でお茶会を開く特殊エンドとなる。
ここでは、半ば強引に制服を着せられる杏子を見ることも出来る。→制服あんこ
まどかまたはマミと共にさやかを探しに行った場合は、説得に失敗しさやかは魔女化してしまう。
ここでまた真実を話すか話さないかで分岐が発生。
ほむらから真実を誤魔化された場合、人魚の魔女を撃破するも魔女の肉体からさやかのソウルジェムが出てくることはなく、翌日に自身の計らいでまどかとほむら(マミ生存時にはマミも)を連れて夕方に空き地でさやかの弔いをしてあげ、皆でワルプルギスの夜を倒すことを決意する。
ほむらから真実を聞かされた場合、本編同様にさやかの死を受け入れられずまどかに協力を求めさやかを戻しに行く。
もしここでほむらが先にさやかだった魔女を倒した場合、それに激怒しほむらに刃を突き付けるもまどかの必死な声で手を止めるも、自身はほむらと決別し見滝原から去ってしまう。
逆にほむらが気付かれ無い様に杏子たちに付いていった場合は、結局人魚の魔女はまどか達の声が届かずほむらと共に葬ることになる。
杏子はそのショックで暫く姿を現さなくなるが、ワルプルギスの夜との決戦時には駆けつけてくる。
番外編
マミに頼まれ見滝原に訪れた杏子だったが、当初ほむらに対し困惑したり、合同で魔女退治を行った際にサークルのような集まりのまどか達に驚きを見せ若干心配したりするなど、自身の抱く魔法少女にイメージからかけ離れている事に動揺することもあった。。
自身が住んでいた教会にグリーフシードを大量に確保しており、更に一つ一つ名前を書いており、案外がめつかったりする。(実際ほむらが時間を止めて一個取ろうとして諦めて自分のを使用した際名前が書かれてるか確認していた。)
後に、魔女を狩ろうとしていたところにさやかに会い、「悪い魔女をやっつけるのが目的」という理由からか譲られる。また、さやかからはちゃん付けで呼ばれており、彼女に戸惑いながらもそれを受け入れることに。
その縁からかさやかとは仲良くなり、自身が住んでいた教会にさやかを連れていき、教壇に隠してある山程のグリーフシードを見せ、魔法少女同士の縄張り争いどの町でも行われていること、見滝原に其がないことをさやかに話し、共にグリーフシードを確保して山分けするほどの仲となった。
以降、見滝原中学校に無断に侵入しさやかに会いにいき、さやかと上条と一緒に屋上でお昼を過ごすこともあった。
備考
ファンの間での愛称はあんこ。これは本編登場前に公式ビジュアルで「佐倉杏子」が発表された当初、「あんず」なのか「きょうこ」なのか、はたまた「あんこ」なのか分からなかった。現在では「きょうこ」が正しいと分かっている。しかし候補の一つであった「あんこ」は、その言葉の響きが良く第5話で食べていた鯛焼きを連想させたりいつもお菓子を食べているイメージに合っていたりするため、愛称として使っている人も多い。またカップリングで「きょうさや / さやきょう」と言うと、恭介とまぎらわしいことも影響しているのかもしれない。
第5話の槍を地面に突き刺したシーンが地面を耕しているように見えることから、農耕少女と呼ばれる小ネタも(魔法農家あんこ☆マギカ)。第7話の台詞のせいで更に説得力(とネタ度)が上がった。残念なことにDVDでは修正され、耕せていない。
彼女のみ見滝原中の生徒では無いが、「もし通っていたら…」という妄想や、最終話のEDイラストから制服を着た姿(制服あんこ)も投稿されている。
後からの追加キャラという立場上、グッズ展開が不遇でネタにされる。
「食うかい?」のシーンから振り向き厨呼ばわりされた事もある。また、「食うかい?→空海」の当て字などでネタにされることが多い。他に初登場シーンの悪役を臭わせる演出から仮面ライダー龍騎の浅倉威との類似や当時は浅倉(王蛇)ポジションと認識されていた。
二次創作では常識人ポジションとして、暴走する他キャラのツッコミ役に回ることが多く、ニコニコ動画ではボケ・突っ込み・道化・シリアスどのポジションもできる「万能の杏子」と呼ばれているが、かえって理不尽な立場に陥ることも。→杏子は不憫
さやかが絡むとほむらのように暴走したり。→変態杏子さん
他のキャラに比べやたらと女性人気が高く、特にまどか役の悠木碧は杏子が大変お気に入りで、ことあるごとに「俺の嫁」「杏子と結婚したい」などと発言している。→まどあん、藍と悠木が勝つストーリー
さやかのモチーフが人魚姫であることの対応や劇中の最後から、マッチ売りの少女のモチーフで語られることもある。
アニメ最萌トーナメント2011・準優勝
6話でDDRらしきゲームをプレイしていることからネタにも使われやすい。
最終更新:2012年08月10日 15:34