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バイト始めました。に




今やってるバイト、時給制ではあるけど他に出来高でお金がプラスされます。あと危険手当的なものも貰えます。
出来高は、プリキュアに攻撃を決める度に増え、危険手当は必殺技とか受けた時に発生します。
ただ少し困るのは、いつも突然にバイトの依頼が入ること。まあでも、基本家でだらだらしてるだけだしいいかなって感じです。ご飯食べてるときに呼び出すのはやめてほしいけど。

このバイトは少し特殊で、自分の体を使って働くわけではない。なんだっけ…精神を貸すとかなんとか。怪物の中に自分の精神を入れ動かすそうです。そう、怪物の形は毎度毎度変わるけど中に入ってる人はいつも一緒なんですよ。
精神だけを貸していますが、あまりにも強い力を受けると肉体にも影響してきます。現にこの前怪物の姿の時に脇腹を蹴られたけど、その部分と同じところに痣ができてましたからね。痛いです。

精神を貸すバイトとか聞いた事ないし、怪しさ満載だし、最初は続けるの迷ってたけど、さっきも言ったみたいに手当が多いし時給がいい。給料もちゃんと銀行に振り込まれてるので細かいことは深く考えないことにしました。
送金元は「株式会社ラビリンス」…聞いた事ない社名だけどまあいいか。
ただ、依頼数が不安定なので、毎月の給料に差が出てしまうのは少し考え物です。


「すみません。今からバイトをお願いします」
「…あ、はい。わかりました。」
いつものように脳内からの声に答えると、次の瞬間には目の前にプリキュアが。
なんか指示してくる人の命令を聞きつつプリキュアに一撃入れる為に頑張って動きます。そう、全ては生活のため!正義の味方に攻撃してるけどしょうがないよねバイトだもの。

…にしてもいつもいつも1対4って卑怯じゃないかなあと思う。指示出す人はあんま加勢してくんないし。見てないでお前も戦えよって思うことも多々ありますが我慢です。
あと攻撃が地味に痛い。可愛い恰好してるくせにキックとかパンチとかえげつない物理攻撃でテンション下がるわ…

注意点:危険手当はでるけど本能が拒絶するので攻撃に自ら当たりにいくことはできません。

そんなことを思っているとなんか赤いプリキュア(たしかパッション)からすごい光が…

「歌え!幸せのラプソディ!パッションハープ 吹き荒れよ!幸せの嵐!…」
「ボアァッ!?(おいおい、幸せってこんなに痛いのかよ!あとハート吹き乱れすぎててなんかこわい!!)」
「プリキュア・ハピネスハリケーン!!!」
「しゅわしゅわ~(あー今日は体に痣出来てないといいなあ。っていうか自分負けてばっかだな)」



精神が体に戻りました。


…いてえ



今回は図書館で本を読んでる時に呼ばれたので、体に戻ったら手元にある本のページが変わってて物語がわけのわからないことに…

精神が怪物の中にいる間は、体には別の人格が入っている模様です。この前偶然友人と一緒にいた時に呼ばれ、帰ってきたら「なんかさっきまで機械的な反応しかしなくてつまんなかった。」と言われました。



図書館からの帰宅途中、公園を突っ切って帰ろうと思い歩いていると、ドーナツ屋の所で女の子四人が座ってドーナツを食べながら仲良く話しているのが見えた。あ、あれあゆみさんとこの娘さんだ…面識はないから一方的に知ってるだけだけど。
にしてもドーナツおいしそうだな。よく見ると傍でフェレットっぽいやつもドーナツ食べてる…
くそっ!動物ですらドーナツ食べれるのに自分ときたら…!

「ほんまカオルちゃんのドーナツはおいしいなあ。運動した後は尚更やっ!」



………なんか一瞬フェレットが人語を喋ってたような気がしたんだけど…疲れてるのかな。早く帰って夕飯(主食もやし)食べよう。





さて、今日も今日とて目の前にはプリキュアのみなさんがいます。

「ハアッ!!」
「ぐるるっ!(顔はやめてぇっ!)」

ピーチが顔面狙ってパンチしてきたのをなんとか防いだら、今度は青いプリキュア…ベリーがすごい勢いでこっちにキックしてこようとしてる!
やばいやばい!…避けないとアバラ折られる気がするっ!!

「ぐるおぉっ!(あ、危なかった…)」
今回の化け物も体がデカい分全力で避けないとすぐプリキュアの攻撃当たるんだよね。しかもこうして一人に集中してると…

「やあぁっ!!」
「ぐるうううっ!!!(背後をついてくるなんて正義の味方のすることじゃねえぇ!しかも急所…この攻撃パインだなっ!)」

「今だよ!パッション!!」
「ええ! 歌え!…以下省略」
「ぐるぐおおぉっ!!!(おいまだプリキュアに攻撃当ててないんだけど!手当があぁ!!)」
「ハピネスハリケーン!」
「しゅわしゅわ~(あーまじかよここんとこ特別手当もらえてない…)」



戻りました。案の定背中が痛いです。

なんか最近パインがこわいです。トラウマになりつつある…


…にしてもここのところプリキュアに攻撃を当てられない…むやみに動き回ってるんじゃすぐ隙ができるしなあ。ちょっと対策しないと今後(主に食生活)に影響がでそうだ。





(翌日)

今日はいい天気だしちょっと外に出て気分転換しながら考えてみようかな。


…というわけで近くの公園にきました。ここ敷地が結構広いから人がごちゃごちゃしてなくて好きなんだよね。


よし。プリキュア対策まずは攻撃の傾向を思い出してみよう。
ピーチは…パンチをよくしてくるよな。怒涛のようにくるあのパンチはなんか重みを感じる。

ベリーは、キックが多いかなあ。そういえばベリーってプリキュアで一番身長高い気がする。だからリーチが長いのか?

パッションは…動きが速いからよく見失うんだよね…そんであたふたしてる間にやられるパターンが多い気が…

そんで最後にパインは……急所だな。あの子だけ間接とか考えて攻撃してくるからこわいわ。人体の構造把握してるんですか?えげつないです。

うーん。これらの情報を総合して考えると…

…なんてうんうんうなっていたら、少し離れたところに数人が集まっていた。

ステージの上で何すんのかな?5人いるけど…ってあのピンクのジャージの子あゆみさんの娘さんじゃないですか…あゆみさんの娘さんって長いな…ジャージピンクだしピンクちゃんでいいか。
ピンクちゃんと一緒にスーパーにいた子もいる…あの子はジャージ赤だからあかちゃんでいっか……いやいやだめだろ。さすがに赤ちゃんはなあ。じゃあレッドちゃん……レッドさんにしよう。
あれ?よく見たらテレビで見たことある人が…なんだっけト、ト…トリンドル?のリーダーで名前はミユキだっけ。そういえばこの町に住んでるって聞いた事あるな。
ふへー芸能人初めて生で見た。
…なんか四人がダンス踊り始めたよ…こんな目立つ場所でよくできるな。自分なら無理だわ。


でも踊ってるとこみてると、みんな楽しんでるなーってのは伝わってきた。一生懸命にリズムに合わせてて青春してるなーって感じ。自分はあの年齢の頃なにしてたっけ…?



ぼけーとしてたら、思ったより長い時間見ていたらしく、四人は休憩に入った。

自分もそろそろ家に戻ろうかな。
あ、ずっと同じ態勢だったから体がこったみたいだ。
体をほぐそうと両手を挙げて思いっきり背中を反らせてみた…そう…背中を…

「あいたぁあああっ!!?」

やばいいい!昨日パインに背中蹴られたのすっかり忘れてた!!ぐあああいたいいっ!

「え!何が開いたの!?」
ピンクちゃんがきょろきょろしながらわけわかんないこと言ってる…違うから!扉が開いたとかじゃないから!いやでも痛みの新境地は開きかけたかも…

そんなことを思いながらうずくまって悶絶してたら、黄色のジャージの子が慌ててこちらに駆け寄ってきた。

「あ、あのっ!大丈夫ですかっ!?」
「…あ、はいっ、すみません…大丈夫です…最近打撲したところをちょっと刺激してしまっただけですから…」
「打撲ですか?あの、手当とかはちゃんとしてますか?大丈夫ですか?」
「あ…いえ、特に手当はしてませんけど大丈夫です…」

痣とか出来過ぎて最近は放置してる。なんかもうめんどくさいし。

「だめじゃないですか!わたし湿布持ってますからちょっと待っててください!」
「え、あの…」



……
「ありがとうございました。おかげで楽になりました。」
「いえ、お役にたててよかったです。」

あの後半ば強引に背中の手当をしていただきました。なんでも、誰がいつけがをしてもすぐ手当できるように、自作救急キッドを持ち歩いているんだとか。
…何この子天使?天使なの?それとも女神?初対面でここまでしてくれるなんて近年まれにみるいい子だよ。あまりのやさしさにちょっと泣きそう。

「背中に打撲ってめずらしいですね」
「ええ、ちょっと強めに蹴られたんです。」
「えっ!蹴られたんですか!?もしかして喧嘩されたんですか?」
「いえ、喧嘩というより一方的な暴力でしたけど…まあいつものことですから」
「そうなんですか!?…こんなにひどいことをするなんて…」

ああ、中学生に憐みのまなざしを向けられてるよ…年上としてはやるせない気持ちでいっぱいです。
でもこんなに心配してくれるなんてほんと天使だな。かわいいし。

そんなことを思っていたら遠くの方ですごい音がした。なんか地響きみたいな。

「ブッキーっ!!!」

それを聞いた途端ステージの近くで休んでいたピンクちゃんが大きな声で呼んだ。

「!!すぐ行く!」

なになになんでみなさんそんなに必死なんですか。

「あのっ!わたし用事があるので失礼しますっ!けがお大事にしてください!」
「へ?ああ、ありがとうございま…」

お礼を言い終わる前に走って行ってしまった。
なんか忙しそうだったな…





「すみません。今からバイトをお願いします」
「ああ、はいわかりました。」
よーし。今日はプリキュアに一撃入れて特別手当ゲットするぞ!!
手当してくれた黄色のジャージの子…名前聞くの忘れたから黄色ちゃんでいいや。天使みたいな黄色ちゃんに会えたからちょっとやる気でてきたし!

今日の自分は一味違うぜ!!



…やられました。いたい…



最終更新:2014年01月23日 22:33