鏡よ鏡/一六◆6/pMjwqUTk
出番の前 心を落ち着けてから 目の前の大きな鏡を見つめる
鏡の中のあたしに そっと微笑んで 呪文のように小さく呟いてみる
鏡よ鏡 今日のあたしは どんな笑顔をしているかしら
アイドルの 無理にこしらえた笑顔じゃなくて 心から笑えているかしら
眩しい朝の光が 色とりどりの屋根の上で踊る
あたしを呼ぶ声に振り返れば
マナと六花とありす 三人が笑顔で手を振ってる
この世界に流れ着いたときは 毎日不安に押し潰されそうで
誰にも心を開けず ひたすらに がむしゃらに 必死で歌った
この世界のどこかに あの方が無事でいてくれますように
この世界のどこかで あの方が聴いていてくれますように
ただただ その想いにすがって
鏡よ鏡 今は一人でいても たくさんの人の姿が思い浮かぶの
仲間たちや 応援してくれる人たち その気持ちが信じられるようになったから
みんなと過ごす日々の中 ロイヤルクリスタルが次々と現れ
ついにあの方へと 辿り着いた
その目はまだ開かないけれど 変わらぬ気高さで 何にも汚されていなくて
だけど ホッとする心の隅で つい考えてしまう
あたしが今まで歌ってきたことに 意味なんてあったのか
あたしはこれからも歌い続けて 本当にいいのかって
無駄なことだと分かってしまえば やめればいいだけ
それなのに 何? この胸に立ち込める もやもやとした真黒な雲は
鏡よ鏡 あのとき あの方の声を 届けてくれてありがとう
あの方に言われて 思い出したの
歌っていて楽しかったこと みんなの応援が嬉しかったこと
だからあたしは やっぱり歌いたいんだって気付けた
自分のために歌うだなんて ジコチューだって言う人もいる
だけどあのとき もしもあの方の声が聞こえなかったら
あたしの心は きっと今も黒雲で覆い尽されて
仲間たちの励ましにも 自分の本当の気持ちにも 背を向けたままだった
もしかしたらジコチューって 自分中心って意味だけじゃなくて
自分の中の黒い雲に囚われて それしか見えないってことなのかもしれない
もしそうなら――雲間に射し込む小さな光みたいに 少しでも 想いを届けられたら
鏡よ鏡 どうか見守っていて 今日も楽しんで歌うから
歌を聴いてくれるみんなのために そして あたし自身のために
あなたが大好きっていう気持ちを ありがとうっていう想いを
この歌に いっぱいに詰め込んで
最終更新:2013年07月19日 21:51