「ウ」は「ウルフルン」の「ウ」/makiray
(『輝け、あなたの人生! ザ・姓名判断 2012 年版』より)
【ウルフルン(うるふるん)】
この名前をお持ちのあなたは、常に愛を渇望しています。その飢えを満たしてくれる相手を早く見つけることがハッピーな人生をおくるための鍵となります。
早速、母音の分析から入りましょう。
「ウ」で始まるこの名前は、先頭だけでなくすべての音がウ段で構成されています。したがって、「ウ」が持つ属性に強く支配されます。
それでは、「ウ」の特徴とは何でしょうか。それは、「狭い」ということです。
ア、イ、ウ、エ、オと順番に発音してみてください。「ウ」では唇をすぼめますね。つまり、口の開きが小さい音なのです。
「イ」も口の開きは小さいのですが、これは横に広がる分、鋭さが生まれ、そこにパワーが宿ります。
ところが「ウ」は、形は丸いのですが「オ」ほどの広がりはないため、あなたが持っているパワーを充分に外に発することができず、いろいろな面で障害になるのです。
ただし、これも悪いことばかりではありません。あなたに害を与える邪悪なエナジーが中に入ってきにくいというメリットもあります。それがデメリットを上回るような生活を心がけるとよいでしょう。
次に子音です。
この名前に現れる子音は、ラ行とハ行の二つです。
ラ行には難しい性質があります。それは何でしょうか。
風邪を引いて鼻がつまったときのことを思い出してください。途端にラ行の音は発音できなくなってしまいます。「ラリルレロ」は「ダディデゥデド」になってしまいますよね?
つまりラ行には、コミュニケーションを妨げる要素が隠されているのです.充分な注意が必要です。
でも、がっかりしないでください。歌を歌ってみましょう。「ラララ」ですね? ラ行はこんな楽しい属性も持っています。この点を引き出すようにしましょう。実際、そうして音楽の世界で成功した人はたくさんいます。
もう一つの子音、「ハ」の属性は「笑い」です。
一言で笑いと言っても色々ありますが、この名前で幸いな点は、ウ段が基調となっている、ということです。
笑うときを思い出してください。「ハハハ」「フフフ」「ホホホ」、これは楽しそうですね。でも「ヒヒヒ」「へへへ」はどうでしょうか。何か悪いことを企んでいそうな響きです。これを避けて「フ」で笑うことで良い運気を呼ぶことができます。
ただし、これに、つまる音「促音」を混ぜると、楽しさが蹟いて、意味が逆転してしまいますので、注意が必要です。「フッフッフ」とは笑わないようにしましょう。
この名前で最も注意するべきなのは、最後の「ン」です。
「ン」は口を閉じて発音します。つまり、コミュニケーションを拒否する属性を持っているのです。
ここまでのお話を思い出してください。
「狭い」属性のウ段、コミュニケーションを妨げるラ行と、この名前には人との交流が滞りがちな要素が含まれていす。
あなたの言動を思い出してみてください。人の話を聞かなかったり、自分の意見を押し付けたりはしていませんか? 無闇に人を嘲笑したり、「うるせぇな」というのが口癖になったりしてはいませんか?
つまり、この点が、あなたの人生を考える上で一番、気をつけるべきポイントなのです。
大分、厳しいことを述べてしまいました。
でも心配はいりません。あなたの人生を輝かせるアイディアを二つお知らせしましょう。
一つは、お友達の名前です。
「ン」はコミュニケーションを拒否する属性を持っているというお話をしました。この逆の属性を持っている文字があるのです。それは「ー」、つまり伸ばす音です。
この文字自体は固有の音を持っていません。実際の発音はその前に来る音次第で変わります。すばらしい柔軟性を持った文字なのです。
また形から想像できる通り、この文字は人と人のつながりを仲介する「橋」として機能します。
この二つの性質が豊かなコミュニケーションをもたらします。
「ー」という字のある名前の方とお友達になりましょう。もしすでにお知り合いでしたら、その方とのお付き合いを深めるようにしましょう。これが第一のポイントです。「ー」の入る言葉が口癖になっている人と仲良くなる、というのもいいアイディアですね。
もう一つは、実現が難しいかもしれません。でも、もし可能でしたら、改名を検討してみてください。芸名・筆名など、職業によっては、別の名前を持つこともできますね。
ラ行のお話で音楽のこと、ハ行のお話で笑うことについて触れました。この要素を活用します。
笑いは控えめにしておきましょう。これまでの言動から考えると、いきなり「アッハッハ」と大笑いしたのでは逆に警戒されてしまいます。
音楽面では、「ラララ」もいいのですが、この名前にはすでに「ル」という音が含まれていますので、この音が持っている音楽要素を活かします。
以上の二点に留意し、元の名前とさほど変わらない響きを残しながら、まったく正反対の明るさを持った名前は:
ウフルンルン
です。
「ふざけんなっ!」
ウルフルンは本を床にたたきつけた。いや、それだけでは飽き足らず、グワァァと唸りながら、両手で引き裂き、細かく千切ってしまった。
「ウフルンルンだと?!
そんな頭の悪そうな名前、つけられるかぁっ!」
興奮のあまり肩でぜぇぜぇと息をしてしまっている。ウルフルンはどっかりと音を立てて座りなおした。
「なーにが伸ばす音だ。そんなもんで――
あれ?」
ポン、と手を打つ。
「ピエーロ様がそうだなぁ。
友達なんて畏れ多いが、俺たちの大事な皇帝陛下だ。
これからもよくよくお仕えしなきゃならん、ってことか。
…。
そう言えば」
ウルフルンは、足元で紙くずとなってしまった本を見た。意外に当たってるのかもしれない、という気がしてきた。
「友達だとは思っちゃいねぇが、アカオーニにマジョリーナもそうじゃねぇか」
悔しいが、ジョーカーもそうだ。一緒にピエーロ復活のために働いていることに違いはない。
この本、乱暴に扱って悪かったな、と思う。
残骸を拾い上げようとして伸ばした指の先。ウルフルンの動きが止まった。
「ハッピーな人生」
血の気が引く。脈拍が早くなり、口が乾く。
「あいつらも…」
ハッピー。
サニー。
ピース。
マーチ。
ビューティ。
「だーっ!
無しだ、無し!
姓名判断は無しっ!」
ウルフルンは、本の破片をまた撒き散らすと、ドタドタと足音を立てて部屋を出て行った。しばらく、扉の開け閉めの乱暴な音と、八つ当たりする声が響いていた。
最終更新:2014年04月09日 21:03