ひきこもごも/ゾンリー
「お邪魔します」
「さ、上がって上がって~。あれ、またアコ身長伸びた?」
「成長期だからね」
響に言われて少しだけ……ほんの少しだけ嬉しくなりながら、私――調辺アコは北条家の玄関を見渡した。
(……響の部屋にいるのかな)
「ピーちゃんなら私の部屋だよ~」
う。ズバリ言い当てられた。
そう、今日の目的は響の家に預けていたピーちゃんを引き取る事。
「私そんな分かりやすい顔してた?」
「もー長い付き合いですからねぇ」
「まだ2年でしょ」
ノイズとの戦いが終わって、私は小学五年生、響はもう高校一年生にもなった。
それぞれ忙しくなって、家を空けることも多くなって。一時期は響に預けっぱなしにしていたピーちゃんは、交代でお世話することにしたんだ。
「いゃーもう2年だよ」
「えー」
軽口をたたき合いながら響の部屋の前へ。
……? なんだか部屋の中が騒がしい?
「みんなー、アコ来たよー」
勢いよくドアを開くと、たおやかな顔の少女と吊り目が特徴的な少女が。2人ともどことなく大人っぽさが増している気がする。
「奏、エレン!」
「久しぶり、アコ」
「また身長伸びた?」
「それさっき響にも同じこと言われた」
4人……あ
「ピィー!」
「ニャップニャプ~♪」
4人と2匹、久々の全員集合に心が躍る私。
机の上には奏の作ったカップケーキ! エレンがハミィを、私はピーちゃんをそれぞれ膝の上に乗せて、他愛のない話に花を咲かせた。
「それで、音楽事務所のプロデューサーったらさぁ」――
「この前偶然王子先輩に会ってね!」――
楽しい事も、悲しかったことも、全部分け合う。
ノイズがピーちゃんに戻った時にそう約束したって言うのもあるけど、みんなといると変な気を遣わなくていいからついつい話したくなっちゃうんだ。
(……ふふ)
「ピィ~~」
「カップケーキもーらい。ピーちゃんが食べたいって」
「とか言って~、アコが食べたいだけじゃないの~?」
「さぁーどうでしょ」
無意識に、ピーちゃんの羽毛を撫でて撫でて撫でまくる。
心地よい時間が、いつまでも続けばいいのにって願いながら。
最終更新:2024年05月22日 20:43