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「妹と心配性の友達」/ゾンリー




すっかり日の沈んだ田舎道を私__野乃ことりとえみるちゃんは歩いていた。
なんで二人なのかというと、お姉ちゃん達は私達が屋外で帰りの会をしている途中に帰ってしまって、クラスのみんなは帰る方向が別かまだ森林公園で遊んでるかのどっちかだから。
と、いう事でとなりで大きくため息をつくえみるちゃん。もうこれで何回目だろ?
「元気だしてよ。」
「でも、みんなに迷惑を……!」
「かかってないって!元はと言えば、私のお姉ちゃんがいけないんだし……」
するとえみるちゃんは少し困ったように笑った。
「あんまりはな先輩…お姉さんを責めないでほしいのです。あの人がいなかったら今でも穴の中で怖い思いをしていたのです。」
いや、お姉ちゃんがいなかったらそもそも穴に落ちてなかったと思うんだけど。まあいいや。
「それより、その「はな先輩」って、なに?」
「ふふふ、秘密なのです……けど特別に教えるのです!はっ、もしかしたらそれがクラスに広まって先輩がピンチに……!?やっぱりダメなのです!教えられないのです!」
「広めないしピンチにならないから!」
思わずツッコミを入れると、えみるちゃんはおずおずと近づけていた顔を引っ込めた。
「そ、そうなのですか?なら、特別に教えるのです。」
そう言って、咳払いをひとつ。
「先輩には、一緒に穴に落ちた時励ましてもらったのです。「みんなのために頑張ってたじゃん」と……私、みんなを危険から守るヒーローになりたいのです。でもよく空回りして……はな先輩だけは、ヒーローって認めてくれたのです。」
そう語るえみるちゃんの目尻に光るものが、夕日に反射している。
「へぇ、お姉ちゃんがねぇ……」
「ヒーローに憧れてるって、変に思わないのですか?」
「まあね、お姉ちゃんもそんな感じだから。」
私は心の中で普段からお子ちゃまみたいに夢を語る姉の姿を思い浮かべた。
「ねぇえみるちゃん…いや別にお姉ちゃんと張り合う訳じゃないけどさ、私も今日のハイキングでえみるちゃん凄いなって思ったんだ。もちろん空回りする事は多いけど……でもそれって一生懸命じゃないとできない事だし、えみるちゃんの心配性は全部誰かのために、なんでしょ?」
しばらく考えて、こくんと頷くえみるちゃん。顔が赤いのは夕日に照らされてなのか照れてるのか、まあどっちでもいいや。
「まー実際あの石橋も確かめてくれなかったら危なかったし……お礼言ってなかったね。ありがと!」
「わ、私こそ!その……嬉しい……のです」

太陽はその残滓を地平線に残し沈んでいった。
その代わり、紺色の空に二つ瞬く星が私達を見守っている。

お姉ちゃんとえみるちゃん、どっちも危なっかしくて目が離せなくて。
それでも誰かのためにいつも一生懸命で。
ほんとに二人とも私がついてあげなきゃって思う、家族と……友達だ。

「ねえ、今度えみるちゃんのお家に遊びに行っていい?」
「もちろんなのです!いやでもことりちゃんが来るまでの道になにか危険が……」
「だから大丈夫だってば〜!」

(終……?)
最終更新:2018年04月03日 20:56