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140文字SS:フレッシュプリキュア!【2】


1.ラブせつで『見てないけど』/ねぎぼう


「美希、ラブ見なかった?」
「見てないけど」
「ほんと何処に……」

 せつなが去っていく。

「ごめん、美希たん!」
「ラブ、一体何したの?」
「ニンジンわざと買い忘れたのがバレちゃって」
「それはラブが悪い」
「そんなあ……」
「ちゃんと謝ること!」
「はぁ~い」

(ナントカは犬も喰わぬ、かしら?)


2.ラブせつで『幸福な朝』/ねぎぼう


「なんだこのオムレツの赤いのは」
「皆まで言わせないで。貴方達の顔よ!でもやはり難しいわね」
「そう言えばあの世界にはコーヒーの上に絵を描くラテアートというのがあってね……」
「でもお前みたいに山ほど角砂糖入れてたら絵も何もないだろ?」……

 ありがとう、ラブ。
 今日も幸福な朝だわ。


3.ラブせつで『手だけつないで』/ねぎぼう


「みんなで……ゆうごはーん」

 ラブの歌声にせつながそっと応える。

 手だけつないでいても伝わってくる温かさそして幸せが、
歌うことを知らなかったせつなに歌声をも授けたかのようであった。

 二人の少女は星空の下の丘を駆けていく。

 つなぐその手は互いにつかみ取った幸せのクローバー。


4.ラブせつで『美しい終わり方』/ねぎぼう


(あのまま寿命が終わるのを座して待つくらいなら、
貴女と戦っていっそ倒される方がまだ美しい終わり方だと思ってたわ。
なのに、貴女といるとやはり私の中で何かがおかしくなっていったの。
あの清々しさはこれで思い残すことはないという気持ちの筈だったのに……)

 せつなの中に生きるイースの戸惑い


5.ラブせつで『ありふれた日常の中の幸せ』/ねぎぼう


「今日の献立酢鳥だね」
「酢鳥だわ」
「ピーマン入ってるよ」
「ニンジンもね」
「残しちゃおっかなあ……」
「ダメよ、私、食べるわ」
「それじゃあたしも」

(忍耐の食事)

「デザートはプリンだよ!」
「ええ」

(一匙口にする)

「プリンおいしい~」

 ありふれた日常の中の幸せを感じる三学期の給食タイム。


6.ラブせつで『ゲームを始めようか』/ねぎぼう


 二人でお小遣いをためて開店前から並んでゲットした
人気のダンスゲームソフト。

「せつな、ゲームを始めようか」

 ところが電源をオンしてもうんともすんとも言わない。

「ピーチはんそれ最近調子悪いんや、叩いてみ」

 タルトとラブが叩いてみるも点かない。

「精一杯頑張るわ!」

 せつなの一撃に

「あ……」


7.ラブせつで『受け止めてくれるのはあなただけ』/ねぎぼう


 もう受け止めてくれるのはあなただけじゃなかったのね。

 独りだと思い込んでた私を、
最後は一人で始末をつけるしかないと思ってた私を
皆が受け止めてくれていたの。

 でもね、信じて飛び込んで行くことを、手を伸ばすことを
教えてくれたのはあなたよ。

 受け止めてくれたラブの温もりを忘れない、永遠に。


8.ラブせつで『若いときには無茶をしとけ』/ねぎぼう


「カオルちゃん、結婚したい人がいるんだ……
でも今の日本では出来ないの」
「なら、出来る国の国籍取っちゃえば?」
「それに今はこの世界にいないの」
「その世界に行ったらいいよ。杏より梅が安しってね」
「……うん、行ってくる!」

 ラブが駆けていく。

「若いときには無茶をしとけ、だな。グハッ!」


9.ラブせつで『言えない我儘』/ねぎぼう


 酢豚に入ったピーマンを見つけ、
遠慮がちに目でお願いするせつな。

「ラブ、それ苦手……」

 もう一人の娘が見せる数少ない駄目さが今は愛おしい。

「せつなったら、もうしょうがないなあ。今日だけ……だよ」

 滲んで見えない緑色を口に入れる。

 最初で最後のいえない我儘は苦くて、しょっぱい味がした。


10.ラブせつで『目を閉じて、三秒(その1)』/ねぎぼう


「ねえ、せつな。ラブちゃんが最後におまじないしてあげる」
「おまじない?」
「目を開けているとできないんだよ」

 目を閉じて、三秒……

 唇に温かさが伝わる。

「もう少し目をつぶってて」

 涙は見せない。

 笑顔で見送ると決めたんだから。

「これで大丈夫だよ」

 目の周りをやや赤くした天使が微笑んだ。
最終更新:2014年08月24日 00:34