『ちぇんじ・たると・びーすとあっぷ?』/夏希◆JIBDaXNP.g
【一件落着?】
キュアパイン「いくで! わるいのわるいの飛んでいけ! プリキュア・ヒーリング・プレアー!」
ナケワメーケ「シュワシュワ~」
ラブ「よかった、みんな元通りになっていく」
美希「街の混乱も収まったようね。今のは夢だったんじゃないかって」
祈里「めでたし、めでたし、やな。わいの活躍のおかげやで」
タルト「わたしのフェレット恐怖症も治ったし、ほんとうに良かった」
一同「「「「えっ!?」」」」
【その後のふたり】
美希「とっ、とにかく対策は後日考えるとして、今日のところは帰りましょう」
ラブ「そっ、そうだね。もう陽も暮れるし、あはは……」
タルト「もうっ! 美希ちゃんもラブちゃんも、他人事だと思って……」
祈里「帰るっていうても、わいはパインはんの家に行けばええんか?」
タルト「タルトちゃんと入れ替わっちゃったこと、もうお父さんに話してあるから、わたしは自分の家に帰りたいけど……」
美希「でも、ブッキーだけまだ治ってないってことは話してないんでしょ? 余計な心配させちゃうんじゃ?」
ラブ「だったら、二人とも家においでよ。遊びに来たことにすればいいじゃない」
祈里「わいはどっちでもかまへんで」
タルト「わかった。家に電話してみる……じゃなくて、私の言うとおり話してね、タルトちゃん。大阪弁じゃダメよ?」
【結局メールにしました】
ラブ「タルトかわいい~っ! 一緒にお風呂入ろっか? 今夜は一緒に寝ようね!」
祈里「普段のわいには、そんなこと一度も言うたことないのに……」
タルト「それはいいけど、タルトちゃんはどうするの?」
祈里「どうって、今日は戦こうて汗もかいたし、もちろん入らせてもらうで?」
タルト「嫌っ! わたし、タルトちゃんに見られたくない……」
祈里「しゃあないなあ……。そんならしばらく我慢するわ」
ラブ「別に気にすること無いのに。あたし、いつもタルトの前で着替えてるよ?」
タルト「ラブちゃんがおかしいのよ。フェレットと言っても言葉を話すのよ? 男の人よ?」
祈里「フェレットやのうて、かわいいかわいい、妖精さんや……」
【こればっかりは……】
タルト「待って! タルトちゃん、どこに行くの?」
祈里「どこって、トイレや。もよおしてきたさかいな」
タルト「ダメっ! 行かないで!」
祈里「そない言われても……お漏らししてもええんか?」
タルト「それも嫌……。お父さん、お母さん、先立つ不幸をお許しください……」
ラブ「まった、まった! タルトはあたしが目隠しして連れて行くから、ねっ?」
タルト「ありがとう、ラブちゃん。でも、もう限界かも……」
【お散歩】
タルト「なんのかんの言ってもタルトちゃんも気を使ってくれてるし、この体も身軽で悪くないかも」
猛犬?「クンクン? クンクン?」
タルト「あ、(ブルドックの)○○ちゃん、おはよう。いいお天気ね」
猛犬?「ウゥ~、ワン! ワン! ワン!」
タルト「きゃああ、なにっ、どうしたの!?」
猛犬?(怪しい奴め、成敗してくれる!)
タルト「はぁ、はぁ、はぁ、怖かった~。この姿なら、もっと動物さんと親しくなれると思ったのに……」
ボス猫「フギャー!」
タルト「今度は何っ!? わたし、なんにもしてないのにって、はっ!」
ボス猫(お・い・し・そ・う)
タルト「たすけて~!!」
『ドスン!』
せつな「なに?」
タルト「うーん、もう限界。キュー……。(気絶)」
ボス猫「フギャー!」
せつな「私とやろうっての?」
ボス猫(ガクブル……)
せつな「この子はあきらめなさい。代わりにこれを持っていくといい」
【目が覚めると】
タルト「うーん……、ここは公園のベンチ? 今のはラブちゃんのお友達のせつなさんよね? ハンカチの上にドーナツが……」
タルト「この体になってみて初めてわかった。この世界は、人間のために作られているのね。全ての物が大きくて、ベンチの上り下りすら一苦労。お風呂はダムみたいだし、外は危険でいっぱいだし……」
タルト「人間が噛み付く動物さんを怖いと思うのと同じか、それ以上に、動物さんは普段から怖い思いをしてるのね。気をつけなくちゃ」
祈里「パインはーん、なんやこんなところにおったんか。目え覚めたら居らんかったから、慌てて探しに来たんやで」
タルト「心配かけてごめんなさい。動物さんの姿になったんだから、一度、散歩をしておきたかったの。タルトちゃんこそ、その姿は……ラブちゃんのジャージ?」
祈里「ああ、これな。せっかく人間の姿になれたんやし、いっぺんダンスをやっておきたくてな」
タルト「クスッ、同じこと考えていたのね。じゃ、帰って一緒にやりましょう」
祈里「せやな。(手をつなぐ)」
タルト&祈里「「あっ!!」」
【もとのさや】
タルト「これは……わいの体や。戻れたんか」
祈里「なんだかホッとしたような。でも、ちょっと寂しいような」
タルト「寂しいて?」
祈里「うん、せっかくタルトちゃんと親しくなれたのにって」
タルト「なんや、そんなん、どんな姿でも変わらへん。壁を作ってたんはパインはんの方やで。まあ、ダンスはやっておきたかったけどな」
祈里「それなら大丈夫! 一緒に変身だって出来たんだもの。タルトちゃんの体でも、ダンスだってやれるはずよ」
ラブ「ブッキー! タルトー! ここに居たんだ」
美希「もう、連絡くらいしなさいよね。今からミユキさんのレッスンなんだけど、ブッキーはお休みにする?」
タルト&祈里「もちろんやるわ」「もちろんやるでっ!」
ラブ「なんだ、治ってたんだ!」
美希「よかったわね。っていうか、なんでハモってるのよ」
ラブ「昨日の戦い並みに息が合ってるね。じゃあ、今日はタルトも一緒にやろう」
【視線】
ラブ「どうしたの? タルト」
美希「ブッキーも、さっきから後ろを振り返ったりして」
タルト「いや、なんや誰かから見られてる気がしてな……」
祈里「多分……。ありがとう、せつなさん」
おわり
最終更新:2014年03月08日 13:33