ゲイビデオを元ネタにしたネットミームである『真夏の夜の淫夢(単に『淫夢』とも)』において屈指の知名度を持つ人物であり、ネットスラングとしてネタにされている数々の迷言と語録を生み出してきた。

発見の経緯
2002年、とある著名な野球選手がCOAT社製作のゲイビデオ『真夏の夜の淫夢 ~the IMP~』に出演していたことが発覚(このスキャンダル自体のより詳細な経緯は当該項目を参照)。

そして問題のビデオ自体の内容がネット上の一部で認知されるようになったが、脚本の展開や絵面などに色々とツッコミ所が多かったことでネタとして知られるようになる。

そんな中で発見されたのが、同ビデオ内の第四章である『昏睡レイプ! 野獣と化した先輩』にて先輩(田所)として出演した彼であった。

迷言や怪しい行動の数々、そして素人の出演が多い(実際に『淫夢』の登場人物の多くは棒読みやガバガバ演技である)AVとしては異質なごく自然かつ迫真の演技を見せつけた事が当時のネット民に受け、一躍有名に。やたら強烈なサブタイトルをもじって「野獣先輩」という通称兼愛称で呼ばれるようになった。

(なお『真夏の夜の淫夢』は別々に撮影した章を纏めたオムニバス形式のビデオなので、残念ながら第一章に出演していたTDNとの共演は)ないです。

こうして最初期は2ちゃんねる、その後はニコニコ動画を震源にコラ画像やMAD動画、BB素材等の二次創作が大量に作成されていき、結果としてホモビに出ただけで2010年代以降のインターネットに絶大な影響を与えた神の一人へと至った。

……みんなのおもちゃにされただけだと思うんですがそれは……。

通称について
淫夢四章での役名は「田所(先輩)」。名字でしか呼ばれないので下の名前が分からず、それどころか本人の芸名・本名も不明である。

しかしネット上では「田所浩二」という仮名で呼ばれている。

これは四章劇中で後輩を強姦した時の役名とブーム突入直前の2011年に強制わいせつ容疑で逮捕された一般男性「田所浩治」をかけたものである。「浩治」でないのは実在の人物との混同を防ぐためであるが「浩二」の方が変換しやすいという事情も関係している。

また、とある先輩の宣材写真が芸能人の今田耕司っぽく写ってしまった事からも「コウジ」の名は定着している。

なお「野獣先輩」「田所浩二」の名称が定着するまでは単純に「先輩」のみ、もしくは容姿が似ている某プロ野球選手にかけて「SKMT」などと呼ばれていた痕跡がある。定着初期にはyjsnpiとも表記された。

ちなみに「田所」の由来は1998年に下北沢を舞台にしたテレビドラマ「あした天気に」(第2部)で高嶋政宏が演じた田所健介という説もある。

24歳、学生です~野獣先輩の現在~
1999年頃に撮影されたと見られる『変態面接官SUPER S 17』でのバットマン(淫夢)によるインタビューでは、

年齢は24歳で現役の学生
身長170cm、体重74kg
などと答えている。

撮影の正確な日にちは不明であるものの、本人の発言が真実であれば生年は1975年もしくは1974年(昭和50年もしくは昭和49年)となり、2025年時点で49〜50歳を迎えていると考えられる。

学校の種別は触れていないが、仮に大学生であれば年齢から考えて留年ないしは浪人していた可能性が高いと指摘されている。もちろん大学院生や医学部生、専門学校、また社会人などを経ての入学や、演出上の設定や身バレ防止等の目的で年齢や身分を詐称していた可能性も十分にあり、あくまで「インタビューにおける本人の自称」では24歳、学生ということである。

そもそも売り専キャストやゲイ風俗関係者の出演が多いAcceed社の作品と異なりCOAT社作品はバイト感覚で出演する一般人が多いシリーズであるため、彼にしても本職の男優ではない可能性が高い。

ただ、前述のように他の男優とは明らかに一線を画した演技力の高さや複数の出演作が確認されている事から、ONDISKのように何かしらの演技経験者だったか、若しくは俳優志望者であった可能性も0ではないとする考察もある。

しかし、ネットの普及により個人の特定が容易になった現在においても未だに彼の正体を特定するには至っていない。

今どこで何をしているのか、その手掛かりすら一切掴めていないのだ。

これは個人情報の差し替えが顕著なAV業界の風習も影響している。

COAT社に履歴書等の資料が残っていることも考えられなくはないが、撮影時期が一番新しいとされている『イカせ隊』ですら2001年の撮影(発売日で考えても『Discovery 第拾号』が2002年)と四半世紀近くが経過しており、既に本人の元に返却されたか破棄された可能性が濃厚である。加えて、ハッキングや内部リークなどを通して社外秘の情報が流出する事件が頻発している昨今、需要も知名度もトップクラスであるはずの野獣先輩に関する情報は一切流出していない辺りからCOAT社の人間さえその動向を把握していない可能性も極めて高い。

仮に資料が現存している、若しくはCOAT側が本人の消息を現在も把握しているとしても、野獣先輩(役の男優)は現在ただの一般人であり、本気で特定しようとした所でプライバシー保護・組織としての守秘義務の観点から一般に向け情報が公開されることはまずないと言える。

実際に2016年にAbema TVで、野獣先輩を探偵を使って捜索する番組の告知がされた際、Twitter(現:X)では「プライバシーの侵害」、「彼には家族がいる」と言った批判の声が殺到している。

また、本人のみならず彼の家族・親族等の血族や、卒業アルバムなどを含めても友人・知人等の関係者が一切名乗り出てきていないことにも首を傾げる者が多い。ここまで有名になっておきながら何のアクションも起こさないのは不自然で、特に家族からしてみれば身内がネットで遊ばれているなど到底看過できないであろう…という理屈である(実際、後年になってから淫夢ファミリーの親族が名乗り出たケースがある)。

とはいえ、迂闊に名乗り出ればこれらの身内や知人も淫夢の関連人物としておもちゃにされる可能性がある上、ゲイ向けのアダルトビデオに身内ないしは知人が出演していたことを世間に向けて事実上公にしてしまうことにもなってしまうので、野獣先輩のことは彼らの間で安易に触れてはならない一種のタブーとなっている可能性がある。つまり跳ね返ってくるリスクが大きすぎてアクションを起こそうにも起こせないのかもしれない。

加えて両親に関しては先輩の年齢から考えるとかなりの高齢になっていると思われ、下手すると自分の息子がネットでおもちゃにされていることすら把握せずにこの世を去ってしまった可能性も十分考えられるだろう。

なお本人らしき情報が過去に何度か出てきているのだが、その大半が信憑性に欠けるものだったり憶測の域に過ぎなかったりと決定的な証拠とはなっていない。近年では野獣先輩の息子を名乗る人物がSNSに現れたりしたが、先述の通り『親族にとっては百害あって一利なし』のため結局は承認欲求から来るイタズラの域を出ず、悉く一時期のブームに終わっている。

極め付けに近年では生成AIによるフェイクニュースが問題視されているため、今後SNS上で本人と思わしき人物の画像が上がったとしても信憑性に欠けるため、確固たる証拠に至る可能性は限りなくゼロに近くなっている(尤も、本人にとっては有難い限りである)。

唯一信憑性が高いとされているのは何かしらのゲイの集まりと思われる写真に野獣先輩と思われる男性が写り込んでいたことくらいである(なおiPhoneの初期モデルが写っているので2010年前後に撮影されたものと推定される。こちらは最古の発掘年が2014年のためフェイクという可能性は極めて低い)。

いずれにせよ、このような特殊な事情があるがために死亡説、未来人説をはじめとする様々な憶測(後述)が囁かれている。

こうしたミステリアスな所も彼の魅力の1つと言えるだろう。
最終更新:2025年10月24日 20:53