「link to…」5
――― 譲歩。
うつ伏せになったほまれが、さあやの枕にしがみつくように顔をうずめながら、下半身だけをひざ立ちの体勢にする。
後ろへ向かって腰を突き出すみたいなポーズ。太ももから尻にかけて、フィギュアスケーターの下半身の魅力的な引き締まり具合が強調される。
(ううっ…、写真撮られるよりはマシだけど……)
四つん這いの姿勢を取ったさあやが、そのすぐ後ろから、ほまれの臀部に顔をくっつけんばかりの距離で観賞してくる。
「ねえ、もう少し、脚……開いてくれる?」
「……んっ」
親友の髪の匂いが濃く染みついた枕に、顔をギュッと押し付けて指示に従う。
普通に見られるならともかく、白々とした電気の光の下で、こうも舐めまわすように観察されるのは、思っていたよりも恥ずかしい。
(ああ、どうしよ、絶対いやらしい匂いとかしてるよ、これ……。さあやに嗅がれちゃう)
ここで、ハッ、と気付いた。
(ていうか、この格好、お尻の穴まで見えてるんじゃ……っっ!?)
ほまれの耳に、クスクスっと笑い声が届いた。
「あ、見えてるの、気付いた?」
やっぱり見られていた。
恥辱のあまり、可愛らしく引き締まったヒップの丸みが、ぶるるっ…と震える。
「ねえ、ほまれ……、他人にお尻の穴を見られるのってどういう気分? 恥ずかしい? それとも興奮する?」
小ぶりな桃を思わす尻肉を、さあやが右手で撫でさする。真っ白な肌の丸みに包まれた瑞々しい肉感が、手の平に柔らかく跳ね返ってきて気持ちいい。
それを愉しみつつ、突き出された尻の谷間で恥ずかしそうにキュッとすぼまっている肉穴も、しっかりと観察する。
「あー、今、ほまれのかわいいお尻の穴がひくついた」
「やっ! ちょっと……見るのやめてっ!」
「どうして? ちゃーんときれいだよ、ほまれのお尻の穴。ふふふっ」
「きれいとか、そういう問題じゃなくて……ああっ」
尻肉を撫でまわしてくる手の動きがこそばゆくて、突き出した腰が、ガクッ…と下がりそうになる。
「だめだよー、ほまれ。もっとわたしを愉しませて」
さあやの手の平が浮いて、羽毛みたいに軽いタッチで触れた指先だけが、つややかな尻の丸みを滑ってくる。女子中学生の健康的なヒップが、わななくように震えた。
「ひっ! くすぐったいっ」
――― ビクンッッ!
――― ビクンッ…!
さあやの顔の前で、敏感に腰を跳ねさせたあと、ほまれが真っ赤になった顔を、さらに深く親友の枕に押し付けた。恥ずかしさとくすぐったさで、頭の中がパニックになりそうだった。
感じやすい尻の表面を、さわさわと指先でまさぐられるたび、びくっ…びくっ…と小刻みに腰が跳ねる。
「ふふっ、ほまれを痴漢している気分♪」
「変なコト言わないでよ~~っ、……あああっっ、やだ、それダメっ」
ほどよく小ぶりで引き締まった尻の丸みが、こそばゆさから逃れようと、なまめかしく上下に揺すられた。
さあやにしてみれば、ひどく挑発的な光景。
気分が昂ってくる。
(ほまれ…、まだまだ、これからだから)
――― もっと可愛がってあげる。
つつぅっ…と、まろやかなヒップの丸みを滑り落ちた右手の指先が、太ももの裏をなぞって、恥蜜を漏らす秘貝へと辿り着く。
「んっ、う…あっ…」
尻を突き出したまま身じろぎするほまれが、「ふうぅっ…、ふうぅっ…」と枕に染み込んだ親友の髪の匂いを、溺れるように呼吸していた。いやらしい事をされるのを期待して、感情が激しく乱れているのだろう。
「ふふっ」
と、笑うさあやが、うら若いフィギュアスケーターの尻に顔を寄せて、優しく頬ずり。
――― そして、頬をゆっくりと滑らせ、その尻肉の谷間へ、愛しげに顔を押し付けた。
尻たぶの軟らかなクッションと密着させた顔をグリグリと動かしつつ、同時に、指先で彼女の秘貝を愛しさを込めた指使いで愛撫し始める。
「あっ、やっ……、そこっ、あっ……」
「んっ、ほまれは、どっちのほうが気になるのかな?」
「うっ…、くふっ…、ダメ……お尻は……」
哀願するようなほまれの声を無視して、じっくりと鼻で呼吸しながら嗅ぐ。
汗ばむ肌が、濃く蒸れたような匂い。
さあやが、遠慮せずに鼻で深く吸う。
(これが……ほまれのお尻の匂い)
存分に堪能しつつ、彼女の秘部をいじる指先は、じらすみたいに「くちゅくちゅ…」と湿った音を立てて、軟らかな処女の秘貝を丁寧に蕩かせていく。
「あぁ、やだっ…、ん゛っ、ああっ、やめて…、さあや…、あっ…、あぁぁ、ダメだってば……」
羞恥の感情とは裏腹に、ほまれは気持ちよさそうに腰を揺すっていた。たまに、ビクッ、と尻を跳ねさせて、すすり泣きにも似た声を上げている。
(ほまれ……っ)
親友の排泄の穴を嗅ぐという行為は、さあやに背徳的な興奮をもたらしていた。先程、ほまれに指を入れられた膣奥が、たまらなく疼いてくる。
「あぁっ…」
と、さあやの熱い溜め息が、直接、肛門に吹きかけられる。ほまれは自分でも理解できない昂りを覚えて、声を押し殺して汗ばむ裸身をよがらせた。
ほまれの恥部が卑猥な蜜にまみれてトロトロになった頃、それまで触れていた指が離れ、代わりに軟らかくて熱い感触が秘所に這ってきた。そして、息遣いの感触も。
(えっ……? これ……)
前に二人でした時 ――― 、
さあやが『恋人同士は指だけじゃなく、口でするコトもある』と言っていたが。
(うそっ、……ホントにそんなコトしてるのっ?)
ほまれが抱いている枕に、両手の指がギュウッと食い込む。
「…………っっ!」
驚きすぎたのか、声が出せない。まるで夜道でいきなり不審者に出くわしたみたいに、体が硬直してしまって言う事を聞かない。
優しく「ちゅちゅっ」と愛液をすするキスと、くちびるによる軟らかな愛撫。
熱く欲情した性器に濡れた音を立てて吸いつかれ、その軟らかな恥肉を「ぢゅっ」と吸引しながら引っぱられる。指でされるのとは違う、頭が痺れるような官能性。
「んっ…くっ……う……」
初めて味わう類(たぐい)の快感に、ほまれが両目を強く閉じて、眉間にシワを刻んだ。
後ろへ突き出した下半身は、緊張のあまりカチコチにこわばっていた。
(どうしようっ、もしも変な味とかしてたら、私、さあやに ――― 気持ち悪がられて……)
その感情は、不安というよりも恐怖。
でも、それを見透かしたように、さあやがゆっくりと味わいながら愛液を嚥下して、
「ほまれの味……大好き」
と、静かに言葉をこぼした。
そして、淫蜜でぬかるむ恥部へ、さもいとおしそうに熱のこもったくちづけを行う。
とろけた秘貝を割って侵入した舌使いが、膣粘膜をねっとり濡らす愛液を、綺麗に舐め洗ってゆく。舌を動かすたびに、ほまれが気持ちよさそうに身じろぎするので、なんだか奉仕している気分。
軟らかで熱い恥肉と、軟らかで熱いくちびるが蕩け合いながら紡ぎ上げていくのは『愛しい』という、ただひとつの感情。
なめらかな舌先で、秘所の敏感すぎる軟肉を愛撫され、ほまれが恍惚の声を上げた。
「ああああ……あ゛あ゛っ……あああっ、あっ、やめっ…何か……来ちゃうっ!」
――― さっきのさあやの一言で、恐怖は消えていた。
――― 代わりに、駆け登ってくる愛しい気持ちと綯い交ぜになった快感。
くちびるの軟らかさと、熱い息遣いと、せわしげな舌の動き。
処女の秘部が、淫らな悦びの粘蜜をさらに分泌する。
「……さあや、私の味って、どう?」
「おいしいとは言えないけれど、うーん、でも、毎日舐めてたら、おいしいって感じられるようになるのかな?」
「毎日は……ンッ、ちょっと…困るかな……、あっ」
尖らせた舌先が、濡れそぼった膣口に優しく押し込まれる。浅い挿入感。ほまれの腰に、さざ波のような震えが走る。愛しい舌の侵入に、膣襞が軟らかく収縮する。
「あああ……すごいっ、さあやの舌、来てるっ! 奥っ……もっと奥っ……ああああっっ」
後ろに突き出した尻が、ぶるるるっっ!…と激しく震えた。
さあやの髪の匂いがする枕をギュウウッと強く抱きしめて、うっとりと両目を閉じる。
(……ああ、このまま、さあやと一緒に、赤ちゃん……作りたいな……)
舌先が抜かれる感触に、ほまれが枕に押し付けた口で「ん゛っ…」と喘いだ。
また新しい愛液で濡れはじめた秘貝の割れ目に、「ちゅっ、ちゅっ」とこそばゆいキスが走る。そのたび、膣粘膜の裏で、甘美な微電流のような刺激がムズムズとざわめく。
気持ちよくて ――― さあやの淫らな昂りを誘発するために、ほまれがワザと腰を揺すった。
再び舌先がクニュっと膣口をいじってくる。
早く中に入れてほしいのに、膣穴の周りを丁寧に舐めこすっていて、もどかしい。
「ううううっ……んっ、んんっ、お願い……早く来て……っ」
はぁっ、はぁっ…と息を乱すほまれが、じれったそうに腰を揺する。
14歳の少女の無垢な膣に、さっきよりも軟らかに『ヌルッ』と抵抗なく、尖らせた舌先が入ってくる。 たどたどしい舌の動きで膣肉を舐めこすり、また、舌を突き出したまま顔を前後に振って、膣穴に浅めの挿入を繰り返す。
「はあぁっ、あああっ……、んっ、さあやぁっ、ああっ…あ゛っ、ああああぁ」
ベッドに着いていた、ほまれの両ひざがわずかに浮いて、後ろに尻を突き出した姿勢を、左右の足のつま先だけで支える姿になった。
四つん這いのさあやが、ぐいっ、と身を乗り出す。少し位置の高くなった同級生の尻に、さらに深く顔を押し付けて、処女の膣を快楽の舌責めによって口説き落とそうとする。
「待って、さあや、あっ、あっ、これ…すごすぎて……頭…、ひッ! あっ、ダメ…、狂うっ…」
にゅるっ…と浅く挿入されるたび、濡れた膣襞の収縮で、さあやの舌先を搾るみたいに締め付ける。腰全体が甘やかに溶けてしまいそうな感覚。それに酔いつつ、淫らに蕩けた自分の膣と親友の舌を愛し合わせる。
「あっっ」
ほまれの腰が、ビクンッ、と跳ね上がった。さあやの顔が追いかけてくる。浮かせた両ひざが、ガクガクと震えて、腰が砕けそうになっているのが自分でも分かった。
もう、さあやの枕の染み付いた髪の匂いに溺れるだけではガマン出来ず、その枕にくちづけを繰り返す。唾液で濡らして、汚して、さあやの枕を自分の匂いで上書きしていく。
やがて、熱くとろけきった膣穴から舌を抜いたさあやが、ベッドにひざ立ちになって、突き出された親友のヒップを両手で優しく固定。クスクス笑いながら、自分の腰をグイッと前に突き出して、尻の丸みへ密着させる。
……ゆっくりと、ほまれの腰が押される感触。
「やだっ、何してんの……、もお…」
後背位の体勢で、密着した腰を緩やかに揺すり続けているさあやに、ほまれが気だるげに声をかけた。さあやは可愛らしく笑って答える。
「ほまれ、二人で赤ちゃん作ろっ…」
冗談めかした声だけど、そこに含まれた欲情の響きは、その行為をまぎれもなく望んでいた。
犬の交尾みたいに後ろから腰を揺すられているほまれが、
「前にしたアレ……する?」
と尋ねると、すぐに「うん」と返事が返ってきた。
――― ほまれの秘部が、ぞくっとうずいた。
さあやが尻に添えていた両手を離すと、ほまれは枕を手放してベッドの上に横になった。
ひざ立ちだったさあやも、ベッドの上に尻を着いてカラダを倒していく。
……お互いの脚の動きを感じながら、さあやが軽く上げてくれた右脚の下に、ほまれがスラリとした左脚を潜り込ませる。半側臥位の姿勢になって、伸ばした右脚をさあやのカラダに預けると、彼女の両腕がすぐに抱きしめてきた。
「もう少し、奥……来て」
「うん」
ほまれが頷き、さらに深く腰を侵入させて、二人の濡れた部分を重ねにいく。さあやもまた、協力的に腰の位置を調整する。
すっかりヌルヌルになったの性器同士が『くちゅっ…』と軟らかにキスする。「んっ…」と、さあやが腰を小さく揺すって、より密着度を高める。
ほまれが気持ちよさそうに、目の前にあるさあやの右足を抱き寄せ、その踵(かかと)に頬擦り。くすぐったそうに裸身をくねらせたさあやが、同じように、ほまれの右足に頬擦り。
「今日は最後まで離さないから。……途中でトイレ行きたいって言っても駄目だよ、ほまれ」
「うぅ…、だって、コレしてると、なんか妙に漏らしそうになっちゃうし……」
「だーめ、ガ・マ・ン。…ふふっ」
――― ゆっくりと、さあやが腰を使い始める。
愛蜜のぬかるみをローションにして、熱くなった淫らな軟肉をすり合わせる。
さあやの右足の踵からアキレス腱にかけて「ちゅちゅちゅっ…、ちゅっ」とキスを走らせたほまれも、同級生の少女の腰使いにテンポを合わせて、優しく腰を揺すり始める。
好きな人がいる相手と、全裸になって下半身を絡ませあう背信的な行為。しかも、彼女との間に赤ちゃんを作りたいと強く思いながら。
「んっ、ごめんね、さあや……あっ」
「いいの、ほまれと二人だけの秘密……作るの、あっ、好きだから、う…んっ、あ゛っっ!」
ほまれの右足に抱きついて、さあやが汗ばむ背中を、ブルルっ…と震わせた。
……濡れた粘膜の摩擦。
敏感な恥肉を、軟らかに愛撫させあう卑猥な感覚。
(ああっ、これ……好きっ)
ほまれと『赤ちゃんを産む場所』同士で気持ちよくなっているという事実が、さあやの情欲を昂らせる。もしかしたら、カラダがほまれの赤ちゃんを妊娠したがっているのかもしれない。
「あっ、すごいっ、腰……あっ、来てるっ……」
「どうしたの、さあや。フフッ、漏らしちゃうってカンジ?」
「んーん、漏らさないよ、ふふふっ。それより……ん゛っ、ちょっとほまれ…待って、あっ、うぅ…」
ほまれの腰使いに、いつのまにか主導権を奪われていた。
腰の動きのペースが少し速めなので、うまく感情をコントロールしないと、すぐに ――― 。
「あ゛ああ…ッ!」
冷静になろうとしている心とは裏腹に、さあやの秘所に『ぞくぞくぅッ…』と淫猥な痺れが走った。
ほまれが腰を揺すって、愛液でベトベトになった秘貝をヌルヌルこすり合わせくる。愛しさと快感で充分に蕩けきった性器では、この卑猥な気持ちよさに抵抗できない。
「駄目っ、あまり速く動いちゃ……ああっ、やっ、あっ…!」
――― ゾクッッ!
腰の奥でうずいた尿意にも似た感覚。
さあやがひどく息を乱して、下半身をキュッとこわばらせたあと、急に、がくんっ…と腰砕けに。
「ああああっ、駄目っ、駄目っ! ほまれっ、あっ……もっと、ゆっくり……」
「フフッ、さあやのそういう声聞くと、もっと激しくしたくなるなぁ」
スポーツの嗜んでいる女子ならではの、しなやかな腰使い。
汗に濡れた腰のくびれが、なめらかな動きで微妙にペースアップ。
両目を見開いたさあやが、
「だめっ! 今は本当にだめなのっ! あああっ、だめっ……ああああっ……」
と、甘くとろけた声で訴えて、瞳から涙をこぼす。
腰の奥で、膣が快感に溺れながらひくつく。抗うことの出来ない反応。
ほまれの熱く濡れた性器にヌルヌルと摩擦されて、14歳の少女の恥部がよがり狂わされる。
「あああっ、ほまれぇ……、やだっ、すごい、腰…溶け…、ああああっ、もう立てなくなるぅっっ!」
びくっ!びくっ!と、さあやの腰が尻肉をわななかせながら痙攣した。
たまらなかった。抱き寄せたほまれの右足に何度もくちづけを繰り返しながら、片手で自分の胸をいじった。
乳房の先端は、軽く指先でさすっただけでも、甘美に痺れ、頭がおかしくなりそう。
「んっっ!」と、腰を振っているほまれが強くうめいた。
熱く蕩けた性器を淫らに舐め合わせているうちに、あふれてきた愛液の量が多すぎた。正直、ベチョベチョして変な感じだ。それでも、腰使いをとめたくない。この快感を、もっとさあやの秘所に深くこすり付けたい。
「さあやっ、私の赤ちゃん、産んでくれる?」
「ああぁっ、いいよ、ほまれの赤ちゃん、産んであげる。……だから、お願い、このまま……」
「わかった、妊娠して、さあやっ」
「するっ!…ああっ、妊娠するからっ! あああっ、ほまれの赤ちゃんちょうだいっ!」
汗に濡れた二人の少女の下半身が、なまめかしく淫らに揺すられる。
女子中学生の裸身がベッドの上で卑猥にくねって、濡れた性器同士を激しく愛撫させあう。
――― 愛し合いたい。二人の気持ちが……もっと溶け合うまで。
「ああああっ、ほまれの赤ちゃんっ、ああっ…ああああっ本当に出来ちゃうっ!」
「産んでっ、さあやっ、私もちゃんと面倒見るから……アアッ、……すごいっ!」
「あああ……ああああっ、やぁ…っ、腰……溶け……ああああああっ」
「私も腰っ、溶けそう……、ああっ、さあやっ、もおっ、私っ!」
「わたしもっっ!」
ビクッ…! ――― ビクッ…、ビクッ…!
少女たちが夢中で揺すっている腰に、こまやかな痙攣が何度も何度も跳ねた。
粘つく水音を奏でていた二人の股間で、処女の粘膜が甘美に痺れ ――― 。
そして、快感から恍惚感へと一気に昇りつめる。
本当に頭の中が真っ白になるほどに、強く。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
……ベッドのシーツは、もう二人の汗でぐっしょり湿って、とても寝れそうになかった。特に真ん中のあたりは、汗とは違う液でベットリと濡れそぼっている。
仕方ないので、二人が抱き合ったままベッドの端に詰めて、なんとかカラダを休めるスペースを確保する。
まだ絶頂の感覚は落ち着いていない。
熱くなった肌を重ねているだけでも、したくてムズムズしてくる。
ほまれが、さあやの髪に指を通して梳(す)きながら、たっぷりと匂いを嗅ぐ。
「ねえ、明日も勉強見てもらえる?」
「いいよ。あさっても見てあげる」
「フフッ、冗談だってば」
「わたしのほうは、冗談じゃないけど?」
さあやの指先が、くるくると自分の髪を一本巻きつけ、ピンッと抜いた。
そして、その長い髪の毛をほまれの右手首にクルクルと巻いて、最後は器用に蝶々結び。
「はい、これで約束。……あっ、約束破ったら呪うから」
「呪う!?」
さあやの良く解からない一面にドキッとさせられるが、ハハハ…という乾いた笑いで、それは流す。
「……さあや、いいかな?」
「うん」
親友の気持ちを全部受け止めるつもりで、さあやが頷いた。
ほまれは少し言いづらそうにしていたが、やがてキッパリと態度を決めて、自分の気持ちをさあやに伝えた。
「私ね、気がついたら、さあやのことが本当に好きで……その、愛してるっていう意味で好きで、でも、私はやっぱり、さあやが好きな人と結ばれてほしいから、絶対そうなるように応援する」
心は、ちょっとだけ切ない。
さあやに心配かけたくなかったので、ほまれはとりあえず笑ってみせた。
そんな彼女を真っ直ぐに見て、さあやが言った。「ありがとう」と。
「でも、もし、わたしがその子と結ばれなかったら……その時は ――― 」
「その時は、私がさあやをお嫁さんにする。誰にも邪魔させない」
ほまれの強いまなざしが、さあやの瞳にぶつかってきた。
「ほま…れ……」
さあやの左手が、優しく、しかし抵抗を許されないチカラで引かれる。
その手は、ほまれの手で彼女の口元まで運ばれ……。
――― 薬指の背に痛みが走った。
噛まれている。強く。強く。くっきりと、あとが残るほどに。
全然嫌ではなかった。むしろ愛しくて泣きたくなるぐらい。
ほまれの口が離れると、すぐにさあやは自分の薬指を見た。
婚約指輪代わりの、歯形と痛み。
「ごめんね、女優の身体に、傷……付けちゃった」
「ううん、いいの。……これが、ずっとわたしの指に残ってくれればいいのに」
自分も、その薬指の背にくちびるを這わせた。
――― この痛みが一日でも長く続きますように。そう祈りを込めて。
そして顔を上げ、ほまれを幸せそうに見つめて、微笑みながらお願いをした。
「もしもに備えて、今から予習してもいい? わたしが、ほまれのお嫁さんになった時の」
(おわり)
最終更新:2019年04月02日 20:13