ピックルンに想いを込めて/一六◆6/pMjwqUTk
ねぇ、ピルン。
あたしをプリキュアに選んでくれて、ありがとう。
タルトに出会えたこと。シフォンに出会えたこと。
そして、せつなに出会えたこと。
あたし、とっても感謝してる。
あたしは頭が良くないから、駆け引きなんて出来ない。
どれかひとつなんて選べないから、結局、全部をあきらめきれない。
だからね、ピルン。あたし、時々思うんだ。
あたしがこんな調子だから、ピルンはホントは
毎日ドキドキ冷や冷やしてるんじゃないか、って。
ねぇ、ピルン。
それでもリンクルンから飛び出してくるとき
ピルンはいつも、すっごくきれいな笑顔だよね。
どんなピンチのときでも、どんなに落ち込んでいても
あの笑顔を見るとね、あたし、何だか勇気が湧いてくるんだ。
あたしのこと、一番近くで見守ってくれてるピルンが
大丈夫だよ、頑張って。そう言って、背中を押してくれてる気がして。
ピルン、一緒に頑張ろうね。
あたし一人じゃ何もできないけど
あなたの想い、みんなの想い、そして、あたしの想い
みんな集めて、あたしたちのパワーに変えてみせるよ。
戦いの日々は、いつか必ず終わらせてみせる。
敵とか味方とか、そんなんじゃなしに
いつかみんなで・・・そう、み~んなで
必ず幸せ、ゲットするからね!
☆ ☆ ☆
小さい頃から、なぜかアタシの役回りは、お姉さん。
みんなに頼られて、みんなに甘えられるお姉さん。
アタシだって、甘えたいときはあったはずなのに
いつしかそれに慣れて、甘えるのが苦手になってた。
言い訳することが、嫌いになってた。
そんなアタシが、幼い頃の素直な気持ちに気付いたとき
あなたは現われたのよね。
いつもは控えめで、目立たない小さな相棒。
でも、いざというときは願いを叶えてくれる。
アタシだけの小さな王子様。それがあなたよね、ブルン。
アタシはいつも、完璧でいたい。
だからプリキュアだって、完璧にやりたいの。
勿論アタシだって、不安に駆られることはあるわよ。
シフォンを守れなかったら。この街を守れなかったら。
大切な人たちを、傷付けるようなことになったら、って。
でもね、ブルン。アタシ、心のどこかで思っているの。
アタシたちなら・・・アタシたち四人なら、何があっても大丈夫、って。
四人一緒なら、出来ないことなんて無いんだ、って。
ねぇ、ブルン。これって単に、アタシが甘いのかしら。
それとも、これも希望のひとつだって、そう思っていいのかな。
いや、どっちも違うわね。
希望のひとつにするために、やるべきことはやらなくちゃ、よね。
だからブルン、どうかアタシに力を貸してね。
アタシ、最後まで諦めない。この街を、シフォンを、きっと守ってみせる。
だってアタシたち、完璧だもの!
☆ ☆ ☆
キルンがいると、動物さんたちの言葉がわかる。
それはとっても嬉しいこと。でもね。嬉しいのは、それだけじゃないの。
小さい頃から、ずっと信じてた。
動物さんたちは、みんな素直でやさしい心を持ってるって。
それが本当のことだって、キルンは教えてくれたの。
信じることも、時には苦しいの。
だって本当にそうなのか、わからない方が多いから。
疑った方が楽だって、そう思うときだってある。
でも、信じることは、力になると思うから・・・。
だからいつも口に出して、自分を励ましてきた。
誰かと争うことは苦手。戦いなんて、本当はしたくない。
だけど、振り返ってみれば
わたし、お父さんやお母さんが、戦う姿を見て育ってきた。
動物さんたちを、病気や怪我から守るために。
飼い主さんたちの無知や、偏見や暴力から守るために。
実はお父さんやお母さんも、恐いと思うこともあるのかもって
恐いけど、自分ではしゃべれない動物さんたちのために
自分を信じて頑張っているのかもしれないって
わたし、プリキュアになって初めて考えたの。
キルン。わたしに勇気をくれて、ありがとう。
あなたが信じてくれたわたしを、わたしも信じてみるね。
動物さんたちと一緒に、みんなで笑って暮らせるような
小さな命が、大切にされる未来が来るように。
ううん。そんな未来を、わたしたちならきっと作れるはず。
わたし、信じてる。
☆ ☆ ☆
やわらかなベッド。光が踊るカーテン。
お父さんの手作りの、がっしりとした勉強机。
起きなさい、朝ご飯できたわよって、お母さんが呼ぶ声。
朝の空気を思い切り吸い込んで、いつもそっとつぶやくの。
ああ・・・幸せだな、って。
アカルン、私を選んでくれてありがとう。
長い間、一人で待たせちゃってごめんなさい。
でも、私も驚いたのよ。こんな私が、プリキュアになるなんて。
でもあなたは、私を選ぶことから始めてくれた。
そして、ずっと待っていてくれた。
ちょうど、お父さんとお母さんが
私を受け入れ、愛することから始めてくれたように。
ねぇ、アカルン。
今までずっと戦ってきた私だけれど、初めてなの。
誰かと一緒に戦うことも。そして、誰かのために戦うことも。
人生で初めて、守りたいものができた。守りたい人たちができた。
そして、信じられないことだけど
私のことを心配して、守ってくれようとする人たちができた。
だから、私は一人じゃないって、ようやく思えるようになった。
アカルン。私、みんなと一緒にがんばるから。
この先どうなるかなんて、わからないけれど
少なくとも、早くこの戦いを終わらせたい。
ラブや美希やブッキーが、もう戦ったりしなくて済むように。
本当に穏やかな日々を、この街に取り戻したい。
そして私も、そんな日々を味わってみたい。
だからアカルン。
私、精一杯がんばるわ。
☆ ☆ ☆
最終更新:2013年02月16日 20:08