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一六◆6/pMjwqUTkgの140文字SS【10】


1.はな&ルールー「眠れぬ夜」②/一六◆6/pMjwqUTk


目を閉じても、まるでまぶたの裏がスクリーンになったように、映像が次々に浮かんでくる。こんなことは初めてだ。
溢れ出した想いが、赤と紫に輝いたあの瞬間。光の中から現れた、二つの未来クリスタル。そして一つしかなかったプリハートが――。
「まさか、本当にあんな奇跡が起きるなんて……」


2.はな&ルールー「眠れぬ夜」③/一六◆6/pMjwqUTk


想定外、という言葉は浮かんでこなかった。いや、想定はしていなかったけれど、えみるの身体を抱き締めた時、奇跡を信じたいという心が、胸の奥から確かに溢れたから。
それが何だか嬉しくて、ルールーは柔らかな笑みを浮かべる。
と、その時、部屋のドアを遠慮がちにノックする音が聞こえた。


3.はな&ルールー「眠れぬ夜」④/一六◆6/pMjwqUTk


「はい」
「あ、ルールーも起きてる?」
はなが、そろりとドアを開けて入って来る。そして起き上がったルールーと目が合うと、嬉しそうにニコリと笑った。
「何だか眠れなくってさ」
「私もです」
「じゃあ、少しお喋りしよ?」
「はい。でも、いいのですか? まだ風邪が治っていないのでは……」


4.はな&ルールー「眠れぬ夜」⑤/一六◆6/pMjwqUTk


「もうほとんど大丈夫だよぉ。あ! でも治りかけの風邪って伝染りやすいんだったっけ。めちょっく……」
慌てるはなを一瞬ポカンと見つめたルールーが、クスリと笑ってベッドのスペースを空ける。
「はな。私に人のウイルスは感染しません」
「あ、そっか」
照れ笑いのはなが、隣に潜り込んで来た。


5.はな&ルールー「眠れぬ夜」⑥/一六◆6/pMjwqUTk


「今日は嬉しかったね、ルールー」
「はい、とても」
「本当に良かった、二人一緒にプリキュアになれて。嬉しすぎて、なかなか寝付けないよね」
「……そういう、ものなのですか?」
目の前の戸惑ったような藤色の瞳を、満面の笑みで見つめてから、はなはギュッとルールーの身体を抱き締める。


6.はな&ルールー「眠れぬ夜」⑦/一六◆6/pMjwqUTk


「大丈夫。眠れないのは、きっと今夜だけだから」
「それは、こんな嬉しい気持ちで居られるのは、今夜だけということですか?」
「ううん」
はなは顔を上げると、ルールーにニッと笑って見せた。
「嬉しい気持ちはね、心の中に溜まっていくの。そしていつでも思い出して、味わうことが出来るんだよ」


7.はな&ルールー「眠れぬ夜」⑧/一六◆6/pMjwqUTk


「嬉しい気持ちは、心の中に……」
そう呟いたルールーが、スースーと微かに響く音に、驚いて目を見開く。
「はな……寝たのですか?」
相変わらず理解不能――でもそれが何だか心地良くて、ルールーも静かに目を閉じる。
薄闇に沈む部屋の中、まもなく二つの寝息が、穏やかなハーモニーを奏で始めた。


8.まえむき・あしたエージェンシー「“スタートダー”ッシュ・ミーティング」①/一六◆6/pMjwqUTk


「しもしも~?二人とも集まって~」
「へいへい」
「よし、5分間付き合うぞ」
「5分じゃダメよ。あたしたちの初仕事、ツインラブを売り出すための大事な作戦会議なんだから」
「で、どうするんすか?しゃちょー!」
「それをこれから話し合うんじゃないの。ぶっ飛びのアイデア、なんかない?」


9.まえむき・あしたエージェンシー「“スタートダー”ッシュ・ミーティング」②/一六◆6/pMjwqUTk


「オレちゃんの動画で宣伝したら一発っす!なんたってオレちゃん、再生回数283回のニューカマーだから!」
「うーん……宣伝としては、イマイチね」
「なんでぇっ!?」
「商店街にポスターを貼ってもらうのはどうだ?町内会長に頼めば、5分で終わるぞ」
「最初っから人任せでどーすんのよ!」


10.まえむき・あしたエージェンシー「“スタートダー”ッシュ・ミーティング」③/一六◆6/pMjwqUTk


「激ムズっす」
「5分じゃ無理か」
「ちょっと!何諦めてんのよ。何か無いの?誰もがあの子たちの歌を聴きたくなる宣伝!」
「歌って言やぁ、あん時のアスパワワはマジ凄かったっすね~」
「ああ。実にキラキラして……」
「それよっ!!」
「ん?」
「しゃちょー?」
「ライブよ、ラ・イ・ブ!」
最終更新:2018年07月18日 23:58