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『人魚の食感』6




 みのりが短く了承。
 いったん身を起こし、ツボの中の粘水を両手でたっぷりすくってローラの背中に全て垂らす。そのあとで、粘水まみれの両手をまんべんなく擦り合わせて、手指のスベリを良くする。
 再びローラの白い背にハダカの上半身を預けながら、無防備な両脇から左右の手をもぐりこませる。

「ローラ……」
「…うん」

 恋人に対するような甘い呼びかけと、甘ったるい返事。
 マットとカラダに挟まれて押しつぶされた乳房を掴む両手。愛撫しづらいのか、それでも懸命にモゾモゾと動かしている。同時に、ヌメった中指が乳肉の軟らかさに埋もれた乳首を探し当てようとしている。
 みのりの裸身のやわらかさが、なめらかな背中を舐めるようにすべっている。
 ローラが半ば夢見心地で喘ぎつつ、熱い溜め息と共に声をこぼした。

「あっ…、きもちいい、すごい……、あ…あぁああ……、みのり、すごくいい……」
「……胸と背中、どっちが気持ちいい?」
「ばか。そんなの両方に決まってるじゃない」
「ふーん、じゃあ、これでも?」

 探り当てられた左右の乳房の先っぽを、みのりの指がちょっと強めにつまんで、クニクニと揉み転がしてくる。
 ……すっかり感じやすくなった乳首が、官能的な悦びに痺れる。

「ああっ、それもすごいっ……、好きっ…、もっと……ああっ」

 ローラがマットの上に両ヒジを着いて、上体を軽く持ち上げる。
 みのりの両手が動きやすくなった。

「ローラ…、もっといっぱい気持ちよくなって……、ンッ…」

 張りのある瑞々しい乳房を撫でいらう手の動き。
 乳輪でクルクルと円を描いた指が、爪の先を乳頭へ這わせて、優しく愛でてくる。
 ―― くすぐったい。
 ぶるっ…と揺らした乳房を、粘水で濡れた両手のひらが撫でまわし、ヌルヌルと揉みしだいてくる。

「あああ……っ、胸…きもちいい……、溶けちゃう……、ああっ、すごいっっ……!」
「ああ…、ローラの気持ちよくなってる声、もっと聞かせて……っ」
「だめっ…先っぽ、爪でクリクリしないでっ……、あっ、それ、変になっちゃうっっ!」

 ビクンッ!と跳ねた背中の反応が、みのりの興奮をさらに刺激した。
 白磁の背中にますます強く密着して、粘水にまみれた裸身の柔らかさをなすりつける。
 綺麗なものをいやらしく汚しているみたいで ―― 背徳的な感情が高まってきた。
 ……いったん大きく引いた上半身を、粘水のスベリを利用して、ぐっと押し出すようにローラの背中に滑らせる。

(カラダ全体で、ローラとキスしてるみたい……)

 さきほど二人が舌と舌を絡めて交わしたキスを、今は背中とカラダを使って行っている。
 ローラの乳房を優しく掴み、ヌルヌルと揉み転がしながら、もう一度同じ上半身の動きを繰り返した。
 みのりの口から、自然とローラへの想いがあふれた。

「私 ―― ローラが好き」
「ふぇっ?」

 胸先の愛撫に気を取られていたため、一瞬何を言われたのか分からなかったローラが変な声を上げて振り向こうとした。
 ……が、それよりも早く、うなじから左肩へと続く部分に顔をうずめたみのりが、そこに熱いくちづけをしてから、口を開いて上下の歯を添わせてきた。
 噛まれる ―― と直感したローラだが、微かに身をこわばらせただけだ。
 ゆっくりと肌に食い込んでくる歯の硬さと痛み。
 思っていたよりも強く噛まれたが、怒りは湧かなかった。

 ―― 静かに口を離したみのりが、お詫びをするように舌を伸ばして、くっきりついた歯形を舐めてくる。

「ふふっ、人魚は……美味しかった?」
「噛んでごめん、ローラ」
「いいわよ、そんなの。
 ……もしかして、人間の女の子に食べられた人魚っていうのも、こんな気分だったのかしら。みのりが不老長寿になって幸せになってくれるのなら、このまま食べられたって全然後悔しないわ」
「ローラを犠牲にして不老長寿になっても、ぜったい幸せにはなれない。……でも、好きな人になら食べられてもいいって気持ち、私にもわかる」

 歯形のあとに、ちゅっ、とキスしたみのりが、右手をローラの乳房からお腹へとすべらせ、くすぐったがる彼女のもう少し下をさわる。

「ちょ…、こらっ、みのりっ、どこさわってるのよ!」
「ローラは知ってる? 女の子が、好きな人の赤ちゃんを作る場所……」
「一応、知識はあるわよ。まあ、わたしは人魚だし、関係ないけど」
「でも、今は人間の姿でしょ? ……ねえ、ローラ」

 みのりはそこで言葉を切ったが、ローラには、続くはずだった問いかけが予想できた。
 恥ずかしいのをガマンして答える。

「赤ちゃんを作りたいとは思わないけれど、その代わり、もっと……気持ちよくなりたいのかしら。なんだかムズムズして、変なカンジよ」
「私も。……こっちでも、ローラと一緒に気持ちよくなりたい」
「あっ、だったら……」

 面白いコトを思いついたローラ。
 みのりに背中から降りてもらったあと、左を向いて横向きに寝そべった状態で、右脚を開いて、足のチカラだけで大きく持ち上げる。
 ……処女の秘貝が丸見えになってしまう姿勢だったが、ローラは自分のあられもない格好に気付いていない。逆にみのりのほうが気を遣って目をそらしてしまう。

「こらっ、今から説明するのにどこ見てるのよ、みのり。
 ―― いい? 最初にやった胸の先っぽ同士でのキスの応用よ。あれと同じように、二人のここをキスさせれば、一緒に気持ちよくなれるわ」
「うん、わかった。早くやろう」

 みのり、即決。
 股間をガバッと開いたまま得意げな顔で語るローラを見ていられなくて、すぐさま動いた。
 持ち上げられた彼女の右脚を左腕でそっと抱き支えながら、乙女座りの体勢で、左ふとももの上にゆっくりと尻を下ろした。右手を後ろ手に着いて、腰の位置を前にすべらせる。



最終更新:2022年06月08日 21:21