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NA-NA-NA ナイスバディ/makiray




「ブッキーぃ!!」
 桃園ラブは、山吹祈里がいつもの公園に姿を見せるといきなりかけよってハグした。
「会いたかったよー!」
「私もだよ、ラブちゃん」
 後ろでは、蒼乃美希が呆れていた。
「ちょ、苦しいよ、ラブちゃん」
「だって、久しぶりなんだもーん」
「相変わらずね」
 ふっと光が舞ったかと思うと、美希の隣に東せつなが立った。アカルンでラビリンスから移動してきたところであった。
「次に襲われるのは せつなだよ」
「美希はされたの?」
「逃げた」
 顔を見合わせて笑う。
 ラブはその間も祈里をハグしていたが、ふいに体を離した。
「ラブちゃん?」
「…」
 かと思うと、またブッキーをハグする。
「ちょっと、ラブちゃん、どうしたの?」
 ラブはまた祈里から体を離すと、祈里をしげしげと見つめた。
「ブッキー…大きくなった?」
「今頃、身長なんか――え!」
 祈里は笑っていたが、ラブの視線に気づくと、顔を赤くして胸部を両手で隠した。
「ブッキー」
「…」
「ブッキー!」
「ちょっとだけ…」
 祈里はラブに背を向けてしまう。ラブは踵を返すと、美希のもとに走った。
「ブッキーがナイスバディになっちゃったよー!!」
「なんだ、今頃気づいたの」
「え、ミキタン、知ってたの?」
「見ればわかるわよ。制服とかだったらボディラインが隠れるけど、いつもの服だもん」
「あたしの勘違いじゃないんだ…」
 ラブは祈里を振り返った。
「ブッキーが一人で大人になろうとしてる!」
「人聞きの悪いこと言わないで!」
 抗議する祈里。
「あ、せつな。せつなはどう――」
 せつなは、ハグしようとしたラブを両手で跳ね返した。
「やめてよ」
「せつなが、あたしに隠し事してるー!」
「そんないやらしいことのためにハグなんかさせない!」
「ミキタンは?」
「私は変わってないわよ。
 変わらないように気をつけてるもの」
 美希はむしろ自慢げに言った。モデルさんだもんなー、と うなだれるラブ。美希は意地悪気に笑った。
「ラブ、太ったんでしょ」
「な――なんのことでごじゃりまするか?!」
 ラブが飛び上がる。近寄ろうとしていた祈里はその勢いに後ろへ下がった。
「あたしの目をごまかせると思ってるの?」
 美希が意地悪気に笑うと、せつなもうなずいた。
「せつなもそう思ってるの?!」
「私には数値のことはわからないけど、人の体形をやけに気にしてるのは、自分が太ったからだとすれば説明がつくもの」
「う…う…う…」
 涙目である。祈里はラブが気の毒になったようだが、美希は逆に、もっとラブのスタイルをよく見ようと後ろに下がった。
「そう気にするほどでもないと思うけど。何キロ増えたの?」
「ひっ!」
 ラブが引きつる。
「わかったわよ。言わなくていいから。
 でも、それくらいならちょっと運動すれば大丈夫じゃない?」
「そうかな…?」
「うん…。
 最近、忙しくてダンスもあんまりしなくなっちゃったし、また一緒にやる?」
「うん。やる! ダンスする!
 ブッキーも一緒にやろう!」
 さっき泣いたカラスが、とはこのことである。ラブは美希や祈里と固い握手をした。せつなとも、ラビリンスでもダンスするよね、などと念を押している。
「じゃ、みんな揃ったところで、カオルちゃんのお店にレッツゴー!」
「なんでよ」
 美希が白い目で見ている。
「太った太ったってわめいてたくせにドーナツはありえないでしょ」
「スタイルに気を付けてるミキタンだっていつも食べてるじゃん」
「あたしはバランス考えてるもの。今日だって、四人揃ったらカオルちゃんだろうなー、と思ったからご飯少なめにしてきたし。
 ラブは?」
 目をそらすラブ。
「ラ・ブ」
「ふつうに…お腹いっぱい…」
「はい終了」
「そんな」
「しばらくドーナツ禁止だねー」
「ね、ちょっと」
「朝はしっかり食べるとして、でも、ジョギングとか日課にした方がいいかな」
「ミキタン」
「お昼は控えめ、晩御飯は更に少な目」
「蒼乃先生」
「夜のおやつは問題外。お肌にも悪いしね。
 それで週末はダンスレッスンってことにすれば、二、三カ月でそこそこ絞れると思うよ」
「三カ月もドーナツ禁止?!」
「そうだ、ミユキさんにも相談してみたらいいんじゃないかな」
「お願い、ミキタン!」
 美希は、袖をつかんで懇願するラブを無視、カオルの店から遠ざかる方向にずんずんと進んでいった。真面目に考え込んでいた せつなが、何かいいダイエットを思いついたのか口を開けたが、ラブの耳には届いていないようだった。祈里が苦笑する。
「ミキタンってばぁ…!」
最終更新:2019年02月20日 21:33