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+「マスター、もうすぐ夕飯できるから待っててねー」 +「うん、じゃあ待たせてもらおうかな」 + 椅子に腰掛け、蒼星石の後姿を見つめる。 + + +たまーに、ふと考える + +蒼星石が居なくなったら、俺どうなるんだろ + + +毎日インスタント食で… 部屋も汚いまんまで… 生き物の気配の無い部屋で一生を過ごして… + + +蒼星石はアリスゲームをしてるんだよな。 + +もし蒼星石が負けたら、ただの人形になって… +もし蒼星石が勝ったら、お父様のところに行って… + + +どっちにしても二度と会えなくなる。 + + +…もしお父さんの所に行っても、俺の事覚えていてくれるかな? + + +無理か、お父さんは神様的存在みたいだし、俺の事なんてスグに忘れちゃうだろ。 + + + + +前の蒼星石のマスターも同じ事考えたのかな? +そいつ等はいいよな、自分が死ぬまで蒼星石がそばにいたんだから。 + +なんで俺のときにアリスゲームなんか始まったんだろ +なんで俺が蒼星石のマスターなんだろ + +レンピカが選んだんだよな、俺を + +俺なら蒼星石に合ってると思ったのか? 蒼星石の事好きでいてくれると思ったか? + +蒼星石が居なければ、こんなに悩むことなんかなかったのに… + + +蒼星石は俺の事どう思ってるんだろ。 + +ただの人間? 力の媒体? それとも友達? 恋人? + +どれでもいいや、最後には会えなくなるんだから + + +何年も経ったら さすがにアリスゲームも終わってるだろ + +アリスゲームが終われば悩まなくてすむんだ + +なんでアリスゲームで悩んでたんだっけ + +蒼星石が居るからだよな + +蒼星石がいなくなればいいんじゃないか? + +それもそうだよな、元々一人だったわけだし + +いい考えかもな + +追い出してみたりする? + + + + + +違う、悩んでるのは蒼星石が居るからじゃない。 + +俺が蒼星石の事好きだからなんだよな + +でも蒼星石はお父さんのことが好きなんだろ? + +じゃあお父さんは俺の事が好きなのか? + +やめよう、分けわかんねぇ + + + + + + +「そういえばマスター、洗濯物取り込んでくれた?」 +「あっ………」 + 窓の外にはまだ洗濯物がある +「もうマスター!午後は雨降るからって言ったのに!」 +「ゴメン、今すぐやるよ」 +「…?マスター、どうかしたの? 元気ないみたいだけど」 + 蒼星石が歩いてきて、小さな手で袖をつかむ + 俺はその手を解き、握り返す + +「大丈夫だよ、蒼星石が居てくれるんだから」 + + + +とりあえず、今を時間と蒼星石を大切にしよう。 + +そうすれば蒼星石だって、少しくらい覚えていてくれるかもしれないから。 + +何処に行っても、誰と一緒でも