青木曾太郎「道」/Mitchell&Carroll
――何時しか、筆が指先になった。
字が、己の心の顕れであった。
己の心を洗う為に、字を書いた。
書は、私そのものであり、私も、書そのものであった。
私が最も印象に残っている書は、やはり麗華の命名書であろう。
花のように麗しく、美しい心を持った子になるように、との願いをこめて、したためた。
そして、それに応えるように麗華は立派に成長してくれた。
私が、書に道を見出したのは、14、5才頃だった。
ちょうど今の麗華くらいの年である。
その時の私は、どんな心境だったろうか。
この道を行けば、どうなるものか。
危ぶむなかれ、危ぶめば道はなし。
踏み出せば、その一足が道となり、その一足が道となる。
迷わず行けよ、行けばわかるさ。
麗華も、やがて己の中に道を見出すであろう。
私は、時に背中を押したりもしつつ、見守ってゆきたいと思う。
最終更新:2019年02月27日 20:42