概要
アニメ『トムとジェリー』の、1952年に公開されたエピソード「可愛い逃亡者(Little runaway)」に登場した死んだ魚。

正式名称は「さかな」。後述の公式Xのポストや公式グッズで確認できる。

本来はキャラクターと言えるかも怪しい存在であったのだが…。

活躍
ジェリーがサーカスから逃げ出したオットセイに与えるため、寝ているトムの傍の皿から盗もうとした魚である。

盗み出す直前にトムが起きてしまい、ジェリーは咄嗟に魚の後ろに隠れ、それを操ってタップダンスを踊りながら部屋を出る(後ろからのカットで魚を操るジェリーが見える。が、前からのカットでは全く見えない。どう考えても見えるはずなのだが、この作品ではよくあることである)。

それを見たトムが普通に感心してアンコールとして口笛を吹くと、それに応えて再び現れお辞儀。その流れを繰り返したジェリーは3度目で誤って姿を現してしまい、トムに追われてオットセイのいる池の方へ逃げる。

その弾みで池に落とされた魚はオットセイに鼻で持ち上げられくるくる回転。不審に思ったトムに一度つまみ上げられるが、彼が目を離した一瞬のうちにオットセイに食べられてしまった。

また最後の場面では、タイヤを切って被りオットセイに扮したばかりにサーカスに捕まったトムが芸を披露した際、客席から似た魚が投げ込まれている。上記のものと同じ魚ではないだろうが、何気にオチを担ったことになる。

ミーム化
上項の通り、普通なら記事になるかも怪しいさかなだが、2025年7月5日にXで「こいつ流行らせたいんで良かったら使ってください」というポストが投稿されたのをきっかけにミーム化。実にエピソードの公開から73年後のことであった。

主に手を挙げているカットが使われ、絶妙に空気の読めない発言をするというネタが多いが、他のカットを使ったものなどさまざまなパターンが存在する。大抵「こいつ」と呼ばれている。

因みに「可愛い逃亡者」は1952年に公開された作品なので、(この手のミームでは珍しく)既に著作権が切れてパブリックドメインになっている。YouTubeでもフルバージョンを閲覧可能である。

そして7月9日、なんと『トムとジェリー』公式Xがミーム化に反応し、さかなの公式イラストを投稿した。よく見ると分かるが、なんと新規描き下ろしである。

同日中に該当シーンの切り抜きまで投稿され、「ひそかに人気が高まってる…?」という一文と、わざわざすみかっこで強調された【さかな】という名前が記載されていた。

同月11日にアニメ専門のTV局カートゥーンネットワークもこの反響に乗っかりたくて急遽放送を差し込むという事態も発生した。

更に『トムとジェリー』公式から、さかなに肖ったのかドルーピーが魚釣りをする回を紹介したり、トムとジェリーでもサメ(というよりはカジキマグロ)に追いかけられるトムと、樽に隠れたトムをジェリーが的当てを描いてサメを誘き出す回を紹介している(但し、後者に関しては当時シンガポールで行われた世界水泳選手権の話題に乗っかった可能性が高い1)。

グッズ
実はミームとして流行る前、2022年の時点で公式グッズが2つも存在している。ページはこちら。前述通り、表記は「さかな」で統一されている。

1つ目は「さかなの振りをして踊るジェリー」のフィギュア。さかなの後ろにジェリーが隠れている様子が可愛らしい。2つ目は極々シンプルな「さかな」のぬいぐるみマスコット。原作と比べてちょっと不細工ではあるが、1エピソードに登場しただけのキャラ(?)にしては大抜擢と言える。

そして2025年7月より発売の「一番くじ トムとジェリー Tasty Moments~おいしい毎日~」にて、G賞の巾着ポーチの絵柄にしれっと登場。発売開始時期がミームの流行と近すぎるので、乗っかるのを意図したものかは不明だが、結果としてタイムリーなグッズとなった。
最終更新:2025年10月24日 21:18