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「陥落まで、あと...」/Mitchell&Carroll




押しては返す、波の音。
行くべきか否か。そんな気持ちに同調するかのような地球のリズム。
海の彼方に沈む夕日を見届ける、二人の少女。
「...なぎさ。」
ドキン。
気が付けばもうそこに、相棒の顔。

「(まつ毛ながっ!それにいい匂い...あ、あたし汗臭くないよね!?)」
ほのかの瞳の中に自分の顔が映っている。
「(つ、つつ、ついに、あたし、ほのかと...キ、キ、キス!?)」
目をぎゅーっと瞑るなぎさ。
「なぎさーっ!!長老の入れ歯が行方不明メポ!一緒に探すメポ痛たたたた!な、何するメポー!?」
「どう?凄いでしょ、あたしの握力。ラクロスで鍛えてるから。」
「頭蓋骨がきしむメポポポポァ!!」
ポンッと消えた。今頃、光の園では「頭が凹んでるミポーッ!!」「レ、レントゲンメポーッ!!」
といったやりとりが展開されている。

「...じゃ、気を取り直して。」
ほのかはずっと待っていてくれた。同じ場所で、同じ気持ちで。
なぎさの手の上に自分の手を置いた。
「(ほのかの手...表面はひんやりしてるけど、奥からあったかいのが伝わってくる。
トクン、トクンて、ほのかの鼓動を感じる。ってことは、
こっちの心臓バクバクいってるのも、伝わってるってことだよね...。」
ほのかの瞳に映る少女は、ゆっくりと目を瞑った。
今、二人の絆は、より強いものとなる。

それはまるで、二つの水滴が、一つに溶け合うように。
波の音が消えた。

「...なぎさって、するとき目を瞑るのね。」
それも目を瞑ったまま聞くなぎさ。
夕日が顔に反射していてよかった。そうでなければ、高揚を隠しきれなかった。
うっすらと目を開けようとした瞬間、
狙い済ましたかのように、ほのかはキスを、短いキスを、何度も何度もお見舞いした。
なぎさ、陥落。

THE END
最終更新:2014年02月10日 18:19