【正剣】アストレイア
| <タイプ> |
<聖戦士> |
タイプ |
オリンポス |
| 種族 |
神族 |
ジョブ |
アタッカー |
| HP |
400 |
ATK |
30 |
| DEF |
60 |
コスト |
30 |
| アビリティ |
| 召喚 |
エヴォルヒール |
| 覚醒 |
なし |
| 超覚醒 |
トライブアップHP |
錫杖についた正義の天秤が、ゆっくり、ゆらゆらと揺れている。
片方は闇――傾いた先にあるのは、破滅と虚無。
もう片方は光――先にあるのは、この世界の未来。
私は手に持ったフォークをもてあそびながら、
いまだ闇に傾いたままの天秤を見つめ、小さくため息をついた。
天秤の傾きは、闇に通じる扉を開く『鍵』が着々と集まっていることを告げていた。
正義の女神として、当然そのような傾きを許すわけにはいかない。
天秤が闇に傾いたのなら、光の重みを増やすだけ――
闇の『鍵』を打ち壊す、光の『剣』を集めるだけだ。けれど――
私は、傾いた天秤の片方――上に跳ね上がっている“光の皿”に、
フォークに刺したお気に入りのベリータルトの一片を乗せてみる。
しかし、当然、『正義の天秤』の傾きが、このような戯れで覆ることなどない。
再び私の口から、今度は深く大きなため息が漏れた。
「はぁ… 古の盟約とはいえ、『剣』の子たち、み~んなクセが強くて強くてほんっと疲れるわ…
正義の運命に導かれし者たちなんだから、
もっと素直にパパッと『剣』になるって決めてくれないかしら…」
正直、私たちの『剣集め』はうまくいっていなかった。
「そもそも、モルガンがもう少しわかりやすい言葉で預言を出してくれればいいのよね…
本当にあの子たちで合ってるのか、これじゃ自信無くなってくるわよ」
「運命の女神」が、私たち3柱の女神に告げた、
世界を救いへと導く『紅き力と共に歩む13の剣』の候補者――
その言葉は、ひどく曖昧なものだった。
私が捜索を担当することになったのは「雪色の少女」「人と共にある神」「封神の大仙」の3人。
どんな神が唱えても、預言の言葉とは、大体いつもそういったあやふやな感じではあるのだが、
やっと見つけたその者たちの言動を見るだに、本当に彼らが世界を救う『剣』たる者たちなのか、
はなはだ疑わしく思えてならなかった。
「…雪ん子は私を変態扱いするし、神っ子は融通きかないし、
仙人さんにいたってはすっぱり断ってくれちゃうし…」
3柱の一人、ブリジットの報告によると、
彼女が担当している「夢見る騎士」はほぼ上手くいったらしく、
「亜人の子」と「人形使い」は時間の問題のようだった。しかし、「魔女の娘」は――。
「ブリちゃんも大変そうね… でも、きっと最難関はミーネの子たち。
「円卓の王」「聖なる騎士」「陰と陽の呪法士」――
あの子たちは3人共に、『剣』の素質と同じくらい深い闇を抱えてるもの。
なんとかなればいいんだけど…」
そう言って私は、胸のもやもやを天秤のベリータルトに小さくぶつけるように、
フォークでつつきまわす。
残る「夢の管理人」は、アリスで間違いないのだろう。
「赤い靴の少女」に関しても彼女に任せておけば問題ない。
しかし、最後の「白き勝利の乙女」――この正体に関しては、皆目見当もついていない…。
そうこうしている間に、闇側は大方の『鍵』をそろえてしまったようだ。
しかも、その中には『剣』の候補であった者までを含めて――。
彼らを取り戻すべきか、代わりを探すべきか…
まごまごしていれば、『扉』は開かれ、この世界の「紅き力」を持つ者の魂が消滅してしまう。
しかし、この世界の限界は近い。時間はないのだ。
果たして、あの巨大な「混沌」を相手に、この状態から逆転などできるものだろうか…
早々にこの世界から手を引き、「紅き力」のいくつかを犠牲にしてでも、
より多くの光を集めてから決戦を迎えたほうが良いのではないだろうか…
「紅き力、か…」
天秤の上の、まっ赤なイチゴがちょこんと2つ乗ったベリータルトを眺め、
私は、それを口に運んだ。
イチゴの甘味とさわやかな酸味、
そしてサクサクとしたクッキー生地から染み出るまろやかなバターの味わいが、
絶妙なバランスで混ざりあい、口いっぱいに広がる。
「――やっぱり、おいしいわね」
これは、なんといっただろうか…そう、メトキア――
今はもう人のものではなくなったこの世界の国、そこにあった小さな菓子工房のお菓子だったか。
気に入って、わざわざ地上に降りてまでいくつか持ち帰ったのを覚えている。
これは、その最後のひとつだった。
「このイチゴとクッキー生地がいいのよね。
…そういえば、雪ん子がくれたかき氷と、仙人さんの焼いてくれたお魚もおいしかったわ。
神っ子は…あの子は素直だから、仕込めばおいしい料理が作れるようになるかもしれないわね」
私は、もうひと切れベリータルトを口に運んだ。
「…うん。こんなにおいしいものがあふれる世界が壊されるのを見過ごすなんて、
やっぱり私の正義に反するわ。それに――」
私は、このタルトを教えてくれた人間の最期の言葉を思い出す。
――たとえ汚名を被ろうと、愛すべき臣民を、大切な家族を、
守りたいと思う心は、正義であっただろうか。
正義に迷い、私に正義のあり方を問うた彼は、子供たちの好物なのだとこの菓子を差し出し、
お礼にこのようなものしか渡せないことを恥ずかしそうに笑いながら命を閉じた。
「ここで投げ出しちゃったら、あの男に言った私の正義が嘘になっちゃう」
――ええ、それは正義よ。あなたの正義の行く末は、私が見届けてあげる。
私は、確かそう言った。
「約束だしね。あ、あの赤眼の双子に聞けば、これのレシピわからないかしら……
そうとくれば、そろそろ本気ださなっくちゃね」
私は、天秤の皿に残ったタルトをすべて口にすると、そのおいしさに改めて納得し、
再び錫杖を手にした。
| 身長 |
1.7[meter] |
| 体重 |
あなた、悪決定だから |
| 好きなこと |
食べること |
| 異名 |
正義の天秤の女神 |
| 天秤鳥の名 |
ライブラくん |
| 仲の良い友だち |
ミネルバ、ブリジット |
| イラストレーター |
オサム |
最終更新:2017年05月27日 13:47